【スルースキル習得の完全ガイド】受け流すために必要な3つの要素とは?

人間関係の悩みを解決する手段はいくつもあります。

状況、相手との関係性、自分の本音などによっても最適な方法は変わりますが、職場の人間関係に関してはスルースキルが一番オススメです。

 

あなたは「我慢して我慢して」をくり返して、我慢ができなくなった頃に言い返すというコミュニケーションのスタイルになっていないでしょうか?

僕はスルースキルを習得できてから言い返すか我慢するかの2択をやめられて、穏やかな気持ちで過ごせるようになりました。

この記事がオススメの人
  • 相手ばかりが言いたいことを言っていて、自分だけが我慢している気がする
  • 同じ職場にいる人だから付き合いをゼロにできないけど、今のところ仕事を変えるつもりはない
  • 上司に相談したけど「あの人はああいう人だから仕方ない」と言われて、何も変わらず今も悩んでいる

この記事はスルースキルを身に付けるための完全ガイドです。

「話を聞いているのか?」と言われずに、それでいて不愉快な気持ちにならない方法も解説します。

スルースキルの基本スタイルのようなものもあるのですが、実践するための基本の型も解説しています。

三神三神

ありったけスルースキルについて解説しているので、ちょっと文章は長めですが最後まで読んで実践してください!

実践することによって、言い返すことなく我慢することもなくなるはずです。

 

スルースキルが高い人はストレスをためやすい人と同じ環境にいても、我慢しているわけではなく我慢とは違う感覚があります。

これを読んでくれているあなたには、仕事を変えなくても我慢とは別の感覚が得られるようになってほしいと思います。

この記事の内容
  • 本当のスルースキルとは?
  • スルースキルに必要な3つの要素
  • スルースキルを職場で実践する方法

 

本当のスルースキルとは?

スルースキルとは受け流す能力や鈍感力といった定義があります。

人によって意見も分かれるのがスルースキルの定義ではないでしょうか。

三神三神

僕が定義するスルースキルとは、どうでもいいことに反応しない自己コントロール力です。

自己コントロール力は感情、思考、行動を望ましい状態にコントロールする力のことです。

 

自己コントロール力は心の筋肉の強さだと考えてください。

身体に筋肉があるのと同じように心にも筋肉があるという考え方があります。

スルースキルが高い人は我慢しているのではなく、自己コントロール力が高いのです。

心の筋肉は身体の筋肉のようにトレーニングできますし、心の筋肉を鍛えることによって傷つくことが激減します。

ここではスルースキルが必要な理由に加えてスルースキルに対する誤解も解説します。

ここで解説すること
  • 心の感度を下げずにスルーする
  • 自分にとって重要なことを判断する
  • スルースキルが一番オススメの理由とは?

 

心の感度を下げずにスルーする

スルースキルは鈍感力ではなく、感受性と情緒安定性を両立すること

スルースキルは鈍感力だと定義する人もいますよね。

スルースキルが高い人は鈍感だからストレスが少ないという意見も聞きます。

ですが、本当のスルースキルは鈍感になることではありません。

「スルースキル=鈍感力」という解釈はよくある誤解の1つです。

 

スルースキルを身に付けるには心の筋肉を鍛えることが必要だと考えてください。

「鈍感になる」という考え方ではなく、「心の筋肉をトレーニングする」という考え方を持ちましょう。

鈍感になった結果として、感受性まで鈍ったら意味がありません。

三神三神

感受性が鈍ると充実感や幸福感まで下がります。

とはいえ、感受性が強いだけだと傷つきやすくなりますよね。

ですから、本当のスルースキルは感受性と情緒安定性を両立させることです。

心の筋肉を鍛えると感動できる心を犠牲にすることなく、それでいてイライラもせず傷つきもしないことが可能になります。

 

鈍感になるというのは感覚が鈍くなることです。

「イライラもしなくなったし傷つくこともなくなったけど、なんか感動もなくなったし楽しいと感じることが減った」と思うようになったら意味がありません。

感受性と情緒安定性を両立するからこそ、幸福感を下げずにストレスを減らすことが可能になります。

「感動できる心を持つこと+心を整えて安定させること」と言ってもいいしょう。

三神三神

鈍感になることを含めてスルースキルに対する誤解は「スルースキルが高い人の特徴とは?6つの心の筋肉を鍛えるとストレスが減る!」という記事でも解説しています。

【参考記事】スルースキルが高い人の特徴とは?6つの心の筋肉を鍛えるとストレスが減る!

 

自分にとって重要なことを判断する

何が重要で何が重要ではないのかを判断することが本当のスルースキルです。

何でもスルーすることがスルースキルではありません。

どうでもいいことに反応しない自己コントロール力がスルースキルです。

 

スルーすると仕事に支障が出るものをスルーしてはいけないですよね。

「人の話を聞いているのか?」と言われるだけでなく、実際に問題も起きるわけですから。

それにすべてを受け流してしまったら、自分の成長も止まります。

 

ですから、何が重要で何が重要でないかを判断する必要があるわけです。

そのためには重要と重要ではないことの判断基準が必要になります。

重要性に加えてコントロールできないことにフォーカスしないことも必要です。

重要でコントロールできることにフォーカスしましょう。

コントロールが可能で重要なことにフォーカス

 では、重要なこととは何でしょうか?

判断基準は以下のようなことを参考にしてください。

重要か重要でないかの判断基準
  • それは自分の成長に関わることか?
  • それをスルーすることによって仕事に支障が出るか?
  • それは自分でコントロールできることか?
  • それは今やるべきことに関係するか?
  • 相手は意見として言っているのか?それとも悪意があって言っているのか?

判断の例)それは自分の成長に関わるか?→No→スルーする・それは今やることに関係するか?→No→スルーする

    上司がネチネチと文句を言ってきたという状況を想定して具体例を挙げたいと思います。

    職場の人間関係であれば特に大事なのは、

    • それをスルーすることによって仕事に支障が出るか?
    • それは今やるべきことに関係するか?

    この2つが特に重要な判断基準です。

    仕事に影響がないことや今に関係ないことは全部スルーしてOKです。

    判断基準の例

    例)上司にネチネチ言われたとき

    • 言い方はムカつくけどスルーしたら仕事に支障が出ることで、かつ上司が言っている内容は正しい→スルーしない
    • 「お前はこの間も・・・」と過去の話までネチネチ言ってきた→返答はするけど、まじめには聞かずにスルーする
    • 「お前みたいなだらしないヤツは部屋も散らかっているだろうし、お金に対してもルーズなんだよな」と上司が言ってきた→仕事ではなくプライベートのことなのでスルーする

     

    スルースキルが一番オススメの理由とは?

    スルースキルがストレスに有効な理由をお伝えしたいと思います。

    職場の人間関係の悩みであればスルースキルの他に

    • 相手にイヤだと伝える
    • 相談する
    • 転職する

    こういった手段が考えられますよね。

    いろんな解決方法がありますが、他のどんな方法よりもスルースキルが一番オススメです。

     

    ネチネチ言う人が明日から別人のように優しくなってくれることはないでしょう。

    誰かに相談する選択肢もあっていいですが、自分を守れるのは自分だけですよね。

    三神三神

    世界で一番の味方になってくれる人は、やはり自分自身です。

    人間関係が理由で仕事を変えることが悪いことではありません。

    しかしながら、どこに行っても自分と合わない人はある一定数います。

     

    スルースキルを身に付ける以外の選択肢がダメだと言いたいわけではありません。

    相手とのコミュニケーションの取り方や付き合い方を見直すのも必要なときもあるでしょう。

    誰かに相談するのもOKです。

    環境を変えることによって、これまでの人間関係をリセットできるメリットもありますよね。

    他の方法も試しながらスルースキルを高めるためにトレーニングすることをオススメします。

    ちなみに人間関係を理由に仕事を辞めるかの判断基準は

    • 悩みの対象が1人なのか?
    • 悩みの対象が複数あるいは全体なのか?

    この視点を持っておくといいでしょう。

    この判断基準が絶対ということではありませんが参考にしてください。

    仕事を変える判断基準
    • 同僚にマウントをとる人がいてムカつく→悩みの対象が1人なのでスルースキルで対応する
    • 性格の悪いお局3人組がいるから職場の居心地が悪い→悩みの対象が複数だが、まずはスルースキルで対応してダメなら転職や部署異動なども視野に入れる
    • 会社でかなりの地位である営業本部長がパワハラする→悩みの対象は個人ではあるが、相手が会社の中で影響力のある人であれば転職も視野に入れておく
    • 「この職場は普通ではない」と思えることが多々ある→悩みの対象が1人ではなく全体なので、できるだけ早く環境を変えたほうがいい

     

    スルースキルに必要な3つの要素

    スルースキルに必要な3つの要素

    ここではスルースキルを身に付けるために何が必要なのかを解説します。

    • 上手に受け流せるようになりたいけど、スルーする方法がわからない
    • スルーしているつもりだったけど、我慢しているだけでストレスがたまっていた

    こういった声をよく聞きます。

    スルースキルの断片的な情報はネットにたくさんあります。

    ですが、スルースキルは体系化されていませんし、必要な要素を提示している人も少ないです。

     

    スルースキルには

    • 心を整える
    • 自尊心を育てる
    • 境界線を引く

    この3つの要素が必要です。

    この3つはどんな要素で、なぜこの3つが必要なのかを解説します。

    スルースキルに必要な3つの要素
    1. 心を整える
    2. 自尊心を育てる
    3. 境界線を引く

       

      心を整える

      スルースキルに必要な1つ目の要素「心を整える」

      「やる気を下げることを言われて、そのままテンションが下がりっぱなしになった」ということを経験したことはありますか?

      言い返さないほうがいいと頭ではわかっているけど、我慢できなくなる瞬間もあるのではないでしょうか。

      三神三神

      落ち込むことやイライラなどを引きずってしまい気持ちの切り替えができないという悩みは心を整えることで解決します。

      心を整えることによって不快な感情に振り回されることがなくなるからです。

       

      マウントをとられても嫌味を言われても不快な気分になりますよね。

      不快な感情をすぐに解消するために心を整えることが必要です。

      不快な感情を整えることができれば、冷静さをキープすることができます。

      不快な感情を手放せなければ、受け流せているとは言えません。

       

      冷静さをキープするために心を整えるスキルが必要だと考えてください。

      冷静さをキープできれば、自分にとってどうでもいいことに反応しないことが可能になります。

      具体的には心を整えるうえで

      • 傷つくことを言われても回復する力
      • 怒りを感じても心を落ちつかせるスキル

      この2つが心を整えるために必要です。

      心を回復させるスキルのことをレジリエンスと呼び、怒りを落ちつかせるスキルのことをアンガーマネジメントと呼びます。

       

      ネガティブな出来事が起きてから心が回復するまでには4つの段階があります。

      たとえば、傷つくことを言われて心が折れたとしましょう。

      心が落ち込んでいる状態を底打ちと呼びます。

      ②の「底打ち」から④の状態に回復させる力がレジリエンスです。

      ネガティブな出来事が起きて気分が落ち込んでから回復するまでの4つの段階

       アンガーマネジメントは

      • 怒りを感じたときにどう対処したらいいか?
      • なぜ怒りを感じるのか?どうすればイライラしない考え方が持てるか?

      この2つの要素で成り立っています。

      レジリエンスとアンガーマネジメントを学んで実践すると、「過去の自分だったら傷つくかイライラしていたけど今の言葉は何とも思わない」という気持ちになることも可能です。

      レジリエンスは【豆腐メンタルを克服するための完全ガイド】心を強くするレジリエンスとは?という記事で解説しています。

      アンガーマネジメントは【ムカつく人にイライラしないスキル完全ガイド】怒りをクールダウンさせるアンガーマネジメントとは?という記事で解説しています。

      【参考記事】

       

      自尊心を育てる

      スルースキルに必要な2つ目の要素「自尊心」

      自尊心は自分の存在価値を信じる自信で、「自分には価値がある」と思える感覚です。

      ちなみに自尊心は英語で「self-esteem」で、自己肯定感は「self-esteem」と言います。

      自尊心も自己肯定感も英語だと同じ「self-esteem」という単語です。

       

      なぜ自尊心を育てる必要があるのかと言うと、自分は価値が低いと思っているとスルーできないからです。

      • マウントをとられてムカつく
      • 上司に怒られすぎて自信がなくなっている
      • 自分だけ他の人と扱いが違うので不愉快

      このような悩みがあるなら自尊心や自己肯定感が課題だと言えます。

       

      キツイ言い方をされたときに萎縮したり落ち込んだりするのは、自分に価値を感じていないからです。

      「あなたの言うように自分は価値が低い」と思っているから落ち込むのです。

      三神三神

      心の底から「自分には価値がある」と思えるようになると、かなりスルースキルが高くなります。

      では、落ち込むことや萎縮してしまうことではなく、「ムカつく」と感じる場合はどうでしょうか?

      相手の言動をスルーできない人も課題は自尊心だと言えます。

      ムカつくのは「あなたは私を低く評価すべきではない」と考えているからです。

      下に見られていることや低く評価されることに対して怒りを感じるのであれば、自分の存在に価値を感じる感覚が不足しています。

       

      心の底から自分に価値を感じているなら、不愉快な内容の言葉を聞いても穏やかな気持ちでいられるのです。

      ですから、見下す言葉やマウンティングに怒りを感じるなら、もう1段階か2段階上の自尊心があると考えましょう。

      本当の意味で自分に自信が持てたら、今よりもっと心に余裕ができます。

      自己肯定感を高めることによって、不愉快な言動を受け流せるどころか「ある意味でこの人は愉快だな」と思うことも可能です。

      不愉快なことを言われたときに自己肯定感が高いか低いかによって感じ方が変わります

       スルースキルと同じく、自尊心や自己肯定感という言葉も誤解されやすいです。

      自尊心や自己肯定感に関して、マイナスなイメージを持つ人も一定数います。

      自尊心を傷つけないためには、自尊心に対して正しく解釈することが必要です。

      【参考記事】自己肯定感は低くても大丈夫?自己肯定感に対する8つの誤解

       

      境界線を引く

      スルースキルに必要な3つ目の要素「境界線を引く」

      嫌いな人と距離を置くことが一番ストレスの少ないことだと誰もがわかっていることです。

      でも、それができないからストレスになるわけですよね。

      職場の嫌いな人と距離を置けるのであれば、とっくにやっているはずです。

      付き合いをゼロにできないのが職場の人間関係です。

      実際は会いたくない人に会わなければいけませんし、聞きたくない言葉を聞いてしまうこともありますよね。

       

      三神三神

      離れたくても距離が置けない相手がいるのなら、「境界線を引く」という考え方を覚えてほしいと思います。

      人間関係には自分と相手を分ける境界線があると言われていて、その境界線のことをバウンダリーと呼びます。

      バウンダリーとは「私の課題はこれ」「相手の課題はこれ」と分けて考える意識です。

       

      課題という言葉の意味ですが、

      • 意見や価値観などの考え方
      • 感じる感情
      • 所有物
      • 責任の範囲

      こういったことを課題という言葉に置き換えて考えます。

      目に見える所有物も目に見えない思考や感情も分けるという考え方を持ってください。

      それらが「課題」という言葉にまとまります。

      自分と相手の課題を分ける境界線

       境界線の意識を持つことができれば、自分の課題と相手の課題を分けることができます。

      たとえば自分に甘く他人に厳しい人からドヤ顔でミスを指摘されて、「お前って使えないな」と言われたとしましょう。

      相手の言葉を真に受けると「なんてこと言うの?自分だってミスするくせに!ムカつく!」と考えてしまうのではないでしょうか。

      相手との間に境界線が引けないと、不快な気持ちになってしまうのです。

      「不快な感情にさせられる」と言ったほうが正しいかもしれませんね。

      境界線が引けると「あなたは私を使えないヤツだという意見を持っているのですね」と考えられます。

      相手から一歩引いた考え方が持てるということです。

      自分の考えと相手の考えの違い

      この意識を持つことによって、心の距離感がつくられます。

      境界線の意識を持つと物理的に距離を置けない相手でも、心理的な距離感をつくることができるのでストレスが減ります。

      スルースキルが高い人はただ我慢しているのではなく、心理的な距離を感じているので不快な感情になりにくいのです。

       

      スルースキルを職場で実践する方法

      これまで解説したことは

      • 本当のスルースキルとは何か?
      • なぜ人間関係の悩みにスルースキルが一番オススメなのか?
      • スルースキルに必要な3つの要素
      • なぜ3つの要素が必要なのか?

      こういったことでした。

       

      ここからは職場でスルースキルをどのように実践するか解説します。

      「スルースキルを身に付けたいけれど方法がわからない」という声をよく聞きます。

      ここで解説していることをぜひ実践してください。

       

      スルースキルには基本的なスタイルがあります。

      スルースキルの型のようなものだと考えてください。

      スルースキルの基本の型には、

      • 心を整える
      • 自尊心を育てる
      • 境界線を引く

      この3つの要素が含まれています。

       

      スルースキル基本の型がどんなものなのかは、あとで詳しく解説します。

      まずは基本の型の項目を確認してください。

      スルースキル基本の型
      • 頭の中で好きな音楽を再生して常に心を整える
      • 不愉快なことを言われたら癒しを感じるものをイメージして心を整える
      • 第三者のように聞いて当事者として行動する
      • 常に内省モードで働いて、リアクションするときも内省モードをキープする
      • 相手の機嫌の悪さは相手の課題だと考える

         この記事の中で自己コントロール力は心の筋肉の強さだとお伝えしました。

        心を整えることと自尊心を育てることが心の筋肉をトレーニングすることだと考えてください。

        境界線の意識は自尊心が傷つかないようにするためのバリアのようなイメージを持ってください。

        バリアは自分を守ってくれる盾のようなものです。

        その盾は強くて頑丈だけど重たいものだったら、上手に扱うためには盾を支える筋肉が必要ですよね。

        だからこそ、ダメージ受け流すために心の筋肉が必要です。

        筋肉がムキムキな強い戦士が頑丈な盾を持っていたら、どんな攻撃を受けてもダメージを受けなさそうですよね。

        スルースキルもそういうイメージです。

        では、スルースキルの具体的な実践方法を見ていきましょう。

         

        心の整える方法

        心を整えるスキルとして僕はレジリエンスとアンガーマネジメントをオススメしています。

        本来レジリエンスやアンガーマネジメントは長期的にトレーニングする必要がありますが、ここではすぐに実行できる方法をシェアしますね。

         

        「上司からヒドイことを言われて傷ついた」とか「お局さんから余計なひとことを言われてムカついた」と悩んでいる人がスルースキルを身に付けたいと思っています。

        1つ注意点ですが、不愉快にさせられてから対処を考えるのは遅いです。

        実際に不快な感情になってから「どうするか?」を考えると、心のダメージが大きいからです。

        三神三神

        ですから、ネガティブな出来事が起きても怒らなくても、常に心を整えておく必要があります。

        では、具体的にどうやって心を整えればいいでしょうか?

        ここでは思考で感情を整えるという方法を解説します。

        思考で感情を整えるのがスルースキルの基本的なスタイルです。

        • 頭の中で好きな音楽を再生する
        • 気分がよくなるものをイメージする

        この2つが心を整えるうえでオススメです。

        感情は他人の言動などの外的要素と自分の思考や行動である内的要素の2つから影響を受けます。

        外的要素からの影響は大きいですが、自分の思考でも感情に影響を与えることができます。

        感情が影響を受ける2つの要素

        頭の中で好きな音楽を再生することは、不快なことを言われる前からあらかじめ心を整えることにつながります。

        実際に不愉快なことを言われたら、気分がよくなる何かを思い浮かべてみましょう。

         

        具体例を挙げたいと思います。

        5秒間ネコをイメージしてください。

        犬が好きなら犬でもいいですし、子供が好きなら子供でもOKです。

        イメージしてくださいね。

        イメージできましたか?「カワイイな」と感じたのではないでしょうか。

        今あなたは癒しの感情を思考で生み出したことになります。

        イメージするネタのバリエーションが増えることによって、心を整えるための引き出しが多くなります。

        犬、ネコ、子供も癒しを感じると思いますが、癒しを感じるイメージとして緑に囲まれた空間を思い浮かべるのもオススメです。

        出来事や人間関係などの外的要素ではなく、自分の脳でポジティブ感情をつくるスキルが上がると他人からの悪影響が少なくなります。

        三神三神

        たとえ良い出来事が起きなくても、思考で気分の良さを感じることができるということを覚えておいてください。

        ポジティブ感情を脳でつくるという方法は、落ち込んだ気持ちを回復させるのにも怒りをクールダウンさせるのにも有効です。

        職場で働いているときは好きな音楽を頭の中で再生して、不愉快なことを言われたら癒しを感じるものをイメージしてみましょう。

        作業中に癒しを感じるものを思い浮かべて、上司に怒られたら励ましてくれる音楽を頭の中で音楽を再生するのもいいかもしれませんね。

        頭の中で音楽を再生すると心のダメージを減らすことができる

         

        自尊心を育てる方法

        自尊心に関しては

        • 自尊心を傷つけない考え方
        • 自尊心を育てる考え方

        この2つが必要です。

         

        上司から小言を言われたときに心が折れてしまう部下もいると思いますが、怒られると落ち込むのはなぜだと思いますか?

        それは自尊心が傷ついたからです。

        理不尽なことを言われてイライラするのも自尊心が傷つくことが原因です。

         

        自尊心を傷つけないために情報を第三者として受け取るイメージを持ってください。

        第三者として聞くというのは、その情報をまるで自分のことではないかのように聞くことです。

        三神三神

        内容に正当性がない場合は特に自分ではない誰かの話を聞くつもりで話を聞きましょう。

        自分に対する文句や人格への攻撃だと解釈すると自尊心が傷つきます。

        どこかの誰かの話として聞けば自尊心は傷つきません。

        「そういう人がいるんですね」という気持ちで聞くと、どうでもいい批判を受け流すことができます。

        話の内容に正当性が含まれていても第三者のように聞くようにしてください。

        仕事でミスをしてしまったとしたら、大事なのは改善することです。

        罪悪感を抱えることが目的ではありません。

        とはいえ、ミスをしてしまったらそのミスは自分の失敗であることは事実ですよね。

        三神三神

        正当性がある批判に関しては「第三者のように聞いて当事者として行動する」と考えてください。

        「第三者のように聞いて当事者として行動する」という考え方がスルースキルの基本スタイルです。

         

        続いて自尊心を育てる方法を解説したいと思います。

        自尊心を育てるというのは簡単に言うと、自分に自信を持つことだと考えて大丈夫です。

         自分に自信を持つことの定番はやはり長所や強みを見つけることですよね。

         

        もしかしたら「長所や強みはスルースキルと関係あるの?」という疑問を持つかもしれません。

        長所や強みを自分で評価できることによって「自分には価値がある」と思えます。

        マウントをとられたらムカついてしまう理由は、自分の価値が下がったと感じるからです。

        三神三神

        心の底から「自分には価値がある」と思えれば、マウントをとられても受け流せるようになります。

        だからこそ、これを読んでくれているあなたには自分と向き合い長所や強みを見つけてほしいと思っています。

         

        長所を見つける方法の1つとしてリフレーミングが紹介されることが多いです。

        リフレーミングとは枠組みという意味のフレームに「re」が付いている言葉で、枠を外して別の枠を付けるという意味です

        別の視点を持つことがリフレーミングだと考えてください。

        たとえば次のようなものがリフレーミングの例です。

        性格のリフレーミング
        • 口下手:言葉を慎重に選ぶ
        • 優柔不断:じっくり考える
        • 目立たない:他人を尊重できる
        • 浮き沈みが激しい:感情豊かな

           次に強みについてですが、強みを見つけるにはウェブのテストを受けるのが1つの方法です。

          エニアグラムでもウェルスダイナミクスでも何でもいいですが、ストレングス・ファインダーがオススメです。

          ストレングス・ファインダーは有料ですが、受けたことがないなら受けてみてください。

          ※「ストレングス・ファインダー」と検索してみてください。

           

          ストレングス・ファインダー「さあ才能に目覚めよう」という書籍を購入してウェブでテストを受けます。

          テストを受けると34の資質のうち「あなたの強みはこの5つですよ」という結果がわかるものです。

          もちろん自分の強みや資質を知るのに別のものでもOKです。

          自分の強みを知ったら「それをどう活用するか?」や「自分の価値とは何か?」を考えましょう。

           

          リフレーミングにしてもストレングス・ファインダーのようなツールを活用するにしても自分と向き合うことが必要です。

          自尊心を育てるためにベクトルを内側に向けてください。

          自分の内側に関心を持って深く考えることが重要です。

           

          リフレーミングという考え方やストレングス・ファインダーなどツールはきっかけです。

          じっくり内省することによって、自分の中に眠っている価値に気づくことができます。

          その結果として心の底から「自分には価値がある」と思えるようになります。

          三神三神

          自分に価値を感じるからこそ、自分のことを低く評価する人がいてもスルーできるようになるわけです。

          ちなみに僕はストレングス・ファインダーを受けて、最上志向、学習欲、未来志向、着想、内省の5つが強みだということがわかりました。

          そして、この5つの中で僕は次の3つについて考えてみました。

          当ブログ運営者の三神のストレングス・ファインダーの結果
          • 学習欲:学習する意欲のこと
          • 内省:自分の内側に意識を向けて自分と向き合うこと
          • 着想:アイデアをひらめく資質

            この3つの活かし方として、

            • 学習欲を活かしていろんなことを学ぶ
            • 着想を活かして学んだ知識を組み合わせて新しいアイデアとしてアウトプットする
            • 内省を活かして学んでことに自分の経験をプラスアルファとして加える

            このように考えました。

             

            自分と向き合った結果として、「学習したことと内省したことを組み合わせてアイデアを出す」というのが自分の価値だと考えています。

            僕はレジリエンス、アンガーマネジメント、自己肯定感、バウンダリーなどを学びました。

            これらを学んでスルースキルとして応用するアイデアが浮かんだのです。

            スルースキルも含めてですが、僕は自分の価値を考えることだと思っています。

             

            僕の例を参考にあなたも自分の価値とは何かを考えてみてくださいね。

            自分の価値を知ることによって、マウントとる人に見下されても何とも思わなくなります。

            自分の価値に気づくことができれば、人間関係に勝ち負けはないと思えるようになります。

            もちろん不愉快な発言に対してポジティブな感情は持てませんが、少なくても心が揺さぶられることが激減するはずです。

            【参考記事】 【自己肯定感を高める7つの方法】自分に自信を持つための完全ガイド

             

            境界線を引く方法

            相手のことが嫌いでも無視するわけにはいきません。

            「話を聞いているのか?」と言われたら困るはずです。

            でも、相手が不愉快なことを言ってきて心にダメージを受けるのも困りますよね。

            無視せずに心のダメージを最小限にするためには、心の距離を感じながら境界線を引くことが必要です。

            心の距離をつくり境界線を引く考え方として

            • 常に内省モードで働く
            • 相手の怒りを自分の責任としない

            この2つを解説します。

             

            1つ目は内省モードで働くことです。

            三神三神

            内省モードとは常に考え事をしながら過ごすモードで、自分の世界に入り込むイメージを持ってください。

            常に考え事をしながらリアクションが必要なときだけ返答することでストレスが減ります。

            考え事をすることは自分の内側に意識を向けることです。

            この記事の心を整える方法の中で頭の中で音楽を再生する方法を解説しました。

            どんな考え事でもOKですが、頭の中で音楽を再生するのがオススメです。

            好きな音楽を頭の中で再生することは心を整える効果だけでなく、嫌いな人と心の距離を感じることにも有効です。

             

            とはいえ、職場の人とコミュニケーションをとるうえで、内側にのみ意識を向けるわけにはいきませんよね。

            他人に対してリアクションをすることは、外側に意識を向けることです。

            どうでもいいことに反応しない自己コントロール力がスルースキルだとお伝えしました。

            働いていれば必要なリアクションもあります。

             

            ですから、職場にいるときは内側と外側の意識のバランスを考えて過ごすようにしてください。

            リアクションの必要がないときは内側の意識が80%、外側への意識が20%というイメージです。

            リアクションの必要があるときは内側への意識と外側への意識がそれぞれ50%というイメージです。

            相手の話が重要なことであれば、外側の意識を強くして調整しましょう。

            リアクションが必要な状況でも自分の思考をゼロにしないことで、不快な気分にさせられる言葉に対するダメージをより小さくできます。

            頭の中で音楽を再生すると心のダメージを減らすことができる

             2つ目の相手の怒りを自分の責任としないことについて解説したいと思います。

            「私は私」「相手は相手」と分けて考えるのがバウンダリーです。

            「私は私」「相手は相手」と分けて考える必要があることの1つに感情があります。

            これは「相手が怒るのは自分の課題ではなく相手の課題だ」と考えることです。

             

            開き直るのではなく、「その怒りの感情は本人がつくった」という考え方です。

            「すべての感情の責任は本人にある」という考え方を持ってください。

            たとえ相手がどんなに怒っていても、その怒りはあなたの感情ではないことを忘れないでくださいね。

            同じ出来事を経験しても怒る人もいれば怒らない人もいます。

            出来事そのものに良いか悪いかがあるわけではなく、その人が悪いと判断しているのです。

             

            もちろん自分に非があるときは謝りましょう。

            でも、相手の怒りはあなたの行動が原因ではなく、相手の解釈や価値観が怒りをつくっているのです。

            境界線を引く考え方では有形のものだけでなく、感情や解釈などの無形のものも「課題」という言葉に置き換えます。

            課題の中には解釈も感情も含まれますから、相手の怒りは自分の責任としなくていいのです。

             

            上司の機嫌の悪さを自分の責任だと考えると萎縮してしまいます。

            上司の機嫌の悪さはあなたの責任ではなく、上司が自分で責任を持つべきことです。

            なぜなら上司の感情はあなたのものではなく上司のものだからです。

            自分の責任の範囲内である仕事のタスクと他人の怒りとの間に境界線を引く これが「私は私」「相手は相手」と分けることですが、イメージできましたか?

            でも、「相手の機嫌の悪さは自分の責任ではない」と聞くと、人間関係をドライに考えると感じてしまいますよね。

             

            バウンダリーは固定させるものではなく、柔軟性があっていいものです。

            その人の気持ちにどこまで共感を示すかは自分で決めましょう。

            「その人の気持ちにどこまで共感を示すか?」が心理的な距離感です。

             

            大切な人に対して強固な境界線を引いていたら寂しいですよね。

            でも、職場の気が合わない人なら仕方ないです。

            心は敷地のようなものだと考えてほしいのですが、その敷地に誰をどこまで入れるのかはあなたが自分で決めましょう。

            Aさんの気持ちはできるだけ共感を示したい」とか「でもBさんにはそこまで共感を示さなくてもいいかな」という考えがあってOKなのです。

             

            苦手な人や嫌いな人に対しては

            • 「あなたが怒っている理由は理解しました」
            • 「でも、あなたの怒りの感情は私の責任ではありません」
            • 「申し訳ありませんが、あなたの怒りに共感はできないです」

            こういうスタンスでOKです。

            でも、これだけだと自己中心的に思えるかもしれません。

            三神三神

            ですから「自分はどんな貢献ができるだろうか?」とか「何をしてあげると相手は助かるのか?」といったことも考えるようにしましょう。

            そのうえで「すべての感情の責任は本人にある」と考えてみてください。

             相手の機嫌が悪いかどうかは相手の課題であり、ましてや自分でコントロールもできません。

             

            もちろん、相手の嫌がることをわざとやるのはダメですよ。

            相手をわざと怒らせるようなことをしたら、仕事に支障が出る可能性もありますからね。

            だから相手のことがどんなに嫌いでも最低限の配慮は必要です。

            ですが、相手の機嫌の悪さを自分の責任としなくて大丈夫です。

             

            この記事の中で心を整えることと自尊心を育てることは心の筋トレで、境界線を引くことは自分を守る盾のようなイメージだとお伝えしましたね。

            そして、その盾が頑丈になればなるほど、重たくなるのでより強い筋肉が必要になります。

            三神三神

            「たとえ相手がどんなに怒っていても、すべての感情は相手の課題であり自分でコントロールできない」という考え方をあなたは維持する自信がありますか?

            自分にも非があり相手が大激怒の状態なら、「相手の怒りは相手の課題」という考え方が揺らぎそうになることもあるでしょう。

            だからこそ、境界線を引くためには心の筋肉が必要なのです。

            職場の人間関係の場合は仕事でミスをして上司に怒られたときに「相手の怒りは相手の課題」という考え方が揺らぐはずです。

            相手が怒っていることに罪悪感を持たなくても仕事に支障が出ません。

            むしろ罪悪感を抱えながら仕事をすれば、あなたの仕事のパフォーマンスが下がります。

             

            相手の愚痴や文句をスルーすることではなく、あなたが罪悪感を抱えることのほうが仕事に支障が出るはずです。

            仕事の責任と上司の怒りは切り離して考えましょう。

            くり返しになりますが、このイメージは重要なので常に意識してください。

            自分の責任の範囲内である仕事のタスクと他人の怒りとの間に境界線を引く

            相手の怒りを自分の課題だと考えなければ、付き合いをゼロにできなくても心の距離を感じられます。 

            嫌いな人との心の距離はスルースキルにおいて重要です。

            三神三神

            職場の人にどうやって境界線を引くかを「職場の合わない人には境界線を引く!ストレスを減らすためのバウンダリーとは?」という記事をさらに詳しく解説しています。

            【参考記事】職場の合わない人には境界線を引く!ストレスを減らすためのバウンダリーとは?

             

            スルースキルを身に付ける方法まとめ

            スルースキルを身に付けると、言い返さず我慢もせず穏やかな気持ちで過ごすことが可能になります。

            読んで終わりにせず実践しましょう。

            必要ならば復習のために定期的にこの記事を復習してください。

            長い文章なので復習が大変だと思いますが、まずはスルースキル基本の型を実践しましょう。

            スルースキル基本の型
            • 頭の中で好きな音楽を再生して常に心を整える
            • 不愉快なことを言われたら癒しを感じるものをイメージして心を整える
            • 第三者のように聞いて当事者として行動する
            • 常に内省モードで働いて、リアクションするときも内省モードをキープする
            • 相手の機嫌の悪さは相手の課題だと考える

               スルースキルの基本の型に加えて心の筋肉も大事だとお伝えしましたが、その中でも特に大事なのが自尊心です。

              自尊心を満たす方法の1つが自分の持っている資質を知り、その資質でどんな価値を生み出せるかを考えることです。

              どんなものでもいいので自分の資質を知るテストを受けてみてください。

              そして、どことん自分と向き合いあなたの中に眠っている価値を見つけましょう。

              以下のテストの中から興味のある診断を1つ選んで受けてみましょう。

              性格や性質を診断するテスト

              自分の資質を知って終わりではなく、そこからがスタートです。

              「この資質があるからこその自分の価値は何か?」を考えてみてください。

              自分の強みや価値を認識できると、マウンティング発言に対して不必要に反応しなくなります。

               

              長い文章でしたが、ここまで読んで頂き本当にありがとうございました!

              そして、お疲れ様です。

               さて、スルースキルに必要な要素は

              • 心を整える
              • 自尊心を育てる
              • 境界線を引く

              この3つだとお伝えしました。

              まずはスルースキルの基本の型を実践してほしいのですが、心の筋肉を鍛えてスルースキルの精度を高めていってほしいと思います。

              この記事の中でお伝えしたレジリエンス、アンガーマネジメント、自己肯定感、バウンダリーに関しての理解も深めていきましょう。