萎縮するとできるはずのことができなくなりミスしやすくなります。
質問しにくくなることもあることもあるでしょう。
聞きたいことが聞けなくて「わからないのになんで聞かずに勝手な判断をしたんだ?」と怒られたことはありますか?
ミスをしてしまうことや報告できないことがあると、また怒られるという負のサイクルに陥ります。
とはいえ、「すぐ怒るから話しかけにくいし、質問しても怒ったような口調で答えるからますます聞けなくなるし報告しにくい」という悩みもありますよね。
どうすれば職場で萎縮しなくなるでしょうか?
- キツイ口調で言われると萎縮してしまう
- 上司が怖くて萎縮してしまいホウレンソウができない
- 職場の居心地が悪いと感じていて萎縮している
僕は上司にビンタされたことがあり、新入社員のときはよくメールで説教されていました。
ビクビクしながら仕事をしていたので、すべてが消極的だったのを今でも覚えています。
昔の僕だけでなく今のあなたにとっても同じで、職場の人間関係に萎縮してしまう原因は罪悪感と恐怖心です。
罪悪感と恐怖心は心のブレーキになり、あらゆる言動に制限をかけます。
何かができないことには必ず心にブレーキがあると考えてください。
この記事では
- 罪悪感を手放して萎縮しない3つの方法
- 恐怖心を手放して萎縮しない3つの方法
この2つの心のブレーキについて解説します。
- 言いたいけど言えない
- 質問したいけど上司が怖くて聞きにくい
- 職場の居心地が悪いから仕事に対して積極的になれない
- 上司がまだ仕事をしているから先に帰りにくいetc
このように遠慮や躊躇してしまうのは心にブレーキがあるからです。
罪悪感を手放すと「ミスする→怒られる→萎縮する」というサイクルを断ち切ることができます。
恐怖心を手放すと話しかける心理的ハードルが下がり質問しやすくなります。
2つの心のブレーキをはずすことによって、職場の居心地の悪さが今よりラクになるのです。
この記事では対処法を解説しますが、あなたが心の弱さを感じているならこちらの記事がオススメです。
【参考記事】【豆腐メンタルを克服するための完全ガイド】心を強くするレジリエンスとは?
罪悪感を手放して萎縮しない3つの方法
そもそも萎縮とはどんな心理状態でしょうか?
どんな考え方が萎縮する状態の原因でしょうか?
罪悪感による萎縮は
- もう自分は必要とされないのではないか?
- 役に立たないと思われたのではないか?
- 自分は無能なのではないか?
こうした考えが罪悪感を強くさせて萎縮する原因になっています。
まずはその状態から抜け出す必要があるわけです。
人の感情には浮き沈みがあり、沈んだ状態を底打ちと呼びます。
ミスの原因を考えることが必要な場面もありますが、反省しすぎると②の底打ちの状態が長くなって心の回復が遅れます。
反省しすぎることはデメリットにしかならないのです。
気持ちを切り替えて萎縮しないことは、できるだけ早く心を回復させることだと言っていいでしょう。
落ち込んだ状態から回復する力をレジリエンスと呼びます。
レジリエンスを高めると職場で萎縮しなくなると言ってもいいでしょう。
そして、罪悪感を手放せれば心が回復して本来できるはずのことが問題なくできるようになるはずです。
罪悪感が原因で萎縮しているときはの底打ちの状態ですが、ここでは罪悪感を手放して回復に向かう考え方を3つ解説します。
- 他人の機嫌の悪さと仕事の責任を切り離す
- これから何をすべきかを考える
- 今できていることを意識する
他人の機嫌の悪さと仕事の責任を切り離す
たとえば上司が怒っていたとしましょう。
上司の怒りの原因のすべてがあなたのミスでしょうか?
すぐ怒る人は別の場所ですでに怒りをためてきて、あなたの前で爆発させていることも少なくありません。
また少数ではありますが、あなたを萎縮させたくて怒っている人もいます。
ですから「すべて自分が悪い」と考えるのはやめましょう。
そしてこれが何より大事な考え方なのですが、他人の機嫌の悪さと仕事の責任を切り離すことがすごく重要です。
上司の機嫌の悪さと仕事の責任を切り離せないとビクビクしすぎてしまいます。
あなたの仕事の責任はあくまで与えられた作業を終わらせることです。
ミスをしてしまったときはミスに対するリカバリーの行動をとることです。
本来のあなたの仕事は決して上司の機嫌の悪さを改善することではないのですよね。
ですから、こういうイメージを持ってください。
人間関係には境界線を引くという考え方があるのですが、この境界線のことをバウンダリーと呼びます。
自分の責任の範囲の範囲内のことを「自分の課題」と考えます。
上司の怒りは上司の感情であって、あなたの感情ではありません。つまり上司の怒りはあなたの課題ではないということです。
境界線を引いたうえで、あなたの仕事の責任は何でしょうか?
- 与えられた仕事をやること
- ミスをしてしまったときはそのリカバリーをすること
この2つですよね。
機嫌の悪い人の機嫌をとることが仕事ではないはずです。
もちろん仕事でミスして逆ギレしろということではありませんよ。
自分に非があるときは謝ることが必要ですが、
- その人が怒っている理由は本当にすべて自分に対してなのか?
- そもそも相手の怒りは自分の課題の範囲内か?
こういったことも考えましょう。
「この人は自分にいろいろ言ってきているけど、冷静に考えてみたら自分のせいではないな」と気づければ萎縮しなくなります。
その人が不機嫌であることと仕事の責任は切り離しましょう。
同じ問題が起きてもAさんは大激怒だけど、Bさんは怒らないということがありますよね。
この場合Aさんが勝手に不機嫌になっているという考え方もできます。
「相手の怒りと仕事の責任を切り離す」と聞くと、「でも、それって自己中心的な考えではないですか?」と考えてしまいますよね。
もちろん自分に非があるときは謝ることが必要ですし、わざと怒らせるのもダメです。
そして何より大事なのは貢献しようと思うことです。
「相手の怒りを自分の課題としない」という考え方は、「あなたの機嫌の悪さは私の責任ではありません」というスタンスです。
でも、「あなたの機嫌の悪さは私の責任ではありません」という考え方だけだと、敵対心を持ってしまうように思えますよね。
ですから「あなたの怒りの感情には私が責任を持つことはできませんが、貢献したいという気持ちはあります」と考えてください。
「貢献できた」と思える感覚を自己有用感と呼びます。
自己有用感は職場での居心地の悪さや萎縮してしまう気持ちをうすめてくれる感覚です。
これから何をすべきかを考える
ミスをして開き直るのはよくないですが、やってしまったものは仕方ないです。
反省しても時間が戻るわけではないですし、ミスを取り消せるわけでもないですよね。
そして何より罪悪感を抱えることが目的ではありません。
気持ちが沈んでいるときは本来の自分ではいられなくなります。
反省しすぎるとやるべきことに集中できません。
罪悪感が手放せないままでいると、ミスしやすくなり新たな罪悪感を抱える可能性もあります。
それに萎縮した状態を見せすぎると、「何か問題があればコイツのせいにしよう」と考える悪い人もいます。
ですから反省は1分以内にして、そのあとは何事もなかったかのように行動しましょう。
「でも反省しないと思われるのではないですかね?」という意見もあると思います。
もちろん仕事でミスをしてしまったら、周りの人に謝る必要はあります。
ですが、ずっとそのことを考えるのもよくないですし、反省しすぎると受け身になります。
受け身になるというのは、
- 怒られたからやる
- 怒られないように仕事する
こういう考え方になってしまうことが受け身になることです。
同じ作業をするのでも自分の意思や自分の判断でやれば能動的になります。
「上司がこう言ってきたから」とか「これやらないとあの人がうるさいから」などの理由で動くのは受け身の働き方です。
それはやらされる仕事になってしまいます。
そして何よりこれを考えてほしいのですが、
- 萎縮して仕事のパフォーマンスを下げる
- 萎縮しないで仕事のパフォーマンスを上げる
どちらのほうが望ましい状態でしょうか?
反省しすぎることには
- 罪悪感を引きずって新たなミスをする
- 行動が受け身になる
- 自分の成長や能力の向上を止める
こういったデメリットがあるのを覚えておきましょう。
それより大事なのは「これから何をするか?」を考えることです。
これからやるべきことはミスの対処かもしれません。
次はどうすべきかを考えることかもしれません。
いずれにしても反省しすぎることはデメリットにしかならないのです。
ですから「反省より改善」と考えましょう。
これは人によって感じ方が違いますが、「反省」という言葉にはどこかネガティブな意味を感じます。
個人的には「反省」という言葉の代わりに分析という言葉を使うことをオススメします。
できるだけ気分が落ち込まない言葉の使い方も考えましょう。
今できていることを意識する
今できていることや貢献できている部分を意識しましょう。
萎縮してしまう人は「役立たずで、すいません」と思っています。
どんな小さなことでもいいので、あなたが今できていることを思い出してください。
できていることが思いつかない場合は「今はしょうがないから、これから頑張ろう!」と考えましょう。
自信も仕事の成果もこれから作ればいいのです。
できていることを思い出すときのポイントは上司の評価と切り離すことです。
これは「上司の言っていることを無視していいですよ」とか、「できていないことをできていることにしましょう」ということではありません。
人の価値は他人からの評価と自己評価でできています。
他人の評価も大事ですが、自己評価をもっと大事にしましょうということです。
確かに怒ってあなたを萎縮させる人はあなたを評価していないかもしれません。
ですが、職場の全員があなたのことを評価していないでしょうか?
人に貢献できたと思えたとききに得られる感覚のことを自己有用感と呼ぶとお伝えしましたね。
自己有用感は人に他者貢献の行動がとれたことを自分で評価できる自信だと考えてください。
人から評価されることが望ましいですが、仮に他人から評価されなくても何らかのアクションを起こしたことを自分で評価しましょう。
上司が評価してくれなくても、あなたが「この部分はOKだ」と思えるものは何でしょうか?
そういうことを思い浮かべると罪悪感を手放せて萎縮する気持ちがうすまりますよ。
恐怖心を手放して萎縮しない3つの方法
ここからは恐怖心が原因で萎縮してしまうことについて解説します。
罪悪感による萎縮は過去の出来事を引きずっていると言えます。
「申し訳ない」と思うのは過去の出来事に対してですよね。
それに対して恐怖心による萎縮は未来への不安だと言えます。
「こんなことを質問するとそんなことも知らないのかと言われるのではないか?」と考えてしまっているときの思考は未来ですよね。
「嫌われちゃったかな?」の思考が過去なら「嫌われたらどうしよう?」は未来です。
「嫌われたらどうしよう?」という考えがなければ、遠慮なく相手に話しかけて質問もできますよね。
罪悪感を手放すためには過去と現在を切り離して気持ちを切り替えることが必要で、恐怖心を手放すためには未来に対する不安要素を解消することが必要です。
では、恐怖心による萎縮はどんな考えがあるでしょうか?
恐怖心による萎縮は
- 自分の居場所はここにないのではないか?
- 「話しかけるな」と思われているのではないか?
- 何か問題が起きたらどうしよう?
こうした考えが恐怖心をつくります。
ここでは恐怖心による萎縮の状態を解消する考え方を3つ解説します。
- 自分を理解してくれる人を意識する
- 「遠慮より感謝」と考える
- 萎縮させる人に実害はないことに気づく
自分を理解してくれる人を意識する
貢献できたと思える感覚を自己有用感と呼ぶという話をしましたが、萎縮した状態を解消するにはもう1つあるといいです。
それは自己好感という感覚なのですが、自己好感とは好かれていると思える感覚です。
自分の思い込みで嫌われていると判断していたら話しかけにくいですよね。
好かれているとまでは思えなくても、「少なくても嫌われてない」と思えれば話しかけやすくなります。
わからないことと質問できて、ホウレンソウも問題なくできるでしょう。
では、どう考えても嫌われているなと思う相手に対してはどうすればいいでしょうか?
あるいは「少なくても好かれてはいない」と思う相手に対してはどうすればいいでしょうか?
それは、その相手以外の人との関係性が重要です。
仮にAさんという人がいてAさんから嫌われていたとしましょう。
Aさんから嫌われていたら、わからないことを質問しにくいですよね。
Aさんに嫌われていてもBさん、Cさん、Dさんのうちの誰かに質問すればいいのです。
仮にAさんとどうしてもコミュニケーションをとらなければいけないにしても、他の人との関係性は重要です。
なぜなら職場での恐怖心は「嫌われたらどうしよう?」だからです。
「Aさん以外の人からは好かれている」と思えると心強いと思いませんか?
他の人との関係が良好なら「この人からは嫌われているけれど、他の人からは好かれている」と思うことができます。
そう考えられると職場の居心地のよさを少しだけ感じることができるはずです。
たとえAさんが不機嫌でも「他の人から好かれているから大丈夫」と思えたら、Aさん話しかける心理的ハードルが下があります。
なぜなら「他の人が自分の味方をしてくれるかもしれない」と考えられるからです。
他の人が味方だと思えると、ちょっとだけ勇気が持てますよね。
ですから、自分のことをわかってくれる人に意識をフォーカスしましょう。
僕はこの考え方が持てるようになってから苦手な人に話しかけることに抵抗がなくなりました。
自分のことをわかってくれる人がいると思えると、「たった1人の人から嫌われても問題ない」と思えるようになります。
「遠慮より感謝」と考える
相手に気を遣うことは大切なことです。
ですが、相手に配慮することと人目を気にすることは別物です。
遠慮することをOKとするのでなく、感謝がないことがダメだと考えましょう。
遠慮より感謝が大事です。
何かしてもらったら「ありがとうございます」と言えばいいのです。
あなたは人に何かしてもらったときに「すいません」と言っていないでしょうか?
これからはキツイ口調の人に対しても、意識して「ありがとうございます」という言葉を使ってください。
僕は探し物をしていてキツイ口調の人に場所を聞いたことがありました。
○○ってどこでしたっけ?
何だよ?テメエで探せないのかよ?これだろ?
ありがとうございます
実際に相手はイライラしていましたし、こういう状況を経験したら普通の人の感覚なら萎縮してしまうと思います。
その相手はキツイ口調でしたが、僕はあえて自然体で「ありがとうございます」と言いました。
そのときの僕には申し訳ないという気持ちはありませんでした。
「すいません」と言うことによって今よりもっと萎縮しやすくなりますが、「ありがとうございます」と言えば自然体でいられます。
自然体で振る舞えれば、
- 「もう一回教えてもらってもいいですか?」
- 「今メモ取るので」
- 「もう一回確認したいのですが」
こういう言葉に言いやすくなります。
相手に質問するかどうか迷ったときや何かお願いするかどうか迷ったときは、「ありがとうございますと言えればOK」と考えましょう。
「ありがとうございますと言えればOK」と考えることで、相手に話しかける心理的ハードルは下がり質問しやすくなります。
自分がどんな言葉を使うかによっても心の状態は変化するのです。
萎縮するということは萎縮しやすい言葉を使っていると言えます。
ですから、たとえ相手があなたのことを嫌っていたとしても、あえて「ありがとうございます」と言いましょう。
萎縮させる人に実害はないことに気づく
職場も含めてですが、ある一定数すぐ怒る人がいます。
大声で怒鳴る人もいますよね。
すぐ怒る人や怒鳴る人がいると萎縮してしまいますよね。
でも冷静になって考えてみると、実は具体的な被害がないことに気づけます。
ここで言う被害は私物を盗まれるとか仕事の妨害をするといったことです。
もちろん実害があれば、現場の責任者や人事の人に報告しましょう。
僕は実害がなければ「怒らせておけばいいや」と考えます。
この考え方をあなたに強要はしませんが、そういう考え方を持つ人もいると知っておいてください。
- 考え方①職場で萎縮するのはツライ
- 考え方②萎縮させる人には実害はない
①の考え方も正しいですが、②の考え方も正しいです。
このように1つの出来事や同じ状況でも複数の解釈を持つことが大切です。
「実害はないから怒らせておけばいい」と考えることで萎縮する気持ちはうすまります。
この考え方が今の段階で受け入れることが難しいなら、「萎縮させる人に実害はない」と考えてください。
恐怖心を手放すには、
- 自分をわかってくれる人に意識をフォーカスする
- 「ありがとうございますと言えればOK」と考える
この2つに加えて「萎縮させる人に実害はない」という考え方を持ちましょう。
これらの考え方があれば、かなり萎縮してしまう心の状態はラクになるはずです。
職場で萎縮しない方法まとめ
罪悪感と恐怖心という2つの心のブレーキを手放すと、萎縮する状態は改善されホウレンソウしやすくなります。
この記事で解説したことの中でも「相手の怒りを自分の責任としない」という考え方が特に重要です。
「開き直るみたいでイヤだな」と思うなら「相手の怒りを自分の責任にしないけど配慮は必要」と考えてください。
昔の僕は職場でビクビクして萎縮していましたが、今ではたとえ怒鳴る人がいても平気になりました。
罪悪感を手放すために
- 罪悪感が原因で萎縮しているなら過去と現在を切り離して気持ちを切り替える
- 「あなたの怒りの感情には私が責任を持つことはできませんが、貢献したいという気持ちはあります」というスタンスを持つ
- 萎縮してパフォーマンスを下げるより萎縮しないでパフォーマンスを上げるほうがいい
- 上司が評価してくれなくても、あなたが「この部分はOKだ」と思えるものを考える
恐怖心を手放すために
- 恐怖心が原因で萎縮しているなら未来に対する不安要素を解消することが必要
- 自分のことをわかってくれる人に意識をフォーカスすると、「たった1人の人から嫌われても問題ない」と思えるようになる
- 「ありがとうございますと言えればOK」と考えることで、話しかける心理的ハードルが下がり質問しやすくなる
- 「実害はないから怒らせておけばいい」と考えることで萎縮する気持ちはうすまる
この記事で解説したことを実践すると萎縮してしまう状態や職場の居心地の悪さは改善するはずです。
ですが、職場の居心地が良くなるわけではありません。
この記事では根本的に心を強くする方法までは解説できませんでした。
もっと居心地を良くしたいのであれば、心の弱さを改善する必要があります。
「豆腐メンタルを克服するための完全ガイド」という記事で、心の回復力を意味するレジリエンスについて解説しているのでぜひチェックしてみてください。