「職場にムカつく人がいるけれど、同じ職場にいるから付き合いをゼロにできない」という悩みはいつの時代もあると思います。
ムカつく人にイライラしない技術の完全ガイドとしてこの記事を書きました。
イライラしない技術の完全ガイドとして解説しているので文章は長いです。
ですが、この記事で解説していることを実践することによって、言い返さずに我慢もせずに穏やかな気持ちで過ごすことが可能になります。
ぜひ最後まで読んで実践してください!
- 職場にマウントをとる人がいて、いちいちバカにする言い方をするのでムカつく
- 上司からネチネチ文句を言われてムカつく
- 言い返さないほうがいいとわかっているけど我慢できなくなる
言い返すか我慢するかの2択だとストレスがたまります。
言い返さず我慢もしないという選択ができれば、少なくても今より穏やかな気持ちで過ごせますよね。
職場の人間関係など離れたくても離れられない相手がいるなら、怒りをマネージメントする技術であるアンガーマネジメントを学びましょう。
この記事ではイライラを一瞬で手放すマル秘テクニックや根本的にストレスを解決する方法も含めてありったけ解説します。
強い怒りの原因である地雷の見つけ方も解説するので、穏やかな気持ちで過ごすヒントにしてください。
- ムカつく人にイライラしない技術
- ムカつく人にイライラしたときの対処法
- ムカつく人にイライラしない自分づくり
ムカつく人にイライラしない技術
アンガーマネジメントとは文字どおり怒りをマネージメントする技術のことです。
アンガーマネジメントは
- 怒りの感情を抱えたときにどうすべきか?
- 人は物事をどのように解釈して怒りを発生させているのか?
この2つの要素で成り立っています。
①が怒りを感じたときの対処法で、②は怒りの原因を考えることです。
怒りに対する「howどうすべきか?」と「whyなぜ?」と言ってもいいでしょう。
あとでも詳しく解説しますが、怒りを感じたときに考える順番は「how→why」です。
ムカつく人に対する対処法はこの4つの段階をイメージしてください。
- 怒りを感じる出来事が発生する
- イライラをクールダウンさせる対処法を考える
- イライラの原因を考える
- 心をスッキリさせる
②は怒りのピークです。
怒りを感じたら対処を考えて、まず怒りをクールダウンさせます。
その後に原因を考えて心をスッキリさせていくという流れです。
一般的に解説されているアンガーマネジメントは
- 部下に対して怒らないように接するにはどうすればいいか?
- 怒りを使ったコミュニケーションをできるだけ避けるには、相手のことを理解することが大事
こういった事例や解説が多いです。
この記事に関しては、ムカつく人にイライラしない技術として活用することを前提に解説します。
具体的な解説の前にアンガーマネジメントをオススメしている理由を先にお伝えしておこうと思います。
理由はムカつく人が自分にとっていい人になってくれる可能性が低いからです。
「人の嫌がる言動をやめてください」と言って、やめてくれる人は最初からやらないでしょう。
それが人の嫌がることだと知らない場合は別ですが、その言葉を言うことによって相手がどう思うかがわからないという人はあまりいないと思います。
ムカつく人の中にはそれをやると相手が不快に感じるとわかってやっている人もいますよね。
周囲の誰かに相談してもムカつく人が優しくなってくれることも期待できません。
だからこそ、自分の怒りを自分でマネージメントする技術が必要なのです。
そして、自分の感情に責任を持って自分の機嫌を自分でとれるようになると、ムカつく人にイライラする回数が減ってストレスが激減します。
ここでは怒りとはどんな感情なのかと対処法(how)と原因(why)を解説します。
- 怒りとはどんな感情か?
- 原因よりも先に解決方法を考える
- どんな解釈が怒りを発生させているかを考える
怒りとはどんな感情か?
怒りの感情の裏には孤独や劣等感などの感情が隠れています。
「自分は何が満たされていないと感じているのだろう?」と考えることによって、本当に自分が満たしたいニーズが見えてきます。
ですから「あの人なんかムカつく」と感じる原因は、満たされない何かがあるからだと考えましょう。
感情には一次感情と二次感情があり、怒りは二次感情と言われています。
一次感情とは劣等感、悲しい、不安などのネガティブな感情のことです。
一次感情が心のコップにたまりすぎると、心のコップから負の感情があふれ出します。
あふれ出した一次感情が表に現れたときは、二次感情である怒りに変わっています。
怒りは劣等感、悲しい、不安などのネガティブな感情がいっぱいになって生まれるのです。
- 劣等感、心配、ガッカリ、悲しい、寂しい、疎外感などが一次感情
- 一次感情があふれて表に現れたのが二次感情である怒り
怒りを発生させている根本原因である一次感情は何かを知ることは、職場のムカつくにイライラしない根本解決のヒントになります。
そのためには「なぜ自分はその人にムカついてしまうのか?」を考えることが必要です。
ムカつく人に意識を向けるのではなく、自分に意識を向けることが大事だと考えてください。
つまり、自分の外側ではなく内側にベクトルを向けるということです。
ただし、今まさにイライラしているという状況で原因を考える必要はありません。
なぜなら、誰かにムカついているときの思考の質は低いからです。
怒りを感じているときのアイデアがいいものである可能性は低いですよね。
「言い返さないほうがいいとわかっているけど我慢できなくなる瞬間がある」と思ったことはありますか?
イライラを解消しないと相手を責めたくなる気持ちになることが多いはずです。
本来のやりたいことはムカつく相手を攻撃することではないですよね。
本当に自分が満たしたいと思っているニーズは別の何かであるはずです。
本当に満たしたい自分のニーズは誰かにムカついているときに考えることは難しいと言えます。
誰かにムカついているときではなくて、冷静な状態のほうがはるかに自分の本音がわかりやすいですよね。
だから今まさにイライラしている状況では「なぜ?」と考えなくていいのです。
怒りを感じているときに必要なのは対処法であり、ムカついているときは「why」ではなく「how」を考えるようにしてください。
原因よりも先に解決方法を考える
ここでは対処を考えることについて解説します。
考える順番は「なぜ自分は相手にムカついてしまうのか?」はなく、「これから自分はどうしたらいいのか?」を先に考えましょうとお伝えしました。
言いまでもないかもしれませんが、「なぜ相手は自分にこんなヒドイことを言うのか?」の「なぜ?」にも意味がありません。
ですから「why」ではなく、まず「how」を考えることが大切です。
目的やゴールにフォーカスすることだと言ってもいいでしょう。
本来の目的を考えることによって問題が解決しますが、逆に「どうすべきか?」を考えないと状況は変わらないはずです。
「なぜ?なぜ?なぜ?」と“なぜ暴走”している人よりも「どうしたらいいか?」を考えている人のほうが冷静ですよね。
たとえば、上司がネチネチと文句を言うように指摘してきたとしましょう。
こういう状況では
- 上司は何をしろと言っているのか?
- そのうえで自分はどう行動すればいいのか?
- 今この場での上司の指示は何か?
こういった「what」や「how」の思考をしましょう。
相手にムカつく気持ちも抱えると思いますが、その怒りを「それはそれ」といったん横に置くことが大切です。
怒りを感じたときに「何?」や「どうする?」を考えることが習慣化できたら、イライラしながら働くことがなくなります。
淡々と作業できるようになると気持ちもラクですよね。
どんな解釈が怒りを発生させているかを考える
続いて怒りの原因を考えることについて解説します。
ここまでの解説で「解決方法やゴールにフォーカスすることが大事なのは同意しますが、ムカつく気持ちを我慢したらストレスがたまりませんか?」と疑問の思うのではないでしょうか。
解決方法やゴールにフォーカスすると問題を解決できるメリットがありますが、それだけだと心を大切にできていない気もしますよね。
ですから、心の中に眠っている苦悩の正体を見つけて、その苦悩を解消することも必要です。
苦悩とはイライラの根本原因だと思ってください。
イライラの根本原因を見つけるには、自分の内側にベクトルを向けて「なぜ?」と思考することが必要です。
ひとまずイライラが解消されているタイミングやムカつく人がいない状況で「なぜ?」と自分に問いましょう。
自分1人の時間に少しでもいいので、内省することがオススメです。
「なぜ自分はあのとき怒りを感じたのだろうか?」と振り返ることは重要な作業です。
その場の対処法も大事ですが、怒りの原因を知ってその原因に対する解決方法も考えてください。
イライラの解決方法を考えないと、ずっと対処法を実行し続けなければいけなくなります。
感情には一次感情と二次感情があって、怒りは二次感情だとお伝えしました。
一次感情はいわば痛みのようなものです。
痛みを一時的に止めて対処するだけでなく、痛みそのものを取り除くことも必要です。
ただし、ベクトルを自分の外側に向けることでは悩みが解決しません。
「なぜあの人は自分にマウントをとるのか?」と考えるのは、外側にベクトルを向けることです。
くり返しになりますが、ムカつく人がいい人になってくれることを期待してはいけません。
職場のムカつく人が自分にとってのいい人になってくれる可能性はほぼゼロだと考えてください。
自分の内側にベクトルを向けて、心の奥にあるイライラの原因を見つけることでスッキリした気持ちになります。
心の中に眠っている苦悩の原因を見つけるには
- なぜ自分はその言葉に怒りを感じたのか?
- 自分はムカつく人の言葉をどう解釈したのか?
こういう思考をすることが必要です。
そもそも人はなぜ誰かにムカついてしまうのだと思いますか?
ムカつく人にイライラしてしまうメカニズムは、
- ムカつく人の言動を見たり聞いたりする
- ムカつく人の言動を自分なりに解釈する
- 自分なりの解釈の結果として怒りが生まれる
この3段階です。
ポイントは出来事や他人の言動ではなく自分なりの解釈です。
出来事や他人の言葉に対する解釈は、自分が持っている独自のマイルールが深くかかわっています。
そして、「なぜ自分にとってそれが怒る理由になるのか?」を考えることで、自分が大事にしているマイルールが見えてきます。
そのマイルールをどう扱っていくかを考えることが怒りをマネージメントするうえで重要です。
マイルールの見つけるための具体例は記事の後半で解説しますので、ここでは自分の内側に意識を向けることの重要性が理解できれば大丈夫です。
ムカつく人にイライラしたときの対処法
ムカつく人にイライラしない技術であるアンガーマネジメントは、
- 怒りの感情を抱えたときにどうすべきか?
- 人は物事をどのように解釈して怒りを発生させているのか?
この2つの要素で成り立っているとお伝えしました。
ここでは、怒りを感じることを言われてイライラしたときの対処法について解説します。
イライラに対する対処は
- イライラを手放すテクニックを実践する
- 解決方法を考える
- フォーカスを変える
この3つです。
アンガーマネジメントに関する書籍や講座は世の中にたくさんあって、どれも有効な方法だと思います。
ただこれから解説する対処法の中には、他では語られることがないマル秘テクニックが含まれます。
ぜひ実践してみてください。
- イライラを一瞬で手放すマル秘テクニック
- まずは原因ではなく目的やゴールを考える
- 人ではなく「事」にフォーカスする
怒りを一瞬で手放すマル秘テクニック
一般的に解説されているアンガーマネジメントの技術にはグラウンディング、コーピング・マントラ、タイムアウトなどがあります。
引き出しが多くて損はないので、アンガーマネジメントの定番のノウハウも覚えておきましょう。
ムカつく人がいるとムカつく相手を意識してしまいますよね。
意識を「今」と「この場所」に集中させて、怒りの対象から意識をそらす方法がグラウンディングです。
たとえば、窓が視界に入ったら「窓の大きさは?」や「窓の外に何があるか?」などを考えます。
1分前にムカつくことを言われたら、「それはもう過去のことだ」と考えて今ここにあるものに意識を向けましょう。
- 自分の視界にペンが入ったら、「そのペンは何色か?」と考える
- 「デスク」「ペン」「窓」「書類」と考える
続いてコーピング・マントラを紹介したいと思います。
コーピングは「対処」で、マントラは「呪文」という意味です。
怒りを感じたときに呪文のように心を落ちつかせる言葉を頭の中で唱える方法がコーピング・マントラです。
- 勇気づける言葉を自分に言い聞かせる
- 心を落ちつかせる言葉を唱える
例)怒っても意味がない・相手はたまたま機嫌が悪いだけだ・大丈夫なんとかなるetc
他の技術には
- 気持ちを落ちつかせるためにあえてその場を離れるタイムアウト
- 怒りの原因となる思考を止めるために「止まれ!」と考えるストップ・シンキング
- 「100→99→98→97」と頭の中で引き算をしていくカウントバック
こういった方法があります。
一度は実践する価値のあるものなので、試しにトライしてみてください。
ただ個人的に一番のオススメなのがポジティブイメージ法です。
この方法はイライラを一瞬で手放すマル秘テクニックなので、ぜひ実践してほしいと思っています。
ポジティブイメージ法は楽しい気分になるものをイメージすることです。
カワイイ犬やネコをイメージしても美女やイケメンをイメージしてもOKです。
あなたの心が喜ぶものを自由に思い浮かべてください。
その中でも特にオススメなのが爆笑ネタをイメージすることです。
あなたがこれまでに見たり聞いたりしたもので、「これは爆笑してしまった」というものは何でしょうか?
怒りを感じたらそれをイメージしてみましょう。
怒りはネガティブな感情の中で爆発するリスクが高い感情です。
「悲しい」や「寂しい」と比較すると怒りはエネルギーが高いというのはイメージできるでしょうか?
エネルギーが高い感情とは、その行動が良いか悪いかは別として、人を行動させるエネルギーがある感情だと考えてください。
悲しんでいる人より怒っている人のほうが人を攻撃するリスクが高いですよね。
炭酸飲料が噴き出しているようなイメージでも大丈夫です。
炭酸が弱い飲み物よりも炭酸が強い飲み物のほうが勢いよく噴き出してきますよね。
炭酸飲料のようなイメージを感情にも持ってください。
同じネガティブな感情でも無力感より怒りのほうがエネルギーは高いです。
同じポジティブな感情でも「なんかリラックスするな」と感じている状態よりも、ワクワクしてテンションが高めのときのほうが感情としてのエネルギーが高いです。
悲しいと感じている人は他人に攻撃する可能性が低いですよね。
むしろ心が折れてしまった人は、良いことも悪いことも含めて行動できなくなることが多いです。
怒りの感情を解消したいと思ったときに、エネルギーが高くない感情で打ち消そうと思ったらエネルギー不足になる可能性があります。
だからエネルギーが高い怒りという感情を解消するには、エネルギーが高いポジティブな感情が必要なのです。
イライラを解消するのに最適な感情が愉快という感情です。
もちろんアンガーマネジメントの本で解説されている定番の方法にも効果がありますが、イラっときたら爆笑ネタを思い浮かべることが一番オススメです。
人が爆笑しているときは、心の中に高いエネルギーがある状態です。
心を落ちつかせる言葉を唱えるコーピング・マントラが有効ではないと言いたいわけではありません。
引き出し多いことが望ましいので、ぜひいろんな方法を試してください。
ただコーピング・マントラで生み出せるポジティブな感情に比べると、爆笑ネタをイメージすることのほうが感情のエネルギーは高いと言えます。
つまり、不愉快な気持ちは愉快な気持ちで上書きするということです。
この方法を実践してスキルが上がると、イライラを一瞬で消すことが可能になります。
- 好きな芸人のネタを思い浮かべる
- 面白かったコントを頭の中で再生する
- 思わず笑ってしまった替え歌を頭の中で再生するetc
まずは原因ではなく目的やゴールを考える
この記事の前半部分で「なぜ自分は相手にムカついてしまうのか?」はなく、「これから自分はどうしたらいいのか?」を考えることが大事だとお伝えしました。
起きてしまった問題に対しても同じで、まずはゴールを考えることが重要です。
今まさに火事で建物が燃えているときに原因を考えるよりも先に火を消すことが必要ですよね。
イライラも起きた問題も同じで、まずは目的やゴールを確認しましょう。
くり返しになりますが、「対処が先で分析が後」という順番です。
分析よりも対処が先ですが、それが重要かどうかを考えるのは大事な視点です。
物事を見る視点には
- 重要×コントロール可
- 重要×コントロール不可
- 重要ではない×コントロール可
- 重要ではない×コントロール不可
この4つがあります。
「どうするか?」を考えるときは重要でコントロール可能なことにフォーカスしましょう。
仕事において人間関係は重要ですが、ムカつく人の言動は自分でコントロールできないですよね。
だから「今この状況でコントロールできて重要なことは何か?」を考える習慣を持ってください。
そのうえで「今この状況で自分は何をすべきか?」と考えましょう。
大事なことなのでくり返しのお伝えになりますが、「なぜ?」という分析や自分のイライラはいったん横に置きましょう。
上司にネチネチ言われたときでも「つまり自分は何をすればいいのか?」だけを考えるようにしてください。
目的やゴールにフォーカスすることは、怒りの感情を無視することではありません。
イライラする気持ちを手放すことも必要です。
まず不必要な怒りを手放すテクニックを実践して、それから自分にできることを考えましょう。
人ではなく「事」にフォーカスする
ムカつく人を責めたくなるのは相手という「人」にフォーカスしているからです。
指摘をされてムカついてしまうのは自分という「人」にフォーカスしているからです。
人にフォーカスしても起きた問題は解決しませんしイライラも手放せません。
だからこそ、人ではなく「事」にフォーカスしましょう。
「事」にフォーカスすることによって、不必要にイライラすることがなくなります。
自分にダメ出しする人がいたら自分という人が否定されたと解釈するのではなく、あくまで自分のミスという「事」について言われていると考えてください。
自分の”人格”がダメなのではなく、”ミス”がダメだったと考えるということです。
他人に対しても同じように事にフォーカスしましょう。
相手の言動にムカついてしまったら、相手の人間性を疑うと余計ムカつく気持ちになります。
その人の存在に対して「ムカつく」と考えるのではなく、「この発言にムカついた」と考えることが事にフォーカスすることです。
「でも、ムカつくことを言われていることには変わらないですよ!」という意見もあると思います。
ですが、「この人ムカつく」と考えると、そのイライラに継続性を持たせてしまいます。
- さっきムカつくことを言われた
- 次はどんな文句を言ってくるのだろう?
こういうことを考えると、イライラが継続しますよね。
同じ職場で働いていてもストレスが少ない人もいれば、ストレスが大きいと感じる人います。
両者の差は何でしょうか?
それは「その怒りは限定的か?継続的か?」という差です。
ムカつく相手という「人」にフォーカスすると「この人はムカつく言葉を生み出す装置だ」と思ってしまい怒りに継続性を持たせてしまいます。
発言という「事」にフォーカスすると、気持ちがリセットされやすいですよね。
そのとき限定のイヤな言葉として解釈するとストレスが減ります。
またストレスが少ない人の特徴として嫌いな人が少ないというものが挙げられます。
嫌いな人が少ないというのはイヤなことがあったとしても、それを「事」としてフォーカスしてその都度リセットできているのです。
もちろん今あなたがムカつくと思っている人を好きになることはできないと思います。
ですが、ネガティブなことに関して「人」ではなく、「事」にフォーカスする習慣を持ってくださいね。
ムカつく人にイライラしない自分づくり
これまで解説してきた内容はイライラしたときの対処法です。
ここからはイライラしにくい自分づくりについて解説します。
イライラしない自分づくりは
- 怒りの原因を考える
- イライラしない思考と行動の習慣化
この2つの要素があります。
怒りの原因を自分の内側に見出すことができれば、本当の解決方法が見えてきます。
そして、イライラしない自分づくりができればスッキリとした心の状態を手に入れることが可能です。
怒りのピークは6秒と言われていて、「6秒耐えられたらイライラした気持ちはクールダウンしていく」と言われています。
でも、その一方で「その6秒の間に我慢できなくなる」という声も聞きます。
「怒りを解消するスキルを実践しているのにもかかわらず、6秒の間に我慢できなくなることもある」という悩みです。
なぜそういう悩みがあるのだと思いますか?
勉強で言えば試験の当日だけ頑張るよりも普段の勉強のほうが大事ですよね。
スポーツであれば試合のときも頑張ることが大切ですが、練習を頑張ることはもっと大事ですよね。
本番のときだけどうすべきかを考えてもうまくいきません。
怒りに対する対処もこれと同じで、イライラしないためにはトレーニングが必要です。
穏やかな気持ちで過ごすためのライフスタイルを送ることがイライラしないトレーニングになります。
「上司がこう言ってきてムカついたけど、こういうときはどうすればいいか?」を考えることが必要な場面もあるでしょう。
ただそれ以上に「自分がどんなライフスタイルを送っていて、自分自身をどう成長させるか?」のほうが大事です。
つまり、イライラしたときの対処法だけでなく、ムカつく人にイライラしない自分づくりが必要なのです。
ここでは、イライラしない自分づくりの考え方を6つ解説します。
- ソフトな言い回しのボキャブラリーを増やす
- 生活をワンパターンにしすぎない
- 1つの出来事に対して複数の解釈を持つ練習をする
- 自分の怒りのパターンを知る
- なぜ怒りを感じるのかを考える
- 自尊心を育てる
考え方に柔軟性を持たせて許容範囲を広げることが怒りをマネージメントするうえで重要です。
①~③は許容範囲を広げることにつながります。
加えて自分と向き合い成長していくことも重要です。
④~⑥は自分を成長させることについて解説しています。
6つすべて大事なのですが、得意大事なのは⑤の「なぜ怒りを感じるのかを考える」という作業です。
①ソフトな言い回しのボキャブラリーを増やす
考え方に柔軟性を持たせて許容範囲を広げることが重要です。
人の考えには3つの領域があります。
②の許容範囲を広げる努力をすることで、イライラすることが減ります。
許容範囲を広げる方法の1つがボキャブラリーを増やすことです。
なぜボキャブラリーを増やすことが許容範囲を広げることになると思いますか?
許容範囲を広げるにはその考えを理解する必要がありますよね。
人は理解するときに記号で理解しているわけではありませんし、暗号で考えることもありません。
人が何かを理解するときや考えるときは言葉を使っていますよね。
つまり、その考え方を理解するためには理解するためのボキャブラリーが必要だということです。
相手の言っていることが理解できなければ、そもそも許容範囲を広げる以前の問題ですからね。理解力はボキャブラリーの数に比例して上がります。
ここで言ってる理解力は広い意味で捉えてください。
そして、ただボキャブラリーを増やすだけでなく、できるだけソフトな言葉を使うことを心がけましょう。
意味は同じでも使う言葉によって、その人の感情は変わります。
相手にどう伝わるかも変わります。
穏やかな気持ちで過ごすためには、穏やかな気持ちでいられる言葉の使い方が重要なのです。
なぜなら言葉は人の人格に影響を与えるからです。
ソフトなボキャブラリーが増えると、ソフトな言い回しができるようになります。
結果として優しい気持ちになれたり許容範囲が広がったりするのです。
- 「嫌い」より「好きじゃない」のほうがソフト
- 「ダメ」より「良くない」のほうがソフト
- 「トイレを汚さないでください」より「いつもきれいに使っていただきありがとうございます」のほうがソフト
もし仮に「あまり好きではない」というボキャブラリーを持っていなかったら、「嫌い」という言い回ししかできなくなります。
ボキャブラリーが少ないと、ソフトな言い回しが思い浮かばなくなる可能性があると考えてください。
ソフトな言い回しができない人は、乱暴な言葉の使い方をする傾向がありますよね。
この両者を比べてみましょう。
- 相手を「◯◯さん」と名前で呼ぶ人や「あなた」という二人称で呼べる人
- 「お前」「そいつ」「こいつ」「あの女」「あのおっさん」と人を呼ぶ人
どちらの人がイライラしやすいでしょうか?
もちろん使っているボキャブラリーがイライラする原因のすべてではなりません。
ですが、その人が使っている言葉と感情には関係性があります。
ですから、できるだけソフトな言い回しを意識して言葉を使いましょう。
自分が使う言葉をソフトにする方法は2つです。
1つはできるだけボキャブラリーを増やして、言葉の中からソフトな言い回しを選択することです。
やはりボキャブラリーが少ないと言葉の選択が少なくなります。
2つ目はできるだけソフトな言い回しをしている人の言葉に触れることです。
職場の人でソフトな言い回しをしている人が少なければ、インターネットでソフトな言い回しをしている人や優しそうな人を見つけてください。
YouTubeでも何でもいいので、ソフトな言い回しをしている人を見つけてフォローしましょう。
優しそうな人の言葉に触れると、自分の心の状態も穏やかになっていきます。
また、知らなかったことを知ることは違う価値観に触れることです。
違う価値観に触れることが自分の許容範囲を広げることに役立ちます。
特定のジャンルの情報ばかりではなく、可能な範囲でいろんな情報に触れましょう。
いろんなジャンルの情報に触れると、あなたのボキャブラリーが増えるはずです。
②生活をワンパターンにしすぎない
怒りの感情をどうやってマネージメントするかだけではなく、穏やかな気持ちで過ごすライフスタイルについて考えることも重要だとお伝えしましたね。
生活をワンパターンにしすぎないことが柔軟性のトレーニングになります。
なぜ生活をワンパターンにしすぎないことが重要なのでしょうか?
同じことをくり返すと、そのことの熟練度は上がります。
もちろん慣れて上手にできるようになることは大切なことです。
ですが、1つ大きな落とし穴があります。
それは新しい刺激がなくて視野が狭くなることです。
慣れるというのは脳の同じ部分を使い続けるということです。
それは同じ思考パターンになることでもあります。
いつも同じことを考えると思考がワンパターンになって視野が狭くなるリスクがあります。
つまり同じことをくり返すだけの毎日だと視野が狭くなりますよね。
視野が狭くなると許容範囲が狭くなり、違う考え方が受け入れられなくなります。
入社10年目のベテランという人物をイメージしてください。
その職場でベテランになると、知らないことやできないことがなくなりますよね。
ふんぞり返るという態度もとりやすく、「こうあるべきだ」という考え方も強化されるでしょう。
視野が狭くなるうえに大きな態度をとっても、誰も文句を言えなくなることってありますよね。
ベテランの全員が怒りっぽいわけではないですが、新しい刺激がなく思考がワンパターンになりすぎている人はイライラしやすくなる傾向があります。
人が怒りを感じるときは「こうあるべき」というマイルールに反するときです。
生活がワンパターンになりすぎて新しいボキャブラリーが増えなくなると、「こうあるべき」というマイルールの幅がどんどん狭くなっていきます。
新しいことを始めると「未経験のことに着手することはこんなに大変なのか」と気づくかもしれません。
そうなると「なんでこんなこともできないの?」という理由で怒りを感じることが少なくなりますよね。
自分がしない発想をする人の考えに触れると「そういう考えもあるのか」と新しい気づきがあるかもしれません。
そうなると視野が広がり「なんでわかってくれないの?」という理由で怒りを感じることが減るでしょう。
新しい何かに触れることは、脳に新しい刺激を与えることです。
違う価値観に触れることや知らない世界を知るきっかけにもなります。
「いつもの自分ならAを選択するけど、今日はBを選択しよう」とちょっとだけチャレンジしてみましょう。
小さなことでもいいので、可能な範囲でいつもと違う刺激に触れてみることをオススメします。
脳に新しい刺激を与えることは、思考パターンのバリエーションを増やすことにつながります。
- 通勤や通学のルートを2~3持つ
- 入ったことがないお店に入ってみる
- いつもと違うランチを選んでみる
- 普段ビジネス本を読むなら、たまには小説を読んでみるetc
③1つの出来事に対して複数の解釈を持つ練習をする
①の「ボキャブラリーを増やす」と②の「生活をワンパターンにしすぎない」を実践すると、今まで自分がしていた思考パターンとは別の思考回路ができます。
ボキャブラリーを増やすことや生活をワンパターンにしすぎないことは自分の意志でできることですよね。
つまり、自分でコントロールできることです。
ですが、起きる出来事は自分でコントロールできません。
自分でコントロールできる行動という形で柔軟性を持たせることができたら、コントロールできない出来事に対して柔軟性を持たせるトレーニングもしてみましょう。
許容範囲を広げることは「どれだけ多くの思考パターンができるか?」ということがポイントです。
「絶対にAでなければいけない」と考えると、Bという選択肢に対してイライラしてしまいます。
「個人的にはAが正しいと思うけど、Bがダメだとは思わない」と考えられることが重要です。
1つの出来事に対して複数の意見や解釈を持つことに関してはこのイメージを持ってください。
意見そのものに良いか悪いかのジャッジをしないで、複数の視点で考えてください。
職場の人間関係であれば、自分の視点、ムカつく相手の視点、第三者の視点の3つの視点から1つの出来事を見てみましょう。
考える順番は「①自分の視点→②相手の視点→③第三者の視点」がオススメです。
- 良いか悪いかは別として、自分はどう思っているのか?
- 納得できるかどうかは別として、相手はどう思っているのか?
- 良いか悪いかは別として、第三者はどういう意見を持っているのか?
この3つの視点で考えましょう。
また、自分のことをある意味で他人だと思うことで、自分の意見を客観的に見ることができます。
相手の視点と第三者の視点に関しては、あなたの可能な範囲で想像してください。
たとえば、上から目線の同僚がいたとしましょう。
その同僚の人はあなたではなく他の人がミスをしたときは、そんなに気にしていない様子です。
でもあなたがミスしたときの同僚の態度が他の人と違うとしたらどう思いますか?
自分にだけ上からものを言うように、キツイ口調で責めてきたという状況をイメージしてください。
- 【自分の視点】自分にだけキツイ口調で言うべきではない・人によって態度を変えるのはムカつく
- 【相手の視点】あなたがミスをしたのは事実だし上司にキツイ口調の部下はいない・言いやすい人と言いにくい人がいるのは当たり前
- 【第三者の視点】人によって態度を変えることはよくないこと・でも、あなたがミスをしたことは事実
1つの出来事を自分も含めて3つの角度から見ると違う意見が見えてきます。
自分の視点にだけだとイライラして、ますます相手にムカついてしまうはずです。
「自分にだけキツイ口調で言うべきではない」という捉え方から「人によって態度を変えるのはよくないけれど、まあ自分がミスしたのは事実だしな」という捉え方に変われば、イライラした気持ちを手放しやすくなるでしょう。
理屈は簡単だけど実践が難しいと思います。
まず入口として、意見に良いか悪いかのジャッジをしないことから始めましょう。
良いか悪いかは別として、「これはあくまで個人的な意見だ」と考えることが許容範囲を広げる第一歩です。
とはいえ、相手の言い分を理解できても、完全にイライラが手放せることはないでしょう。
残ってしまう怒りに関しては、イライラを解消するテクニックで補ってください。
④自分の怒りのパターンを知る
①と②と③は考え方に柔軟性を持たせて許容範囲を広げることに関しての解説でした。
ここからは自分を成長させていくことに関して解説します。
ここでの成長とは「なぜ自分はその言動で怒りを感じたのか?」を考えて乗り越えていくことだと考えてください。
自分を成長させることができれば、スッキリとした心の状態で過ごすことができます。
イライラしない自分づくりには自己成長は必要不可欠で、成長のためには自分のことを知ることが重要です。
ここで解説する自分のことを知る作業は、怒りの原因やパターンを知ることです。
怒りの原因やパターンを知ることによって、今後の課題が見えてきます。
自分のことをどれだけ知っているかのことを自己認識力と呼びます。
自己認識力は自分の取扱説明書のようなものだと考えてください。
自分に対する理解が深まると、自分をコントロールしやすくなります。
- その出来事に対して自分はどんな解釈をしているから怒りを感じるのか?
- 自分はこういう考え方を持っている
- その考え方があるからこそ、こういう他人の言動には怒りを感じやすい
こういうことを知ることによって、根本の解決方法のヒントが見えてきます。
今後の課題が見えてくると言ってもいいでしょう。
人が怒りを感じる理由は大きく分けて2つあります。
- 「こうあるべき」や「こうしたい」に反するから
- 自尊心が傷つけられたと感じたから
これまでに怒りを感じた出来事は、2つのうちどちらのパターンかを考えてみましょう。
もちろん、①と②の両方ということもあります。
細かい分析はあとにして、まずはその怒りは2つのうちどちらのパターンなのかを考えましょう。
「こうあるべき」や「こうしたい」に反することは価値観、意図、期待のなどに反することです。
これらを「マイルール」とします。
自尊心が傷つけられたと感じた怒りは「自尊心」と表現します。
- ぞんざいに扱われた
- バカにされた
- 傷つくことを言われた
こういったことは自尊心が傷つけられたと感じることでの怒りですよね。
最近の出来事でも過去の出来事でもいいので、怒りを感じたエピソードと理由を思い出して2つのうちどちらのパターンかを考えてみましょう。
- ゴミはちゃんとゴミ箱に入れるべきだ!ポイ捨てはけしからん!→①マイルール
- あいさつしたのに無視されてムカついてしまった→②自尊心
- 人によって態度が違う同僚にムカついてしまった→①マイルール&②自尊心
- 他人に厳しく自分に甘い人が許せない→①マイルール
- マウントをとられてムカついた→②自尊心
価値観、意図、期待に反することが原因でイライラするなら、許容範囲を広げる努力が必要です。
これに関する対処法は、この記事で解説した
- ボキャブラリーを増やす
- 生活をワンパターンにしすぎない
- 1つの出来事に対して複数の解釈を持つ練習をする
これらの対処法をヒントにしてください。
自尊心が傷つくことで怒りを感じることが多いなら、自尊心を満たしていくことが課題です。
自尊心が課題の場合の対処法はこれから解説します。
⑤なぜ怒りを感じるのかを考える
④の「自分の怒りのパターンを知る」で解説したことは、
- 価値観、意図、期待などに反するから怒りを感じるのか?
- 自尊心が傷つけられたと感じるから怒りを感じるのか?
どちらのパターンの怒りかを知ることが目的でした。
ここではもっと具体的に自分がどんな考え方を持っているのかを探っていく作業を解説します。
この記事で解説したことの中でも特に重要なので、この部分だけでも集中して文章を読んでください。
怒りには強い怒りもあれば弱い怒りもあります。
怒りのレベルを10段階で評価してください。
レベル1の怒りとレベル9の怒りは強さが違いますよね。
強い怒りを感じたエピソードから自分の考え方や感じ方の正体を見つけてみましょう。
自分の怒りと向き合ったほうがいい理由は、苦しまないような自分づくりをするためです。
人は誰でも「これを言われるとムカついてしまう」という地雷のようなものを持っています。
強い怒りを感じた状況というのは地雷が爆発し瞬間だと考えてください。
その地雷と今後どう付き合っていくかを考えることは重要な作業です。
そして、怒りと向き合うことは地雷の取扱説明書をアップデートさせることです。
自分の地雷の取り扱いがわかれば人間関係のストレスは激減するでしょう。
怒りのきっかけのことをトリガーと呼びますが、トリガーは怒りの感情が刺激されるキーワードのようなものだと考えてください。
トリガーも見つけられたら、より自分をマネージメントしやすくなります。
- 怒りを10段階で評価して、強い怒りを感じたエピソードを思い出す
- なぜその出来事で強い怒りを感じたのかを考える
- 怒りを感じるトリガーを見つける
僕のエピソードを例に地雷の見つけ方を解説します。
働いていた職場で新たにルールができたときのエピソードです。
いわゆるその職場でのハウスルールというものです。
そのハウスルールに文句を言うおばちゃんがいました。
そのとき僕とおばちゃんはこんなやりとりをしました。
ああもう!めんどくさいな・・・
まあ決まったルールだから仕方ないですよ
普段はルールを守らないで好き勝手やるくせに、私にはルールを守ろうと言うんだね
いや、そんなことないですけど
そんなことある!みんな言ってる!
みんなって誰と誰と誰ですか?誰がそんなことを言ったんですか?
僕は基本的に人に怒らないのですが、なぜかこのときに怒りが爆発してしまいました。
売り言葉に買い言葉の状態でした。
このときの怒りの強さは8か9だったと思います。
なぜ僕の怒りが爆発したのかと言うと、「みんな」というキーワードが気になったからです。
かつての僕にとってのトリガーは「みんな」というキーワードでした。
なぜ「みんな」という言葉にムカついてしまったのでしょうか?
この「みんな」というキーワードが地雷を発見するうえでの重要なヒントになります。
まずは、その怒りはマイルールに反するのか?それとも自尊心が傷ついたことでの怒りか?もしくは、その両方なのかを考えます。
そして、なぜ怒りを感じたのかを考えたときに2つの考え方が見えてきました。
発見した地雷の1つは「”みんな”という言葉を使うのではなくて、自分の意見として伝えるべきだ」というマイルールです。
自分の意見に自信を持てない人が自分の意見として伝えられないと「みんな」という言葉を使う傾向があります。
これは個人的な意見ですが、「みんなはどう思っているかはわからないけど私はこう思うな」と言える人のほうがカッコイイと思っています。
「みんな」と言うことによって、自分の意見に責任を持つことから逃げているみたいに感じていたのです。
加えて「この人が言っているのは意見ではなくて単なる文句だ」とも思いました。
これも「自分の意見として伝えるべきだ」というマイルールに反することだと言えます。
2つ目の地雷は「みんな」という言葉を使われたときに、「この人は自分に疎外感を与えようとしている」と感じたことです。
「みんな」というキーワードから「みんなはこうだけど、お前1人だけが他の人と違う」というニュアンスが含まれているように思えました。
解釈は人それぞれですが、「みんな」という言葉から「仲間はずれ」とか「疎外感」のようなものを感じてしまったのです。
昔の僕は「みんな」というキーワードが出てくると、疎外感を感じることが多かったと思います。
これは自尊心が傷つく感覚によって生まれた怒りだと言えます。
かつての僕の地雷は
- 「”みんな”という言葉を使うのではなくて、自分の意見として伝えるべきだ」というマイルール
- 「疎外感を与える言葉を使うべきではない」という自尊心に関わること
この2つでした。
そして、最後に見つけた地雷を「~すべきだ」や「~してはいけない」という言葉に置き換えてみましょう。
僕の場合は「みんな」というキーワードが怒りのトリガーであり地雷でした。
あなたの地雷は何でしょうか?
- 怒りを10段階で評価して、強い怒りを感じたエピソードを思い出す
- 怒りのきっかけになったトリガーが何かを考える
- なぜそれが怒る理由なのかを考える
- 怒りの要因となるものを「~すべきだ」や「~してはいけない」という言葉に置き換える
⑥自尊心を育てる
自尊心を育てることは、ムカつく人に対する根本的な解決方法だと言えます。
できるだけ多様な価値観を知ることも必要ですが、自尊心が傷つけられたと感じたことによる怒りに関しては自尊心を満たしていくことが対処法です。
- マウントをとる人がムカつく
- 上から目線で見下すような言い方がムカつく
- 上司でもないのに命令口調なのがムカつく
このようなイライラを感じることがあれば、課題は自尊心や自己肯定感だと言えます。
感情には一次感情と二次感情があり、怒りは二次感情だとこの記事の中でお伝えしました。
一次感情が心のコップにたまりすぎると、心のコップから負の感情があふれ出します。
疎外感も劣等感も無力感もすべて一次感情です。
一次感情を暴走させない方法は、自尊心を満たすことが根本解決だと考えてください。
「自分に自信が持てないわけではないけど、マウントをとられたらムカつく」と思うのであれば、さらに上の自信があると考えましょう。
自分自身に価値を感じられるとストレスが減ります。
心の底から「自分には価値がある」と思えれば、ムカつくことを言われても受け流せるようになります。
本当の意味での自信を手に入れることができれば、今まで不愉快だと思っていたマウンティング発言でさえも愉快とさえ感じます。
かつての僕は「みんな」というキーワードが怒りのトリガーになっていました。
「みんな」というキーワードが出てくると、自分の価値が下がったと感じていました。
怒りのトリガーになるキーワードが出てくると、人は自尊心が傷つく感覚を持ちます。
かつての僕は「みんな」という言葉に対して、「みんなはこうだけど、お前1人だけが違う」という解釈をしていました。
「自分はみんなからバカにされている」という解釈までしていたからです。
でも今は「自分のことを理解してくれる人もいる」と考えられます。
僕は今「みんな」というキーワードが出てきても、冷静でいられるようになっています。
これはトリガーの話ではないですが、人間関係を勝ち負けで考えていると怒りを感じやすいです。
多くの人は人間関係を勝ち負けで考えています。
理屈では「人間関係を勝ち負けで考えるのは良くない」と誰もが理解していると思います。
多くの人が「自分は人間関係を勝ち負けで考えているわけではない」と思っているでしょう。
ですが、残念ながら自分が勝ち負けで考えていることを自覚していない人が多いです。
あなたは人間関係を勝ち負けで考えていませんか?
大丈夫だと思ったとしても改めて問いましょう。
あなたは本当に人間関係を勝ち負けで考えていないと言える自信がありますか?
マウントをとる人が間違っているのは言うまでもありません。
でも、マウントをとられて言い返したくなるのは、人間関係を勝ち負けで考えているからです。
人間関係を勝ち負けで考えてしまうのは、自尊心や自己肯定感が不足しているからだと言えます。
【参考記事】【自己肯定感を高める7つの方法】自分に自信を持つための完全ガイド
ムカつく人の対処法まとめ
同じ出来事を経験してもイライラする人もいれば、イライラしない人もいます。
イライラする人とイライラしない人の差は
- フォーカスしているものは何か?
- 許容範囲の広さや考え方の柔軟性
- どれだけ自尊心が満たされているか?
こういった部分に差があります。
そして、努力によってムカつく人にイライラしないことも可能です。
- 悲しい、寂しい、劣等感などの一次感情が心のコップにたまると二次感情である怒りに変わる
- 怒りを感じたときは「なぜ?」ではなく、「どうすべきか?」を考える
- 心が落ちついたタイミングで「なぜ?」を考える
- 怒りを感じたときはイライラを手放すテクニックを実践して心を落ちつかせる
- 人が怒りを感じる理由は①マイルールに反するから、②自尊心が傷つけられたと感じるからの2つ
- 自分の地雷を見つけて地雷の取り扱い方法を知ると怒りをマネージメントしやすくなる
- 自尊心を満たすことが人間関係のストレスの根本解決になる
ここまで読んで頂き本当にありがとうございます。
そして、お疲れ様でした。
最後に解説したことを実践してもらうためにエクササイズを用意しました。
このエクササイズを実践して、穏やかな気持ちで過ごせるようになりましょう。
できそうなものから取り組んでください。
- 怒りを感じているときは「why」ではなく「how」を考える
- 人ではなく「事」にフォーカスする
- ソフトな言い回しをしている人の言葉に触れてボキャブラリーを増やす
- 生活をワンパターンにしすぎず視野を広げる努力をする
- 1つの出来事を「自分の視点→相手の視点→第三者の視点」の順番で考えて、複数の視点から考える練習をする
- 怒りを感じたら強さを10段階で評価する
- 怒りの原因に関してマイルールに反することなのか?それとも自尊心が傷ついたからなのか?どちらかを考える
- 怒りのきっかけになるトリガーや地雷は何かを考えて、「~すべきだ」や「~してはいけない」という言葉に置き換える
この記事では自尊心を満たす方法までは解説できませんでした。
自尊心が満たされると大げさな話ではなく、人間関係のストレスは激減します。
【自己肯定感を高める7つの方法】自分に自信を持つための完全ガイドという記事で徹底的に解説しています。
この記事も完全ガイドの記事なので長いですが、ぜひチェックしてください。