豆腐メンタルを克服したい人のために、折れない心をつくるための完全ガイドとしてこの記事を書きました。
折れない心をつくるための完全ガイドなので、かなりボリュームがあります。
ですが、最後まで読んで実践してほしいと思います。
この記事で解説していることを実践することによって、簡単には心が折れない強いメンタルを手に入れることが可能です。
- 他人から言われたことを気にしすぎて傷ついてしまう
- 仕事でミスをすると引きずってしまう
- 上司に怒られると心が折れて、落ち込むと気持ちの切り替えに時間がかかる
仕事でミスをして上司にキツイ口調で怒られると、「自分はこの仕事に向いていないのだろうか?」と考えてしまいますよね。
でも、その一方で「辞めたいな」と考えても、「転職して新しい職場ですぐに辞めたくなってしまわないか不安」と考えてしまうこともあると思います。
「自分はなんて弱い人間なのだろう」と自分を責めてしまうこともあるでしょう。
今の仕事を続けるにしても辞めるにしても、強くならないと簡単に心が折れる日々が続きます。
豆腐メンタルを克服するための解決方法をお伝えしますと、レジリエンスというスキルを身に付けることがオススメです。
レジリエンスとは心の回復力や立ち直る力といった意味があります。
同じ環境でもストレスをためる人とストレスをそれほどためない人がいますよね。
その差は何だと思いますか?
この記事を読めばその差がわかります。
- 豆腐メンタルを克服するためのレジリエンスとは何か?
- 豆腐メンタルを克服して回復させる方法
- 豆腐メンタルを克服する考え方
レジリエンスを学んで実践することによって、
- 上司に怒られても簡単には心が折れなくなり、仕事を「辞める」とか「辞めない」で悩まなくなる
- 仕事でミスをしてしまっても、気持ちの切り替えが上手になり引きずらなくなる
こういったことが可能になります。
豆腐メンタルを克服するためのレジリエンスとは何か?
豆腐メンタルを克服したいと思ったらレジリエンスを学ぶことがオススメだとお伝えしました。
レジリエンスを学んで実践することによって、落ち込んでから元気を取り戻すまでの時間が短くなります。
心の回復力が高ければ気持ちの切り替えが早くなり、萎縮して仕事のパフォーマンスを下げることがなくなるはずです。
- ちょっと怒られるとすぐ心が折れる
- 気持ちの切り替えが苦手
- 仕事でミスをすると引きずってしまう
- 怒られたとき気持ちの立て直し方がわからず萎縮してしまう
- 他人から言われたことを気にしすぎて傷ついてしまう
- 上司から言われた言葉が頭から離れない
- 他人の言葉をマイナスに解釈してしまう
では、ここから心の回復力を意味するレジリエンスの解説をしていきたいと思います。
人がストレスを感じて心が回復するまでには4つの段階があります。
- ネガティブな出来事が発生する
- メンタルが落ち込む
- 立ち直り始める
- 心が回復する
この4つの段階の中で②のメンタルが落ち込む段階のことを「底打ち」と呼びます。
底打ちから抜け出し始めた段階の③を「立ち直り」と呼び、立ち直りの段階のあとにメンタルが回復します。
底打ちの状態から心を回復させる力がレジリエンスです。
「メンタルが強い人はバネがある」と言われているのを聞いたことがありますか?
そのバネとは心の筋肉のことです。
身体にも筋肉があるのと同じで、心にも筋肉があるという考え方があります。
身体の筋肉を筋トレで鍛えられますが、心も同じで鍛えられるものだと考えてください。
心の筋肉を鍛えることによって、豆腐メンタルを克服することができます。
- メンタルが落ち込んだときに必要な心の筋肉
- 立ち直りのときに必要な心の筋肉
- メンタルが回復したら自己分析する
メンタルが落ち込んだときに必要な心の筋肉
ここでは底打ちの段階で必要なことを解説します。
仕事のことで落ち込むとこのような悩みを持つと思います。
- 上司から言われた言葉が頭から離れない
- 仕事でミスをすると引きずってしまう
- 自分の短所ばかりを意識してしまう
これらの悩みはネガティブな感情を引きずる思考をずっとしていることが原因です。
たとえば、上司に「やっぱりお前はダメだな」と言われて心が折れたとしましょう。
- 上司が言っている「やっぱり」ってどういう意味なのか?
- 上司は自分のことをどう思っているのだろう?
- なんで上司は自分にヒドイことを言うのだろう?
このようなことを考え続けたら心が回復しません。
仮にあなたが1時間前にミスをしてしまったとしましょう。
1時間も経過した今になって同じこと考えている状態が”引きずる”ということです。
同じことを時間が経過しても考え続けて、ネガティブな感情を引きずってしまうことを反芻(はんすう)と呼びます。
反芻という言葉の本来の意味は単純にくり返すことです。
ただ、レジリエンスにおける反芻はイヤな感情を引きずる原因になる情報が頭の中をグルグルと駆け巡っている状態のことを指します。
気持ちの切り替えが苦手な人は反芻をしています。
反芻をするから気持ちの切り替えができないと言ってもいいでしょう。
では、この反芻をやめるのはどうしたらいいでしょうか?
メンタルが落ち込んだ底打ちの段階で必要な心の筋肉は、ポジティブ感情、楽観性、柔軟性の3つです。
この3つは負の感情を引きずらないために必要な心の筋肉だと考えてください。
ポジティブ感情は反芻をストップさせる役割を持ちます。
楽観性と柔軟性は物事のポジティブな側面に気づくことに役立ちます。
落ち込んでいるときの気分は快か不快かで言えば不快ですよね。
その不快さを快の気分に回復させるのがポジティブ感情です。
楽観性は「もうゲームオーバーだ」という思い込みから抜け出すために必要で、楽観性が高い人は可能性にフォーカスすることができて立ち直りも早いです。
ポジティブ感情と楽観性の2つはネガティブな感情を手放すために必要な心の筋肉だと考えてください。
柔軟性という心の筋肉を持っていると、視野を広げやすくなります。
結果として不要な思い込みを手放すことができます。
視野が狭くなると1つの考え方に執着してしまいますよね。
執着しないことは、違う角度から出来事を見ることができることです。
他人の言葉を深読みしすぎて落ち込んだことはありますか?
受け取った言葉や情報を違う角度から見ることができれば、ネガティブな感情に振り回されることもなくなります。
柔軟性を持つと他人の言葉をマイナスに解釈することもなくなりますよ。
底打ちの段階で必要なことは
- ネガティブな感情から抜け出すこと
- 不要な思い込みを手放すこと
この2つです。
ポジティブ感情、楽観性、柔軟性の3つの心の筋肉がこれ以上は落ち込まないためにイヤな感情をストップさせる手助けになります。
そして、ネガティブな感情と不要な思い込みを手放したら、「これから自分はどうしたらいいのか?」を考えましょう。
立ち直りのときに必要な心の筋肉
ここでは立ち直りの段階で必要なことを解説します。
上司に怒られて心が折れてしまったら「この仕事に向いていないかもしれない」と考えてしまう人もいるでしょう。
立ち直りの段階で大切なことは「これからどうすべきか?」を考えることです。
「それは正論だけど豆腐メンタルの自分には無理ですよ」と思う人もいるかもしれません。
自分を適切に行動させるには自尊心、自己効力感、心の支えとなる人間関係の3つが必要です。
自尊心は自分に価値を感じられる気持ちで、自己効力感は「やればできる」と思える自信です。
心の支えとなる人間関係は文字どおり「この人に相談すると心強い」と思える人だと言っていいでしょう。
「この人のために頑張ろう」と思える人だと思っても大丈夫です。
自尊心、自己効力感、心の支えとなる人間関係の3つは逆境をバネにするための心の筋肉だと考えてください。
上司に小言を言われて心が折れたことはありますか?
僕はたった1つのミスだけで「この仕事に向いていない」と判断してしまったことがあります。
傷付きやすいのは「自分は価値の低い人間だ」と思っていることが原因です。
自尊心が満たされている人はそんな簡単に心が折れることはありません。
続いて「やればできる」と思える自己効力感の必要性をお伝えしたいと思います。
上司でも誰でもいいのですが、あなたは「お前には無理だよ」と言われて傷ついたことがありますか?
「お前には無理だよ」と言われて心が折れるのは、「やればできる」と思えていないことが原因です。
自己効力感が高い人は何を言われても心が折れずに継続することができます。
心の支えとなる人間関係も大事な要素です。
スポーツの世界などで「応援してくれる人がいたからここまで頑張れた」と言う人がいますよね。
そういう言葉はキレイごとではなく、それを言っている人は本当にそう思っているはずです。
もう少し身近に感じられる話をしましょう。
たとえば、ダイエットを1人で頑張ろうとすると、挫折する確率が高くなります。
ですが、ダイエット仲間と交流しながら頑張れば、継続しやすく目標も達成しやすいですよね。
仕事のことで落ち込んでしまうという悩みも同じで、心の支えとなる人間関係が必要です。
立ち直りの段階では「これから自分はどうすべきか?」を考えましょう。
やるべきことが見えてきたら実行することも必要ですよね。
自分を行動させるためのエンジンになる心の筋肉が自尊心、自己効力感、心の支えとなる人間関係の3つです。
メンタルが回復したら自己分析する
これまでに心の筋肉の話をしてきましたが、心の筋肉は大きく分けて2つあります。
- ネガティブな感情を引きずらないために必要な心の筋肉→ポジティブ感情、楽観性、柔軟性の3つ
- 困難に負けないようにバネとなる心の筋肉→自尊心、自己効力感、心の支えとなる人間関係の3つ
さて、ここでは自己分析についてお伝えしたいと思います。
「底打ち→立ち直り→回復」の経験から学ぶことを教訓化と呼びます。
自分の経験を教訓にするためには自己分析が大切です。
自己分析とは
- どんな状況で自分は落ち込みやすいのか?
- 他人のどんな言動で自分は傷つきやすいのか?
- 自分が苦手とする状況を抜け出すために有効な手段は何か?
- 何をすれば折れた心が回復するか?
こういったことを考えることです。
自己分析することは、自分の取扱説明書をアップデートさせることだと言ってもいいでしょう。
自分の取扱説明書をアップデートさせることによって、自分をコントロールする力が上がります。
自分をコントロールする力が上がると、
- 上司に小言を言われてもイヤな感情を引きずらずにメンタルの回復も早い
- 仕事でミスをしても立ち直りが早くパフォーマンスが下がりにくい
- 悪意のある言葉に対して不必要に反応せず傷つきにくい
こういったことが可能になります。
自分をコントロールする力のことを自己コントロール力と呼びますが、自己コントロール力が上がると、感情を自分で選択できるようになります。
穏やかな気持ちで過ごしたいと思えば、望んだように穏やかな気持ちを選択することも可能です。
悪意のある言動をスルーしたいと思えば、「スルーする」という選択が自分の意志で可能になります。
では、自分の取扱説明書をアップデートさせないとどうなると思いますか?
自分が傷つく原因を知らずに過ごすと、同じことで落ち込み続けることになります。
自分のことを知ることによって、同じことで傷つくことがなくなります。
自分のことをどれだけ知っているかのことを自己認識力と呼びますが、自己認識力に比例して自己コントロール力が上がるということです。
自己認識力を高めるには、
- なぜ自分はその言葉に傷ついたのか?
- なぜ自分はその出来事で落ち込んだのか?
こうした「なぜ?」という問いが必要になります。
ただし「なぜ?」という問いを底打ちの段階でやってはいけません。
落ち込んでいるときに「なぜ?」と考えると、もっと落ち込んでしまいます。
たとえば、仕事でミスをして「うわ~やっちゃったよ~」と思っているときに、上司から「なんで?なんで?なんで?」と言われたら仕事のやる気がなくなりますよね。
他人の言動は自分でコントロールできないから仕方ないですが、少なくても自分で「なんで?」と考えてはいけません。
落ち込んでいるときや悲しい気持ちがある段階では、「なぜ?」と考えることが逆効果だと覚えておいてください。
「なぜ?」という問いは人を成長させるものでもあり、逆に成長を止めてしまうものでもあります。
大事なのは「なぜ?」と考えるタイミングです。
落ち込んでいるときの「なぜ?」は、追いつめられる気持ちになるだけですよね。
底打ちのときに必要なのはネガティブな感情から抜け出すことで、立ち直りのときに必要なのはどうすべきかを考えることです。
ですから、心が落ちついて完全に回復したタイミングに「なぜ?」を考えるようにしてください。
まずは気持ちの切り替えをして、次に「how」の思考「どうするか?」を考えて、最後に「why」の思考「なぜ?」を考えましょう。
自己分析だけでなく問題の原因を考えることも同じす。
心が落ちついてから「なぜ?」と問うようにしてください。
ちなみに落ち込んでいるときだけでなくイライラしているときも同じです。
先に怒りの感情を解消しましょう。
まずイライラを解消して次にどうすべきかを考えて、問題が解決したら分析するという順番だと覚えておいてくださいね。
豆腐メンタルを克服するには心の筋肉が必要です。
落ち込んだ状態からメンタルを回復させるには
- ポジティブ感情
- 楽観性
- 柔軟性
- 自尊心
- 自己効力感
- 心の支えとなる人間関係
この6つが必要です。
この6つの心の筋肉に関して「スルースキルが高い人の特徴とは?6つの心の筋肉を鍛えるとストレスが減る!」という記事で詳しく解説しています。
この記事で解説していることの補足説明として、ぜひチェックしてみてください。
【参考記事】スルースキルが高い人の特徴とは?6つの心の筋肉を鍛えるとストレスが減る!
豆腐メンタルを克服して回復させる方法
ここからは心が折れてしまったときの対処法ついて解説します。
メンタルを回復させる方法は
- 出来事や状況に関係なく自分の心が喜ぶことを思い浮かべる
- 出来事や状況に対して今とは違う解釈を持つ
この2つです。
出来事に関係のないことで心が喜ぶことを思い浮かべるというのはこのようなイメージです。
違う解釈を持つことは違う角度から出来事を見るイメージです。
1つの出来事を拡大して見ることもできれば、一歩引いたところから見ることもできます。
まるで自分ではない第三者が自分の経験したことを遠くから見るイメージを持つと解釈が変わるはずです。
ここでは「底打ち→立ち直り→回復」の3段階のうち底打ちの段階で必要なことを解説します。
底打ちの段階で必要な心の筋肉はポジティブ感情、楽観性、柔軟性の3つです。
- メンタルを回復させるポジティブイメージ法
- 楽観的に考える視点
- 柔軟に考える視点
メンタルを回復させるポジティブイメージ法
気持ちを落ち込ませる思考をずっと考え続けてしまうことを反芻と呼ぶとお伝えしました。
反芻をストップさせるためには気づいて、いったんそのことを考えないようにすることが必要です。
イヤな感情を引きずらないうえで有効なのがポジティブイメージ法です。
ポジティブイメージ法で考えることは、そのときの状況に全く関係ありません。
起きた出来事や状況に関係なく、自分の心が喜ぶことをイメージしましょう。
簡単に言うと、楽しい気分になれるものを想像することです。
ポジティブイメージ法はポジティブ思考とは違います。
ポジティブ思考は出来事や状況からポジティブな側面を見つけて、「残念だったけどこの部分に関してはよかった」といったことを考えることです。
ポジティブイメージ法は出来事や状況に関連しない別の何かを考えて気分をつくることです。
どちらが良いか悪いかはなく、心を回復させるには両方とも必要だと考えてください。
ポジティブイメージ法で考えることは本当に何でもOKです。
自由に好きなことをイメージしてください。
- カワイイ犬やネコをイメージする
- 美女やイケメンをイメージする
- 好きな食べ物のことを考える
- 好きな音楽を頭の中で再生する
- まるで自分が自然豊かな緑に囲まれた場所にいるかのようなイメージをするetc
ポジティブイメージ法が必要な理由は、考えないほうがいいことを考えないようにするためです。
ネガティブな出来事が発生したら反芻をしないようにしたいですよね。
ただ「考えないでください」と言われたら、考えたくなるのが人間というものです。
「今日は絶対にお酒のことを考えないでくださいね」と言われたら、逆にお酒のことが気になりますよね。
街を歩けば居酒屋が視界に入り、コンビニに入ればお酒を意識してしまうはずです。
「考えないで」はイコール「考えて」ということです。考えたくないことを考えないためには別の何かを考えましょう。
つまり、反芻をストップさせるには、楽しいことを考えるポジティブイメージ法が有効だということです。
ポジティブ思考が必要な場面もありますが、いつでもポジティブ思考ができるとは限りません。
「上司が怒るのは自分に期待しているからだ」と考えるのはポジティブ思考です。
もちろん、本当にそう思っているならポジティブ思考は有効に働きます。
でも、もし上司が「オレはお前に何も期待してないから」と言ったら、ポジティブ思考をすると逆に苦しくなるはずです。
ですから、ポジティブ思考だけでなく、心を回復させる手段としてポジティブイメージ法も実践しましょう。
楽観的に考える視点
いつでもポジティブ思考ができるとは限りません。
ですから、出来事や状況に関係なく楽しいことをイメージするポジティブイメージ法も必要だとお伝えしました。
とはいえ、出来事や状況に対して今とは違う解釈を持つことも必要です。
今の解釈に対して「本当にそうだろうか?」と疑って、自分が考えていることとは別の考え方を持つことを反論と呼びます。
ネガティブな感情を手放すには反論が必要で、反論には楽観性が必要です。
楽観性が持てないと、ますます落ち込んだ気持ちになります。
楽観的に考えるには「今と同じ状態がずっと続くだろうか?」と問いましょう。
この問いを持つことで、ずっと悪い状況は続かないことに気づけます。
落ち込んでいるときは短期的な視点しか持っていません。
解釈に楽観性を持たせることは、短期的な視点から長期的な視野に切り替えることです。
時間や期間をを点で捉える考え方と線で捉える考え方だと言ってもいいでしょう。
点と線に関してはこのイメージを持ってください。
楽観的に考えるための視点は2つあり、1つが時間で2つ目が期間です。
時間という視点は24時間の視点を持つことです。
「上司はいつも自分に小言を言ってくる」と解釈しているなら、時間という視点で捉えてみましょう。
時間という視点で捉えると「上司は朝に機嫌が悪いことが多いが昼過ぎからはマシになる」ということに気づけるかもしれません。
「上司は機嫌が悪くなる回数が多いけれど、24時間の中で自分がそれを気にしてしまう時間は1時間未満だ」と考えられるとストレスが減るはずです。
- 3時間前はどうだったか?
- 今の時間はどうか?
- 3時間後はどうなるか?
★「自分にとって悪い状況は24時間ずっと継続するだろうか?」と考える
時間の視点が24時間で捉えることで、期間は1ヶ月、2ヶ月という捉え方で見ることです。
たとえば、仕事でミスをしてしまって「この仕事に向いていないのかな?」と思ったとしましょう。
失敗して落ち込んだときは「今できないことは本当にずっとできないままだろうか?」と反論することが必要です。
すると「自分は◯◯ができない」という考え方から「“今は”できない」という考え方に変わります。
「できない」と「今はできない」の解釈の差は、「やればできる」と思える自己効力感にも影響を与えます。
また過去の自分と今の自分を比較するのも期間の視点です。
- 3ヶ月前はどうだったか?
- 現在はどうか?
- 3ヶ月後はどうなるか?
★「自分にとって悪い出来事は何日も継続するだろうか?悪い状況はずっと継続するだろうか?」と考える
柔軟に考える視点
楽観性に加えて柔軟性も解釈の反論に必要です。
柔軟性を持つことによって自分が見ている「点」はすべてではなく、見えていない部分もあると気づくことができます。
カチカチになっている考え方を柔らかくして、ビヨーンと伸ばすイメージです。
解釈に柔軟性を持たせることに関しては、このイメージも持ってください。
解釈に柔軟性を持たせるには「どんな◯◯でも△△だろうか?」と考えてみましょう。
「どんな◯◯でも△△だろうか?」という思考の型は、いろんな場面で活用できるのでぜひ覚えておいてください。
たとえば、仕事でミスをしてしまったときであれば、「どんな作業でも自分はミスをしているだろうか?」と考えることです。
この反論ができれば、「この仕事は向いていない」という思い込みから抜け出すことができそうですよね。
「自分は何をやってもダメだ」と考えてしまったら、「本当にどんな職業でも自分に向いていないだろうか?」と考えましょう。
これは少し極端ですが、世界中にはいろんな仕事があります。
すべての仕事が自分にできないわけではないはずです。
落ち込んでいるときの解釈は限定的な視点です。
限定的な視点を全体的な視野に広げるイメージを持ってください。
視野を広げる思考をすることで、今の自分には見えていないもの見えてきます。
- 【視点】私はAさんに嫌われた
- 【反論】どんな人からも私は嫌われているだろうか?
- 【視野】Bさん、Cさん、Dさんから嫌われているわけではない
豆腐メンタルを克服する考え方
メンタルを回復させる方法を実践することは対処法だと思ってください。
豆腐メンタルを克服するには対処法だけでなく根本の考え方も重要です。
豆腐メンタルを克服には
- 自尊心
- 自己効力感
- 心の支えとなる人間関係
この3つを育む考え方が必要です。
ここでは「底打ち→立ち直り→回復」の3段階のうち、立ち直りの段階で必要になることを解説します。
- 自尊心が傷つかない考え方
- 自己効力感を高める考え方
- 人間関係を心の支えにする考え方
自尊心が傷つかない考え方
豆腐メンタルの人は1つの出来事で自分の人格までダメだと思ってしまう傾向があります。
- 仕事でミスをすると引きずってしまう
- 他人から言われたことを気にしすぎて傷ついてしまう
- ちょっと怒られるとすぐ心が折れる
こういう悩みを持つ人は人格までダメだと捉えてしまうことがあるということです。
自尊心を満たす考え方や行動も必要ですが、まずは自尊心が傷つかない解釈を持つ練習をしましょう。
人格のことを「Be」、自分の選択や行動を「Do」と表現することがあります。
自尊心を傷つけないためには、存在価値(Be)と失敗につながった行動(Do)を分けて考えてください。
仕事でミスをしてしまったときは、「自分の行動や選択は間違っていたけど、自分の存在価値は下がらない」と考えましょう。
「間違ってもミスをしても自分の存在はOKだ」と考えることです。
心が折れる人はネガティブな出来事に対して「◯◯だから自分はダメだ」と解釈してしまいます。
ですが、「ミスをしたのは自分がダメだから」と捉えるから心が折れます。
「自分がダメだから怒られた」と考えるから指摘されて傷つくのです。
自尊心は車のエンジンのようなものです。
エンジンが傷ついてボロボロになってしまったら前に進めません。
エンジンである自尊心が傷つかないためには、自尊心を傷つけない解釈を持つ練習をしましょう。
自己効力感を高める考え方
自尊心が車のエンジンなら自己効力感はガソリンのようなもので、自己効力感は行動するために必要な自信です。
この記事の中で
- なぜ自分はそのことで心が折れたのか?
- どうすれば心が折れないようになれるか?
こういった思考がメンタルを回復させるうえで必要だとお伝えしました。
自己認識力が重要だということですが、自己効力感を高めるうえでも自己認識力が重要です。
「やればできる」という自己効力感を高めるには、自分の性格の強みに注目しましょう。
性格の強みを知るには過去の経験を分析することが1つの方法です。
たとえば、「なかなか成果が出なかったけど、最近になって営業成績が上がった」という経験があったとしましょう。
結果が同じでもその人の性格や気質によって要因が違います。
- 誠実だから信頼を得られて営業成績が上がった
- 社交的で会話が弾んだから営業成績が上がった
- 自分から話しかけるタイプの人ではないけれど、相手の話をじっくり聞けて営業成績が上がった
このように成功体験そのものが同じでも要因は人それぞれ違います。
「営業の仕事は外向的な人のほうが有利」とも聞きますし、「内向的な人こそ営業に向いている」とも聞きます。
どちらの意見も正しいのではないでしょうか。
どんな仕事をするうえでも、自分の持つ性質や強みを知ると問題解決のきっかけになります。
- 自分にはこういう強みがある
- 自分はこういう性格でこういう性質を持っている
- だから◯◯ができるかもしれない
こういう気づきが問題を解決するきっかきになります。
自己効力感が高まると自尊心の回復にもつながります。
そのためにも自分と向き合い性格の強みを考えてみましょう。
僕の経験もお伝えしておこうと思います。
言いたいことが言いやすい人と言いにくい人がいますよね。
僕はかつて「なんであの人は自分にだけ言いたいことを言うのかな?」という悩みがありました。
年下や後輩の立場の人からは「三神さん(僕の名前)◯◯お願いします」と言われることが多かったです。
悩んでいた当時はポジティブな側面が見えていませんでした。
僕が経験した状況を「年下に使われている」という解釈もできれば、「年下の人でも頼み事をしやすい」とも解釈できます。
あるとき「正直なところ◯◯さんは△△をやってくれないし、文句を言われそうだから三神さんと一緒のときのほうが作業しやすいです」と言われたことがありました。
このときに「年下の人に遠慮させないことは自分の長所だ」と思ったのです。
言いたいことを一方的に言うタイプの人から僕は「自分の言うことを聞いて当たり前だ」と思われていました。
でも、年下や後輩の立場の人からは「他の人に頼みにくいことを頼みやすい人だ」と思われていました。
「自分の性格のこの部分が気になる」という性質のプラスの側面に気づくことが大事です。
- 年下の人が自分に遠慮なく意見を言えるという性質を持っている
- 遠慮なく意見を言ってくれる人を味方にすることもできる
- だから理不尽なことで一方的に怒られても自分を理解してくれる人がいるかもしれない
このようなことを考えることが本当に必要なポジティブ思考です。
意味のあるポジティブ思考が立ち直りの段階では必要になります。
人間関係を心の支えにする考え方
人からエネルギーをもらうことができれば心強いですよね。
では、人間関係を心の支えにするためには
- 機嫌よく過ごすこと
- 自分の性格の強みから何ができるか考えること
こういったことが大事で、この考え方はポジティブな側面にフォーカスすることです。
加えて「嫌われたらどうしよう?」という心配や「嫌われているに違いない」という思い込みに対して反論することも考えましょう。
この考え方はネガティブな考え方を手放すことですね。
人間関係を心の支えとして捉えられない人は「嫌われたらどうしよう?」とか「嫌われているに違いない」と考えていることが多いです。
人間関係を構築するうえでの心のブレーキと言ってもいいでしょう。
人間関係を心の支えにするためには心のブレーキをはずす反論が必要です。
- たった1つのミスだけで大嫌いだと思われるだろうか?
- 相手は他人に完璧さを求める人だろうか?
- そもそも個人的に嫌われるようなことをしていないのに嫌われるだろうか?
- 相手から「100点の人」だと思われないと好かれないだろうか?
- 常に100%相手を満足させられる完璧な人にならないと嫌われるだろうか?
仕事でミスをしてしまったときは、周囲の人からの視線が気になりますよね。
心のブレーキになる考え方を手放せれば、「この人から嫌われていないだろうから、もっと自分から話しかけても大丈夫だ」と思えるはずです。
たとえば、上司から怒られて「しっかりしろよ」と言われたとしましょう。
そういうときは「他の人からも”しっかりしろよ”と思われているのではないか?」と考えがちです。
上司と同じように「しっかりしろよ」思っている人もいるでしょう。
ですが、職場の全員が同じように「しっかりしろよ」と思っているとは限りません。
むしろ上司に対して「あんな言い方しなくてもいいのに」と思っている人もいるかもしれないですよね。
仕事でミスをしてしまったときは、柔軟性を持って視野を広げることが大切です。
気持ちが落ち込んでいるときは視野が狭くなりやすいので、不必要な思い込みをする可能性があります。
人間関係であれば「自分はミスしたから、きっと嫌われているに違いない」と思い込むことです。
ミスをして周りの視線が気になったときこそ柔軟性の考え方を思い出しましょう。
- 【視点】ミスをしてしまい上司から「しっかりしろよ」と言われたので、上司からの評価は下がったかもしれない
- 【視野】職場の全員が上司と同じように「しっかりしろよ」と思っているとは限らいないし、AさんとBさんとCさんは私の気持ちを理解してくれるだろう
★職場の人間関係を上司1人にフォーカスしてみることは職場の人間関係を点で見ていることになり、他の人の反応まで見ることが視野を広げること
相手のポジティブなリアクションに注目することによって、人間関係を心の支えとして捉えることが可能になります。
仕事でミスをすると自分に対して冷たい視線を感じるかもしれません。
ですが、「あの人は自分にキツイ口調」という視点から、視野を広げると自分に優しくしてくれる人もいることに気づけますよ。
豆腐メンタルを克服する方法まとめ
豆腐メンタルを克服したいと思ったら、レジリエンスを学んで実践することがオススメです。
人がストレスを感じて心が回復するまでには、
- 落ち込むような出来事が発生する
- 底打ち
- 立ち直り
- 心が回復する
この4つの段階があります。
底打ちの状態から心を回復させる力がレジリエンスです。
この記事の中で心を回復させるには心の筋肉が必要だとお伝えしました。
心の筋肉は
- 反芻から抜け出して負の感情を引きずらないための心の筋肉
- バネの役割を果たしてメンタルを回復させるための心の筋肉
大きく分けてこの2つがあります。
同じ環境にいて同じ状況を経験しても、心が折れて立ち直るのに時間がかかる人と気持ちの切り替えが早い人がいます。
その差は解釈の違いであり、フォーカスしている部分の違いです。
心が折れない人が何にフォーカスしているかを知るにはポジティブ感情、楽観性、柔軟性、自尊心、自己効力感、心の支えとなる人間関係の解説のところを読み返してください。
そして何より豆腐メンタルを克服するには心の筋肉が必要です。
筋トレをしてすぐに筋肉ムキムキにならないのと同じように心の筋肉もすぐに強くすることは難しいことだと考えてください。
ですから、少しずつメンタルを強くするという考え方と長期的な視点を持って取り組んでいきましょう。
ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。
そして、お疲れ様でした。
長文で読むのが大変だったと思いますが、この記事で解説していることをぜひ実践してくださいね。
- レジリエンスとは心の回復力
- 気持ちの切り替えにはポジティブ感情、楽観性、柔軟性の3つが必要
- バネを持って成長するためには自尊心、自己効力感、心の支えとなる人間関係の3つが必要
- 底打ちの段階で必要なことはネガティブな感情から抜け出すこと
- 立ち直りの段階で必要なことは「これからどうすべきか?」を考えること
- 回復したときに自己分析が必要だが、落ち込んでいるときに「なぜ?」と考えることは逆効果
- メンタルを回復させる方法は出来事や状況に関係なく楽しいことをイメージすること、出来事や状況に対して今とは違う解釈を持つことの2つ
- ポジティブイメージ法は出来事や状況と別の何かを考えて気分をつくること
- 今の解釈に対して「本当にそうだろうか?」と疑って、別の考え方を持つことを反論と呼ぶ
- 楽観的に物事を捉えるには短期的な視点から長期的な視野に切り替える
- 時間と期間の2つの視点を持つことで楽観的に考えられる
- 柔軟な解釈とは限定的な視点から全体的な視野に切り替えること
- 「どんな◯◯でも△△だろうか?」という思考の型に状況を当てはめると、出来事の見えていなかった部分が見える
- 1つの出来事で自分の人格までダメだと思ってしまうと心が折れる
- 仕事でミスしてしまったことや上司に怒られたという出来事と自分の存在価値を切り離す
- 自分の性格の強みを考えて、その性質があると何ができるのかを考える
- 「自分の性格のこの部分が気になる」という性質のプラスの側面に気づくことが大事
- 仕事でミスをしてしまって周囲の人からの視線が気になったら「たった1つのミスだけで大嫌いだと思われるだろうか?」と考える
- 上司から怒られて「しっかりしろよ」と言われたとしても、職場の全員が同じように「しっかりしろよ」と思っているとは限らない
さて、実践してほしいことがあるので、エクササイズを用意しました。
あなたの可能なものから取り組んでください。
- 心を回復させるために楽しい気分になるものをイメージして、ポジティブイメージ法を実践する
- 楽観的に物事を捉えるために時間と期間の2つの視点で状況を捉える
- 解釈に柔軟性を持たせるために「どんな◯◯でも△△だろうか?」という思考の型をそのときの状況に当てはめて考える
- 自尊心を傷つけないために失敗やミスと自分の存在価値を切り離して考える
- 過去の出来事を肯定的に見て性格の強みを見つける
- 仕事でミスをしてしまって職場の人からの評価が気になったときに「たった1つのミスで簡単に嫌われるだろうか?」と考える
この記事の後半ではマイナスから0にするための考え方を主に解説しました。
自己効力感の解説を除いてはマイナスからの回復についてだったので、0からプラスの考え方や行動が気になりますよね。
【自己肯定感を高める7つの方法】自分に自信を持つための完全ガイドという記事で、0からプラスのことを解説しています。
こちらの記事も完全ガイドなので長文ではありますが、ぜひチェックしてください。