できれば一緒に働きたくないけれど、今のところ自分も相手も仕事を辞めるつもりはないと悩んでいないでしょうか?
同じ職場にいるから距離を置くことができない相手がいるとストレスになりますよね。
ネットの情報には距離を置くか転職するかの2つが多いです。
ですが、距離を置くことができるなら、あなたはとっくに距離を置いていると思います。
「仕事を変えるつもりがないのに転職と言われても・・・」と思う人もいるでしょう。
「もう転職の回数を増やしたくないよ」と思う人もいるのではないでしょうか。
この記事では離れたくても離れられない相手との距離感について解説します。
- 一緒に働きたくない人が職場にいるけれど仕事を辞めたくない
- 最低限のコミュニケーションだけをとろうと思うけど、相手から話しかけてくるので困っている
- ネットで「距離を置く」という対処法を見かけることが多いけど、具体性がなく結局どうしたらいいかがわからない
物理的に距離が置けない相手には心の距離をつくることが必要です。
人間関係には境界線があって、その境界線のことをバウンダリーと呼びます。
バウンダリーについて理解できれば職場に合わない人がいてもストレスが少なくなります。
- 職場の合わない人に引くべき境界線とは何か?
- 職場の合わない人に対して心の距離をつくる6つの方法
前半部分は基本的な考え方を解説して、後半部分は実践的な考え方を解説します。
この記事は職場の合わない人と心の距離をつくる完全ガイドなので、ぜひ最後まで読んで内容を実践してくださいね。
境界線の理解を深めると、合わない人との適切な距離感がつかめます。
職場の合わない人に対して上手に境界線が引ければ、言い返さずに我慢もしないで穏やかな気持ちで過ごすことが可能になります。
職場の合わない人に引くべき境界線とは?
自分と他人との間にある境界線のことをバウンダリーと呼びます。
バウンダリーは自分と他人を区別する感覚で、「自分は自分」「他人は他人」という意識を持つことです。
境界線を引く意識が自分と相手との距離感を決めます。
責任の範囲や所有物などを「課題」という言葉に置き換えて考えるのがバウンダリーです。
- どこまでが自分の責任で、どこからが相手の責任なのか?
- それは誰の所有物なのか?
- それは誰がやるべきか?誰ならできるのか?
これらの課題に対して「これは自分の課題で、これは相手の課題」と境界線を引く意識がバウンダリー
ここではバウンダリーの基本的な考え方を3つ解説します。
これから解説する3つのことは重要な考え方なので、しっかりと理解してほしいと思います。
- 自分の課題と相手の課題を分けて考える
- 感情は感じた本人の課題だと考える
- どこまで自己開示するかを自分で決める
自分の課題と相手の課題を分けて考える
自分と相手の課題を分けることは「私は私」「相手は相手」と分けて考えることです。
- 相手の課題を自分の責任にしないこと
- 自分の課題を相手の責任にしないこと
この2つは課題を分けられている状態です。
境界線を引く考え方は自分のやるべきことや持ち物など、あらゆるものを「課題」という言葉に置き換えます。
- 相手の課題を自分の責任だと考えること
- 自分の課題を相手の責任だと考えること
この状態のことを「境界線を越える」や「バウンダリー・オーバー」という表現をします。
自分がやるべきことを人に押し付けたら、それは境界線を越えています。
本当は相手の責任なのに「お前が悪い」と言われることも境界線を越えることです。
自分と相手の課題を分けるべき理由は、本来なら気にしなくていいことを気にしないためです。
自分と相手の意見の違いを理解するためでもあります。
課題の中には意見も含まれていて、意見を強要することも境界線を越えることです。
「どうしてわかってくれないのか?」という悩みがあるなら、「相手と自分は違う人間だから意見が合わなくて当たり前」と考えましょう。
意見が合わないときだけでなく、
- 難クセを付けられていると感じたとき
- 指摘が細かすぎると感じたとき
- 価値観が違いすぎると感じたとき
こういうときにも境界線を引く意識が必要です。
境界線を引くことによって「自分の意見を相手に強要してはいけないな」と思えるようになれます。
自分のことをわかってくれないときは「相手は難クセを付けているのではなく、あくまで1つの意見を言っているだけだ」と考えましょう。
自分は相手に強要しないけど、難クセを付ける人は自分に強要しているのでは?
ここまでの説明でそう感じたのではないでしょうか。
自分は境界線を守っているけど、相手が境界線を越えてくる状況も確かにあります。
仕事に関することであれば、「引き出しを増やす」という考え方を持ってみましょう。
「自分とは意見が違うけど、相手が言っているやり方も覚えておこう」と考えられると、あなたの引き出しは増えます。
個人的な価値観であれば「あなたはそういう意見を持っているのですね」と考えましょう。
「数ある意見の中の1つ」という捉え方をしたうえで、「自分の意見も正しい」と考えてください。
「自分と相手の意見は違っている」と考えることで「どうしてわかってくれないのか?」というガッカリした気持ちになることは減るでしょう。
共感ができなくてもOKです。
違いを理解することが境界線を引く意識です。
感情は感じた本人の課題だと考える
職場に限らず、すぐに機嫌が悪くなる人はいますよね。
少しでも気に入らないことがあると嫌味を言う人もいるでしょう。
相手がイライラしていると「何か悪いことをしてしまったのか?」と心配になることもあるのではないでしょうか。
バウンダリーにおける課題の中に感情も含まれています。
相手の怒りは相手の課題であり、自分の課題ではないと考えてください。
どんな感情も感じた本人が自分でコントロールすべきものです。
感情は無形だからわかりにくいですが、感情を持っているのは本人ですよね。
自分の感情は自分のもので、相手の感情は相手のものです。
自分の感情の責任を取れるのは、それを感じた本人だけだと考えましょう。
上司の機嫌の悪さは上司の課題で、上司は自分で怒りをクールダウンさせる必要があります。
部下の落ち込んだ気持ちは部下の課題で、部下は自分で心を回復させる必要があります。
感情という課題に境界線を引かないと、何でも自分の責任だと考えてしまいます。
これは極論ですが「なんかムカつくから責任とれ」と言われても、その責任をとる必要はないですよね。
境界線を引かないと不必要に罪悪感を抱えることになります。
どんな感情も本人がその状況をどう解釈しているかで感情が決まります。
「仕方ないよね」と捉えればイライラしないですが、「気に入らない」と捉えればイライラするわけです。
「仕方ない」という解釈も「気に入らない」という解釈も相手の課題だということを忘れないでください。
相手の解釈や捉え方は自分の責任の範囲外の部分です。
ですから、イライラしている人がいたら「この人は今イライラしているんだな」とだけ考えるようにしてください。
部下がミスをしてしまって上司が怒っているという状況でも考え方は同じです。
ミスに対するリカバリーの行動をとることが部下の課題であり部下に責任があります。
でも上司の怒りに関しては部下の課題ではありません。
「お前のせいでオレはイライラしているんだぞ!」と上司が化が得るなら、それは境界線を越える考え方です。
職場の合わない人がイライラしているときは、絶対に境界線の意識を持って相手の課題だと考えてください。
感情は本人の課題だと聞くと、「自分のミスで相手が怒っているのにそれが自分の課題ではないと考えるのは人としてどうなのか?」という疑問を持つと思います。
もちろん自分に非があるときは謝ることが必要で、わざと怒らせるのもダメです。
自分にできることは何かを考えると、「感情は感じた本人の課題」という考え方が受け入れやすくなります。
職場の人間関係であれば「自分にできる貢献は何か?」と考えたうえで、「感情は感じた本人の課題だ」と考えましょう。
どこまで自己開示するかを自分で決める
心の敷地に誰をどこまで入れるのかを自分で決めることが必要です。
バウンダリーは誰に対しても同じである必要はありません。
Aさんに対しての境界線とBさんに対しての境界線は違っていていいのです。
「Aさんには相談できるけど、Bさんには相談できない」と思うことは当然ですよね。
自分のペースを守りながら柔軟に考えるようにしてください。
一度セットしたバウンダリーを固定する必要もありません。
時期、タイミング、自分の成長、価値観の変化によって、バウンダリーに柔軟性を持たせましょう。
職場に限らず合う人と合わない人がいて、自分が安心する居場所を確保することが大切です。
自分の価値観を踏まえたうえで、誰とどんなコミュニケーションをとるかを考えてください。
人間関係には3つの円があると言われています。
- 【①重要な他者】家族、恋人、親友など
- 【②次に重要な他者】友人、親戚など
- 【③知人】職場の人間関係、それほど親しくない知人など
人間関係を3つの円で考えるのが一般的な考え方ですが、個人的には人間関係を4つの円で捉えるという提案をしたいと思います。
ですから、このイメージを持ってください。
③の人と仲良くなったら②のグループに入る可能性があります。
「この人とは絶対に合わないな」と感じる人と、普通の知人同じ扱いをするのはもったいないです。
普通の知人と絶対に仲良くなれない人とを分けて考えましょう。
④のどうでもいい人に対して引くべき境界線と重要な他者に対して引くべき境界線は変えるのが当然ですよね。
どうでもいい人を自分の心の敷地の奥まで入れる必要はありません。
だからこそ、わかってくれないのが当然なのです。
バウンダリーは本来ドライに考えることではありません。
ですが、自分の気持ちが相手に伝わらないことがあるのは当然です。
自分の考えを強要しないことも境界線を引くことです。
自分のニーズを伝えていいですし、できないことを助けてもらうこともあるでしょう。
自分と相手の両方を尊重するのが本来のバウンダリーで、我慢することが境界線を引くことではないと覚えておいてください。
自分と相手を尊重することが健全な境界線です。ただし、相手が「この人は普通じゃないな」と感じる人なら話は別です。
境界線を引くという考え方がどんなものかイメージできたでしょうか?
ここまではバウンダリーの基本的な考え方を解説しましたが、後半では職場の合わない人に対するバウンダリーについて解説します。
職場の合わない人に対して心の距離をつくる6つの方法
これまでの解説した内容は基本的な考え方でしたが、ここからは実践的な考え方を解説します。
職場の合わない人に対しては可能な範囲で距離を置くことも必要です。
飲み会に参加しない、プライベートの話は避ける、トイレに逃げ込むなど可能な範囲でやってください。
ですが、物理的に距離を置くことには限界がありますから、心理的な距離をつくることも必要です。
物理的な距離は自分でコントロールしきれないですが、心理的な距離はコントロールできます。
境界線を引くことによって、心理的な距離をつくることができます。
また、相手によって引くべき境界線が変わりますが、これは態度をあからさまに変えることではありません。
リアクションが少し変わるのは大丈夫ですが、リアクションがあまりに違いすぎることには注意しましょう。
ここからは職場の合わない人に対して心の距離をつくる方法を6つ解説します。
- 苦手な人と嫌いな人を分けて考える
- リアクションで心の距離をつくる
- 表情で心の距離をつくる
- 内省モードで心の距離をつくる
- 心の距離をつくるダメ出しの受け止め方
- 心の距離を感じるイメージ法
苦手な人と嫌いな人を分けて考える
苦手な人と嫌いな人を分けて考えましょう。
人間関係を4つの円で捉えるという話をしました。
苦手な人は③の知人で、嫌いな人は④のどうでもいい人です。
自分と意見が違うことによって、「この人は細かいことを気にするな」と思うこともあるでしょう。
ですが、相手が言っている内容は正しくて自分が一方的に苦手意識を持っていることも少なくありません。
あなたの苦手な人はキツイ口調で言うことがあると思いますが相手に敵意はないと言えます。
苦手な人との関係性は改善する可能性があると考えてください。
苦手な人と嫌いな人を見極めるポイントはこの2つです。
- 仕事の意見として発言しているか?
- 敵意があって発言しているか?
この2つの視点を持ってください。
嫌いな人との関係性は無理して改善する必要はありません。
むしろ改善しようとすると、あなたのストレスがたまります。
相手に敵意や悪意を感じるなら、心の距離を遠くしましょう。
嫌いな人はどうでもいい人です。
だから「相手に興味を持たなくていい」と自分に許可しましょう。
興味を持たないというのは、どうでもいい人がイライラしているときに「怒らせておけばいい」と考えることです。
心には家、庭、敷地の外の3つがあるとイメージしてください。
あなたのコアな価値観は心の家の中にあります。
仕事に関係する他人の意見は心の庭に入れる必要がありますが、家の中まで入れる必要はありません。
どうでもいい人の文句は心の庭の外から聞こえる声です。
どうでもいい人の機嫌が悪くても「外の人がなんか言っている」と考えてください。
苦手な人は門を開けて心の庭までは入れましょう。
ですが、嫌いな人は門を閉じて心の敷地に入れる必要はありません。
どうでもいい人に興味を持たないことが心の距離をつくる第一歩です。
リアクションで心の距離をつくる
リアクションには3パターンあります。
相手の意見を肯定するか否定するか受け流すかです。
- Yesのリアクション
- Noのリアクション
- 受け流す
YesのリアクションはYesと言うことや自分が悪くないときでも謝ることです。
状況によっては自分が悪くなくても「とりあえず謝っておこう」と思う場面もあるのではないでしょうか。
Noのリアクションは相手とは違う意見を言う、反論する、Noと言うなどのリアクションです。
心の距離をつくるには不必要にリアクションしないことが大切です。
肯定も否定もせず受け流しましょう。
3つのリアクションのバランスを考えることが必要ですが、基本的にはうすいリアクションでOKです。
- 【メリット】争いを避けることができる・いい人だと思われることもあるetc
- 【デメリット】弱いヤツだと思われて、相手の都合のいいように使われる・対等な関係にはならず、自分の権利が奪われるetc
- 【メリット】自分の意見を言える・自分でコントロールできる領域が増えるetc
- 【デメリット】逆ギレだと解釈されて敵対関係になる可能性もある・自分から境界線を越えて自分の価値観を押し付ける可能性もある
- 【メリット】相手にしないでスルーするので、相手や状況からコントロールされにくい・自分のことに集中できる・トラブルとストレスを最小限にできるetc
- 【デメリット】反省しない人だと思われる・冷たいとかドライだと思われる・多用しすぎると「人の話をちゃんと聞け」と相手が爆発するリスクがあるetc
目指すべき状態は言い返さずに我慢もせず、それでいて穏やかな気持ちで過ごせる状態です。
ですから、可能な範囲でうすいリアクションを心がけてください。
受け流しすぎると「なんで反応しないのか?」と思われることもあります。
うすいリアクションにもデメリットがありますが、3つのリアクションの中で一番メリットが大きいです。
基本的にはうすいリアクションを意識して、多用しすぎず3つのリアクションのバランスを考えればリスクは低いです。
相手の主張の内容にもよりますが、リアクションの80%は受け流すリアクションでOKです。
そして、Yesと言うときもNoと言うときも淡々と受け答えしましょう。
謝るときも意見を言うときも淡々と相手に伝えるようにしてください。
3つのリアクションのうち、どのリアクションが最適かを悩むこともあると思います。
最適なリアクションを選ぶには、どうでもいいことと重要なことを見極めましょう。
判断基準として、
- 仕事に関係あることか?それとも仕事に関係ないことか?
- 相手の主張は正当か?それとも不当か?
この2つの視点を持っておけば大丈夫です。
仕事に関係ないことで不当な意見に対しては肯定も否定もせず、「そうですか」や「そうなんですね」とだけ言っておきましょう。
表情で心の距離をつくる
心の距離をつくりたければ、できるだけ表情を変えないことも必要です。
「口角を上げましょう」とか「声のトーンを上げることが大事」と一般的には言われていますが、これと逆のことをやりましょう。
口角を上げずに声のトーンも上げないようにしてください。
口角を上げることや声のトーンを上げることが必要な相手は仲良くなりたいと思う人だけです。
表情のバリエーションが少ない人は、何を考えているのか読みにくいと言われています。
「何を考えているのかわからない」と思われるからこそ、心の距離が生まれるのです。
ですから、ムッとした表情やビクビクした表情をしないようにしましょう。
とはいえ、感情と表情はリンクするものなので、心を整えるスキルも身に付けましょう。
リアクションや表情で心理的な距離のコントロールに加えて、感情のコントロールも必要です。
この方法の注意点はちゃんと使い分けをしないと無表情な人になることです。
感情表現が苦手になって、他の人とのコミュニケーションに困る可能性もあります。
ですから、感情表現をするときと感情表現しないときとで使い分けが必要です。
- 口角の上げ下げや声のトーンの上げ下げを使い分ける
- 感情を出すときと隠すときとで使い分ける
- 笑顔とポーカーフェイスを使い分ける
あからさまに態度を変えない程度にして、リアクション、表情、声のトーン、発言の量などを調節してください。
相手によって違いを大きくしすぎないことが重要です。
自分で自分のことをコントロールする力を自己コントロール力と呼びます。
リアクションの使い分けや表情の使い分けは、自己コントロール力を高めることで可能になります。
自己コントロール力を高める方法は練習あるのみです。
うすいリアクションしすぎて
- なんで何も答えないの?
- なんかオレと話してるときと態度が違わないか?
- ◯◯さんと話しているときだけ楽しそうだけど、◯◯さんのこと好きなの?
こういうツッコミをされたら、リアクションを調整して差を小さくしましょう。
もし職場の合わない人が「なんで何も答えないの?」と言ってきたら「なんて返したらいいかわからなかったです」と言っておきましょう。
「態度が違わないか?」と言われたら「そうですか?自分ではわからなかったです」と言っておけば大丈夫です。
「◯◯さんのことが好きなの?」とくだらないツッコミをしてきたら、「いえ恋愛感情はないですよ」とだけ言っておきましょう。
内省モードで心の距離をつくる
常に考え事をすると、心の距離をつくることができます。
考え事をすることは実践的なスルースキルだと言っていいでしょう。
常に考え事をするというのは、人とコミュニケーションをとりながらも内省モードで過ごすことです。
感情に影響を与えるものは、
- 自分の思考や行動である内的要素
- 他人の言動などの外的要素
この2つです。
自分の思考に集中すると、外的要素からの影響を小さくすることができます。
内省モードに切り替えることによって、他人が話しかけにくくなる効果もあります。
内省モードに切り替えるうえで、この3つを試してください。
- 頭の中で好きな音楽を再生する
- プライベートの考え事をする
- 仕事の考え事をして作業に没頭する
この3つを状況によって使い分けることによって、常に内省モードに入ることができます。
職場の合わない人がグチグチと何かを言っている場面を想像してください。
自分の思考に集中できなければ、心のダメージが大きいはずです。
常に考え事をすることによって、相手からのムダ話からの影響だけでなく自分の思考も感情に影響を与えることができます。
たとえば、相手がグチグチと言っているときに好きな音楽を頭の中で再生してみましょう。
「今週末はどこに出かけようかな?」などプライベートの考え事をするのもいいでしょう。
合わない人の存在が気にならないぐらい作業に没頭すると、仕事の生産性も上がってストレスが減ります。
自分の内側への意識を高めることによって、職場の合わない人との心の距離を感じられるのでぜひ実践してください。
個人的なオススメの方法は、職場で常に頭の中で音楽を再生することです。
自分の内側への意識を高めると他人の言動からのストレスは減ります。
とはいえ、仕事をするうえで外側への意識も必要ですよね。
人と会話しないわけにはいかないですから、内側への意識と外側への意識の両方が必要です。
内と外の意識のバランスを考えて過ごせるように練習しましょう。
慣れない作業や集中力が必要な作業に関しては、目の前のことに集中してください。
慣れているルーティン作業に関しては、他のことを考えて内省モードに切り替える練習をしましょう。
考え事をするうえでは、考えるためのネタが必要になりますよね。
特に考え事のネタがないときは頭の中で音楽を再生して、考え事のネタがあるときはそのことを考えてみましょう。
集中して作業をしなければいけない状況のときは、その作業に没頭するという使い分けをしてみてください。
心の距離をつくるダメ出しの解釈
職場の合わない人がダメ出しをしてきたらどうしたらいいでしょうか?
肯定的な情報も否定的な情報も基本的には中立的な解釈が必要です。
相手がダメ出しをしてきたら、感情的にならずにまずは中立的に捉えるようにしてください。
人の考えに「普通」も「おかしい」もありません。
相手の意見に対して「それはおかしい」と言い返すのは、自分が境界線を守れていないことです。
ですが、相手が自分にダメ出しをしても自分を責める必要はありません。
「良いか悪いかは別として相手はそういう意見を持っている」と考えましょう。
たとえ「お前は使えない」とヒドイことを言ってきても、それもある意味では意見の1つです。
意見の1つでしかないから同意する必要はありません。
「それがあなたの意見ですね」と考えることが境界線を引くことです。
相手の意見を変えようとせず、自分を責めないことが境界線を引くことです。
正当な意見だと思ったら改善が必要ですが、相手の怒りを自分の責任だと考えないようにしましょう。
感情は感じた本人の課題であって、あなたの課題ではありません。
罪悪感を抱えることが目的ではなく改善が目的です。
ですから、「自分はダメだ」と考えるのではなく、「相手は何を望んでいるか?」と考えましょう。
このイメージを忘れずに持ってくださいね。
では、不当な文句を言ってきたらどうすればいいでしょうか?
不当な文句に関しては淡々としたリアクションで聞き流してください。
「それは違います」と反応しないことをオススメします。
「それが絶対的に正しいことではなく、あくまであなたの意見ですよね」と心の中でつぶやきましょう。
どうしてもNoと言う必要がある場面なら、イライラせず罪悪感を持たずに淡々と「No」とか「できません」と言ってください。
相手の言動に対して不快な気持ちになったら、自分が境界線を越えていると考えることもできます。
「自分が間違っている」と考えるから傷つくわけです。
「相手が間違っている」と考えるから怒りを感じるのです。
「自分と相手の意見が違うだけで、強要しないことが大切だ」と思えば境界線が引けます。
不必要にリアクションすることは、せっかく引いた境界線を自分が越えることだと考えてください。
心の距離を感じるイメージ法
自分が何かに守られているイメージを持つと心の距離を感じることができます。
バウンダリーは目に見えるものではなく、意識することで生まれるものです。
自分と合わない人との間に境界線があるとイメージしてみるのもいいでしょう。
物理的な距離をコントロールするのは難しいですが、イメージによって距離をつくることは可能です。
自分の身体の周りにバリアがあるイメージでもいいです。
相手を拘束しているものがあるというイメージもいいかもしれませんね。
- ボディーガードが守ってくれているイメージ
- 自分がカプセルに入っているとイメージする
- 相手が画面の中にいるとイメージする
- 相手と自分との間に板があるイメージ
- イヤホンで音楽を聴いていて、相手の発言を話半分で聞くイメージ
- 頭の中で再生している音楽のボリュームを上げるイメージetc
くり返しになりますが、個人的なオススメは頭の中で音楽を再生することです。
相手の機嫌が悪くなったときは、頭の中で再生している音楽のボリュームを上げるイメージをしてみましょう。
ただ僕の個人的なオススメなので、具体例を参考にあなたなりのイメージを考えてくださいね。
職場の合わない人に境界線を引く方法まとめ
本来のバウンダリーは自分と相手の両方を尊重するための考え方です。
自分のニーズを伝えながらも相手に自分の意見やニーズを強要しないことが大切です。
自分にも相手にも自由と権利を与えることが健全なバウンダリーだと言えます。
ですが、仲のいい人と合わない人とで同じように境界線が引けないのは当たり前ですよね。
ですから、「境界線を引くことはドライになることなのでは?」と考えずに境界線を引きましょう。
合わない人から自分を守るためにも境界線を引くことに対して罪悪感を持つ必要はありません。
- 自分の課題と相手の課題を分けて考えることがバウンダリー
- どんな状況でも感情は感じた本人の課題
- 人間関係を①重要な他者、②次に重要な他者、③知人、④どうでもいい人の4つのグループで捉える
- 苦手な人と嫌いな人を分けて、嫌いな人はどうでもいい人だと考える
- 内容にもよるがリアクションの80%は受け流すリアクションでOK
- Yesと言うときもNoと言うときも淡々としたリアクションをする
- あからさまに態度を変えない程度に笑顔とポーカーフェイスを使い分ける
- 常に考え事をして内省モードで過ごすと、心の距離をつくることができる
- 相手がダメ出しをしてきたら「それが絶対的に正しいことではなく、あくまであなたの意見ですよね」と心の中でつぶやく
- 自分が何かに守られているイメージを持つと心の距離を感じることができる
バウンダリーの意識を持つことは、スルースキルの練習になります。
職場に合わない人がいるなら、この記事で解説したことを実践してくださいね。
あなたに実践してもらうためにエクササイズを用意しました。
- 頭の中にプレイリストを作成するイメージ持って職場にいるときに頭の中で再生したい音楽を5つ考える
- 慣れているルーティンの作業をしながらプライベートの考え事をする
- 職場に合わない人がいるのを忘れてしまうほど作業に没頭する
- 自分を守ってくれるものをイメージする
この記事では境界線について解説しました。
受け流せるようになるためには境界線の意識に加えて
- 心を整えること
- 自尊心を育てること
この2つが必要です。
【スルースキル習得の完全ガイド】受け流すために必要な3つの要素とは?という記事では、境界線を含めた3つのスキルを解説しています。
この記事はスルースキルの完全ガイドです。
ぜひチェックしてみてください。