上司がわざと部下のやる気を下げるようなことを言うときがありますよね。
上司の機嫌が悪くなったときにそういう発言が出やすいですが、やる気を下げる発言に対してどう対処すればいいのでしょうか?
この記事がオススメの人
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- 上司の感情のアップダウンが激しくて困っている
- 上司はすぐ怒るけど、気まぐれにほめることもある
- 本当はほめられたいけど、上司は甘やかしてはいけないと考えているので怒ることが多い
僕は上司から気まぐれにほめられたことがありますが、当時の上司は「ほめてもコイツはあまり成長が見られない」と考えていたみたいです。
そして、「怒ってもダメでほめてもダメでお前にどう教えればいいんだ?」と言われました。
ほめるべきか?それとも叱るべきか?
こういう議論はときどき聞きますよね。
「叱られて伸びるタイプ」とか「ほめられて伸びるタイプ」という分類もあります。
ですが、ほめるも叱るもどちらも成長にはつながりません。
「叱られて伸びるタイプ」とか「ほめられて伸びるタイプ」という考え方を卒業しましょう。
そうしないと仕事のモチベーションが上司に左右され続けることになります。
では、どうすれば上司の言動に一喜一憂しなくなるでしょうか?
結論を言いますと、内発的動機付けと自己決定感の2つが必要です。
内発的動機付けとは内面にある興味、関心、意欲による動機付けです。
自分の内側に目的があり「やりたいからやっている」と思える状態だと考えてください。
自己決定感は他人によって決定されたものではなく、「自分が決めた」と思える感覚です。
この記事では
- ほめることも叱ることも効果が期待できない理由
- 上司の説教に一喜一憂せず自分のペースを乱されない考え方
この2つについて解説します。
この記事を読むことによって、
- 自分はほめられて伸びるタイプなのに上司がほめてくれない
- 上司がほめ言葉を言ったときは安心するけれど、怒ったときは不安になる
- 上司の態度によって仕事がやりやすさや心の状態が左右されることがなくなる
こういったことが可能になります。
「叱る」も「ほめる」も意味がない理由
叱ることにはあまり効果が期待できません。
ですが、ほめて伸ばすという考え方も長期的に見るとあまり効果が期待できません。
理由は内発的動機付けではないと継続して努力できないからです。
「叱る」とか「ほめる」ことによって頑張ろうとするのは外発的動機付けです。
自分の内側に「これがやりたい!」という動機がないものが外発的動機付けだと考えてください。
さらに外発的動機付けで頑張ろうとすると、自己決定感がさがりやらされ感を持つことになります。
ここで解説すること
- 叱られることがデメリットにしかならない理由
- 感情的になるのとお互いに損をする
- ほめられるために頑張ってはいけない理由
叱られることがデメリットにしかならない理由
叱られることはデメリットしかありません。
ときどき「自分はただ怒っているのではなく叱っているんだ」と考える上司もいますが、「叱る」のも「怒る」のも行為は同じです。
それは「怒鳴っているのではなく大声を出しているだけ」と言っていることと同じです。
では、叱られることでなぜ僕もあなたも頑張れないのでしょうか?
「怒られないように頑張る」と考えると自分なりの目的で行動できなくなりますよね。
仕事の目的がスキルアップや成長という動機だとやる気になれるでしょう。
ですが、「怒られないように頑張る」は外発的動機付けです。
外発的動機付けだとやる気が続かなくなるので、叱ることはデメリットなのです。
「最近の部下はちょっと怒っただけですぐ気持ちが萎えちゃうんだよな」と上司は思っているはずです。
でも、「いやいや!あなたの言い方が仕事のモチベーションを下げるんですよ!」と思いませんか?
感情的になるのとお互いに損をする
僕もあなたも注意したいことがあります。
それは「指摘されることは悪いことではない」と考えたほうがいいということです。
やる気を下げる言い方をしてはいけないと仮にあなたの上司に言ったとしましょう。
おそらく「じゃあミスをしても注意してはいけないのか?」と考えるのではないでしょうか。
もちろんダメなものはダメと言う必要はあります。
でも、いちいち感情的になる必要はないですよね。
わざわざ怒らなくても伝えたいことは伝わるはずです。
問題は上司の言い方じゃないですか!残念ながら上司はわかってくれないと思いますが・・・
あなたが先輩や上司の立場になったら、叱ることにメリットがないことを意識してくださいね。
目的は間違いを正すことや改善することです。
「何がダメなのか?」と「なぜダメなのか?」の2つが伝わればOKです。
この2つを伝えるのに怒らずとも普通に言えば伝わりますよね。
ほめられるために頑張ってはいけない理由
さて、ここからはもっと重要な話になります。
怒ることに何も効果はないですが、ほめることも望ましいことではありません。
「ほめられたらもっと頑張れるのに!」という気持ちは理解できます。
ですが、「ほめられたいから頑張る」と考える人よりも内発的動機付けで頑張っている人のほうが心は折れにくいです。
もちろん、ほめられたら素直に「ありがとうございます」と言いましょう。
ですから「ほめられなくてもOKで、ほめられたらなおOK」と考えるようにしてください。
くり返しになりますが、「ほめられるために頑張る」は外発的動機付けです。
大事なのは内発的動機付けで頑張ることです。
内発的動機付けを具体的に言うとスキルアップや成長などだと考えてください。
自分の内側に目的があると、他人から評価されなくても頑張れるようになれます。
ほめられると一時的にはやる気になれますが、ほめられることを目的とするとほめられなくなったときに頑張れなくなってしまいます。
ですから、ほめられることを期待しすぎず、おまけだと考えましょう。
上司がほめることなく怒る人なら、なおさら内発的動機付けが大事です。
上司の説教で仕事のやる気を下げない考え方
上司の説教で仕事のモチベーションを下げないためにはどうすればいいでしょか?
まず、1つ言えることは好奇心が大事だということです。
あなたが面白いと感じる作業を大切にしてください。そして、自己決定感を持つことも重要です。
それともう1つ上司の説教にネガティブな意味を付けずに、ただの情報として考えることも必要です。
これから解説すること
- 自分の興味や関心は何かを考える
- 「自分で決めた」と考える
- 上司の言動をただの情報として受け取る
自分の興味や関心は何かを考える
仮に仕事の全部が楽しいと感じられなくても、すべての作業が自分に合わないということはないはずです。
仕事の中で何が楽しいと感じられるかを考えましょう。
「そんなものはありませんよ!」
もしこう思ったのなら、少なくても苦痛ではないと思えることは何かを考えてください。
楽しいかはわからないけど、苦手意識はなく苦痛ではないことは何でしょうか?
あるいは限定的でいいで、「これだけは楽しい」と思えるものは何でしょうか?
もし今そういうものがなければ、これから「自分はこの作業が楽しいから仕事を続けられる」と思えるものを見つけましょう。
仕事の中の何かに関心が持てれば「怒られないように気をつける」という消極的な働き方を卒業できるはずです。
1つ注意したいことは「成果が出たから楽しい」ではなく、その作業をやることを楽しめかどうかです。
作業そのものが楽しいと思える例
- データを見て分析しているときは楽しい
- 資料を作成することは比較的やりがいを感じる
- 接客は好きかもしれない
こういうものがあれば評価されるためだけに仕事をしなくなります。
これがまさに内発的動機付けです。
「自分で決めた」と考える
上司の説教に一喜一憂しないために自己決定感を持ちましょう。
自己決定感を持つことで能動的になれます。
逆に「自分で決めた」と思えなければ、やらされ感を持って働くことになってしまいます。
ですから、たとえ上司の指示でも「上司が言ったから」と考えないようにしてください。
「上司の指示に対してOKを自分で出した」と考えましょう。
「好きでやっているわけではないですよ!」と考えると、自己決定感を持って働くことはできません。
満員電車に乗るのは苦痛だと思いますが、その満員電車に乗ると決めたのは自分です。
上司は選べないけれど、その会社で働くと決めたのは自分です。
これは自分を責めろという意味ではありません。
たとえ楽しくないことであっても「やると決めたのは自分だ」と考えるようにしましょう。
自己決定感を持つと楽しくないことであっても「自分のために頑張っている」と思えます。
「自分のために頑張っている」と思えれば、上司の説教に一喜一憂することもなくなるはずです。
もしかしたら「自分のために頑張る」という言葉を聞いて、「自己中心的になるのでは?」と考える人もいるかもしれません。
ですが、「自分のために努力する」と「自分のことしか考えない」は別物です。
この記事では外発的動機付けではなく、内発的動機付けで頑張りましょうとお伝えしています。
「この人に協力したい」とあなたが思うことも内発的動機付けです。
さらに「この人の役に立つ行動をとると決めたのは自分だ」と考えられると、助けることや協力することでも自己決定感を持つことが可能になります。
上司の言動をただの情報として受け取る
上司の言動をただの情報として受け取ることで一喜一憂しなくなります。
「ムカつく」とか「どうしてそんな言い方をするのだろう?」と考えているときは上司の言動に振り回されている状態です。
「納得できる」とか「理不尽だと感じる」などとは別に”ただの情報”という視点を持ってください。
「善か悪か?」「好きか嫌いか?「正しいか間違っているか?」
こういう判断も必要です。
そういう判断とは別に「すべての情報にそもそも良いも悪いもない」という考えも持ってください。
上司の言動にいちいちムカついていたら、あなたの仕事のモチベーションはどんどん下がるでしょう。
「理屈はそうかもしれないけど、でも実際に上司がやる気を下げるようなことを言うんですよ!」という意見もあるかと思います。
もし、あなたがこう思ったのなら、
- 仕事のときだけ
- 上司と一緒にいるときだけ
このように限定的に意識するのではなく、普段から意識してください。
これからは「その情報は正しいか間違っているか?」と「そもそも情報に良い悪いはない」という2つの視点を持って考えることを習慣にしましょう。
言い方を変えるなら、白か黒かで考えることに加えて「白も黒もない」と考えることです。
その習慣が上司の言動に振り回されないことにもつながります。
やる気を下げる上司に負けない方法まとめ
上司の言動に一喜一憂しないために必要なのは内発的動機付けと自己決定感の2つです。
内発的動機付けで働き、自己決定感を持って1つ1つの作業をしましょう。
やる気を下げる上司に負けない方法
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- 「怒られないように頑張る」も「ほめられたいから頑張る」も外発的動機付け
- 自分のために頑張ることが内発的動機付け
- 内発的動機付けで頑張るために自分の興味や関心について考える
- 上司の説教に一喜一憂しないために自己決定感を持つ
- 「自分のために努力する」と「自分のことしか考えない」は別物
- 「すべての情報にそもそも良いも悪いもない」という考えを持ち上司の発言をただの情報として受け取る
さて、最後にエクササイズとして考えてもらいたいことがあります。
面接で「あなたにとって働くとは何ですか?」という定番の質問がありますよね。
あなたは面接のときに面接に応じた答えを用意したはずです。
就職の面接で答えたような答えではなく、改めて「働くとは何か?」を本音で考えましょう。
その答えがあなたなりの内発的動機付けになります。
あなたにとって何が大事でしょうか?
- 給料?
- 休みの日数?
- 職場の人間関係?
このような外発的動機付けの要素を考えてもいいのですが、「面白い仕事とは何か?」や「どんなスキルを身に付けたいのか?」も考えましょう。
今のあなたなら就職活動していた頃とは別の視点があるはずです。
改めて何が大事かを考えることによって、学生時代にはなかった考えも持っていることに気づくのではないでしょうか。
【エクササイズ】
Qあなたにとって面白い仕事とは何ですか?これからどんなスキルを磨きたいですか?
内発的動機付けと自己決定感の2つがあれば、上司がやる気を下げるようなことを言っても受け流せるはずです。
でも、もっとスルースキルが上がれば今よりラクになると思いませんか?
「スルースキルを上げる方法!受け流すために必要な3つの要素とは?」という記事では受け流すために必要な要素を3つ解説しています。
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