「職場の人間関係がストレスだからスルースキルを身に付けたい」
こう考える人が増えたように感じています。
上司が怒鳴るとかお局さんの性格が悪いといったことがあれば、受け流せるようになりたいと考えるのも納得できます。
見下す言い方をする人がいてムカついてしまうという人もいるでしょう。
でも、その一方でこんな悩みや疑問を持つ人も少なくありません。
- 受け流したいけど方法がわからない
- 「真に受けない」とか「相手にしない」と言われてもピンとこない
- ストレスをためないでスルーできる人は落ち込みやすい人と何が違うの?
スルースキルに関してこういった疑問があるはずです。
ここではスルースキルに何が必要なのかを6つ紹介しますので、方法がわからないという悩みは解決されます。
「でも、スルースキルって本当に必要なの?」と思う人もある一定数いますよね。
スルースキルに関して
- スルースキルは単にあきらめることなのか?
- 人の話を聞けなくなるのではないか?
- ポジティブなこともスルーして感動しなくなるのではないか?
- スルースキルって人間関係に恵まれていたら役に立たないのでは?
このような疑問を持つ人がスルースキル不要だと考えています。
ですが、これらは誤解です。
スルースキルについて誤解していると、本当はどうでもいいことなのに「ちゃんと人の話を聞かなきゃ」と考えて心が削られます。
ここではよくある誤解と本当のスルースキルとは何かについてもお伝えします。
この記事を最後まで読んで頂けたら、スルースキルに必要な6つの要素に加えて
- そもそもスルースキルって本当に必要なの?
- 成長しなくなるのでは?
こういった誤解もスッキリ解消できます。
スルースキルに必要な要素はたとえ人間関係に恵まれていたとしても必要はものです。
その必要な要素は何だと思いますか?
結論を言うと、スルースキルが高い人は心の筋肉が強いです。
「身体に筋肉があるのと同じように心にも筋肉がある」という考え方があります。
心の筋肉のことを「メンタル・マッスル」や「レジリエンス・マッスル」と呼ぶことがあります。
スルースキルが高い人はイヤなことがあっても我慢しているわけではありません。
そういう人は心の筋肉が強いからです。
では、スルースキルに必要な6つの心の筋肉を見ていきましょう。
※この記事はスルースキルが高い人に備わっている心の筋肉について解説しています。
具体的なスルースキル習得の方法は別の記事で解説しているので、身に付ける方法に関してはそちらの記事をチェックしてください。
【参考記事】【スルースキル習得の完全ガイド】受け流すために必要な3つの要素とは?
スルースキルが高い人が持っている6つの心の筋肉
そもそもスルースキルとは何でしょうか?
スルースキルとは何かという定義は人によって違いますが、僕は次のように定義しています。
スルースキルとはどうでもいいことに反応しない自己コントロール力です。
自己コントロール力とは自分の感情、思考、行動を望ましい状態にすることです。
その自己コントロール力は心の筋肉によって高めることができます。
身体の筋肉にはそれぞれ名前がありますよね。
上腕二頭筋、三角筋、ハムストリングスなどの名前が身体の筋肉です。
これと同じように心の筋肉にもそうした要素がありますが、「◯◯性」「◯◯力」「◯◯感」などの言葉が心の筋肉です。
スルースキルに必要な心の筋肉はこの6つです。
- ポジティブ感情
- 楽観性
- 柔軟性
- 自尊心
- 自己効力感
- 心の支えとなる人間関係
では、この6つの心の筋肉について解説したいと思います。
①ポジティブ感情
ポジティブ感情とは快の感情で、気分の良さや機嫌の良さと言えばわかりやすいでしょうか。
たとえば職場にマウントをとる人がいたとしましょう。
マウントをとられたら単純に不愉快な気持ちになりますよね。
その不愉快な気持ちをすぐに手放すためにポジティブ感情が必要です。
ポジティブ感情は不快な感情を打ち消す働きがあります。
心がポジティブ感情で満たされている人は不愉快な発言をスルーできます。
マウントをとる典型的な例として、男性から好かれやすい女性はそうでない女性からジェラシーの目で見られることが1つ挙げられますよね。
「私は女として価値が低い」と思っている女性は、仕事の能力など異性からモテる以外のことで若い女性に対してマウントをとる可能性があります。
マウントをとられる人としては不愉快ですよね。
イラっとくる発言もされるでしょう。
イラっときたときは心を落ちつかせることが必要です。
つまり、そういうときこそポジティブ感情で不快さを打ち消すことが必要なのです。
「自分がモテないからって私のことをやつあたりのターゲットにしないでよ!」
そう考えるとイライラが解消されません。
イラっときたときは自分の心が癒されることを思い浮かべることがオススメです。
子供、犬などを思い浮かべてもいいですし、可能ならYouTubeでネコの動画を観るのもいいかもしれません。
②楽観性
楽観性は物事をポジティブに考えられる性質で、楽観性が高い人はプラスの側面を見つけることができます。
やらない理由ではなく、可能性にフォーカスすることもできます。
では、スルースキルになぜ楽観性が必要なのでしょうか?
楽観性は不安をあおるような発言をされたときに必要な心の筋肉です。
「お前はもうゲームオーバーだ」というメッセージを発信して安心したい人を見たことがありますか?
不安をあおる発言をする人は「自分が安心したい」とか「優越感がほしい」と思っています。
相手の不安をあおることで「自分はコイツよりマシなんだ」と考えられますよね。
楽観性があると、そういう人に何を言われても何を言われてもスルーできます。
周りの就活生がみんな内定を取っていて、自分だけまだ内定が1つもないという状況をイメージしてみてください。
そんなときに「お前この時期に内定がないのはヤバイよ」と言われたら不安になりますよね。
「お前はもう就職できないんじゃないの?」と言われたら、かなり傷つくと思います。
でも、楽観的に物事を考えられる人は可能性にフォーカスできます。
楽観性という心の筋肉が強い人は不安をあおる言葉をスルーできるのです。
③柔軟性
柔軟性は1つの考え方に執着しないという性質です。
「その場に応じた適切な判断ができること」という意味もあります。
「AでもOK、BでもOK」と考えられることが柔軟性です。
「絶対にAでなければいけない」と考えるとBという選択肢に対してイライラしますよね。
「AでもOK、BでもOK」と考えられると、どちらの選択肢でも落ち込まずイライラもしません。
自分のやり方や考え方を押し付けてくるタイプの人が職場にいるなら柔軟性は重要です。
自分はAが正解だと考えているけど、相手はBが正解だと考えているという状況ってありますよね。
このような状況で相手のやり方や考え方を強要されたときに、柔軟性がないと否定されたと感じてしまいます。
柔軟性があれば不快な気持ちになりません。
柔軟性に関して「それってただ妥協するだけなのでは?」という疑問を持ってしまうかもしれませんね。
もちろん自分のやり方を採用することがあっていいです。
自分のやり方を採用するときでも柔軟性は必要です。
「自分はAが正解だと思うけどBも理解できる」
こう考えられると「なんでこの人はわからないんだ?」と怒りを感じることもなくなります。
意見や価値観の違いも柔軟性で解決します。
自分はAが正しいと思っているけどBが正しいと思っている人に「それは間違っているよ」と言われたらイヤな気持ちになりますよね。
でも柔軟性があると、間違っていると言われたときに傷つきません。
「そういう意見もあるよね」と考えられるからです。
④自尊心
自尊心とは、ありのままの自分に価値を感じられる感覚という意味があります。
自分に価値を感じる感覚だと考えてください。
自尊心は心の筋肉の中でも特に重要な要素です。
スルースキルを身に付けたいと考える人の多くは、攻撃的な人のことで悩んでいるはずです。
攻撃的な人は相手の自尊心を傷つけたいという意図があります。
自尊心を傷つけたいという意図は、怒鳴る、無視する、長時間の説教、見下す言い方、嫌味な言い方などに現れますが、あなたは経験していますよね?
では、なぜあなたも僕も攻撃的な人に対して不快な気持ちになるのでしょうか?
それは「お前の価値はオレよりも下だ」というメッセージを非言語で受け取っているからです。
「自分の価値が下がった」と感じるから怒りや悲しみといった感情を抱えることになります。
不愉快な気持ちや悲しい気持ちは自尊心が傷つく感覚です。
自尊心が満たされている人は攻撃されたときにどう感じると思いますか?
「別に」とか「あっそう」と思うだけです。
心の底から「自分には価値がある」と思えれば、不愉快な発言をスルーすることができます。職場に上から目線の人がいたとしましょう。
その人は自分に甘く他人に厳しいタイプなら、自分のミスは笑ってごまかし他人のミスはドヤ顔で指摘することも多いはずです。
見下す言い方をされてムカついてしまうのは自尊心が傷つく感覚です。
自分のミスは笑ってごまかす人にドヤ顔で指摘されたら「あんたに言われたくないよ!」と思ってしまいますよね。
「なんでこんなヤツにバカにされるんだ?」と考えてしまうこともあるでしょう。
でも、心の底から「自分には価値がある」と思えていればスルーできます。
⑤自己効力感
自己効力感とは成果を出せることを信じる感覚です。
簡単に言うと「やればできる」と思える自信です。
自己効力感が必要な理由は楽観性と似ています。
「お前には無理だ」と言われたときに自己効力感が高い人は心が折れません。
自分の行動をストップさせる発言や成長を止める発言をスルーできるからです。
上司と部下の会話のあるあるに「ウチで頑張れなかったヤツが他に行ってもダメだよ」と上司が部下に言うのが1つ挙げられます。
「やればできる」と思える自己効力感が持てたら「この会社を辞めても自分は大丈夫」と思えますよね
僕は上司から「お前には何も期待してないから」と言われたことがあります。
その当時はすごくムカついて仕事のやる気がますます下がりました。
当時の自分に自己効力感があったら、そういう言葉もスルーして淡々と作業できたと今では思います。
たとえ「お前には無理だよ」とか「お前には何も期待していない」言われても「やればできる」と思えたら気になりません。
自己効力感が高い人はスルースキルも高く、成長を止める発言を気にしないのです。
⑥心の支えとなる人間関係
心の支えとなる人間関係とは
- 自分のことを大切にしてくれる人
- 「この人のためだったら頑張れる」と思える人
こういった相手のことだと考えてください。
「自分は好かれている」と思える感覚を自己好感と呼び、「自分は貢献できている」と思える感覚を自己有用感と呼びます。
心の支えとなる人間関係という要素は自己好感や自己有用感など人間関係で得られる喜びの感覚です。
これが心の筋肉をつくるうえで重要な要素の1つです。
あなたのことを攻撃する人や怒りっぽい人が職場にいたとしましょう。
仮にこの人をAさんと呼ぶことにして、Aさんのことばかり考えると心のダメージが大きいです。
その一方でいい人がいて、この人のことをBさんとしたいと思います。
Bさんがいい人ならBさんのことを考えるとAさんから言われた言葉をスルーできます。
「Aさんは自分の悪口を言うけれどBさんは自分を大切にしてくれる」
こう考えられると萎縮せず傷つきにくいです。
仕事でミスをしてしまったときに「何やってんだよテメー」と相手が怒鳴って言ってきたら萎縮していまいますよね。
「Aさんが自分のせいで怒っている」とか「自分は無能だ」と考えると落ち込んでしまうでしょう。「でも、Bさんは自分のことを大切にしてくれるし評価してくれる」と思えたら心強いですよね。
自分のことしか考えていない人に限って「自分のことばっかり考えないでちょっとは人のことも考えようよ」と言ったりします。
そういうことを言われると「あなたのために頑張ろうとすると仕事のモチベーションが下がる」というのが本音ではないでしょうか。
では、嫌いな人ではなく好きな人にフォーカスしたら、どんな気持ちの変化があるでしょうか?
「この人ためなら頑張れるし喜んでくれる」と思える人は職場にいますか?
もし、そういう存在がいるのなら、その人にフォーカスしてください。
職場にそういう人がいないなら、両親など職場ではない人でも大丈夫です。
「職場の人間関係は好きになれないけれど、仕事を頑張ることが親を安心させることにつながる」のような考え方もステキですよね。
「この人のために頑張ると自分の存在価値を感じることができる」と思えたら、かなり強い心の筋肉になります。
そして、この感覚が自己好感や自己有用感の感覚です。
その感覚は自分を傷つける人の発言をスルーすることにつながります。
本当のスルースキルとは?
前半の部分ではスルースキルに必要な6つの心の筋肉について解説しました。
後半の部分ではスルースキルについての誤解について解説します。
スルースキルは誤解される可能性のある言葉ですが、この3つはスルースキルについて多い誤解です。
- スルースキルを身に付けると人の話を聞けなくなる
- スルースキルが高い人は鈍感である
- 人間関係に恵まれていればスルースキルは不要
この3つを誤解を見ていきましょう。
スルースキルが高い人は自分と向き合える
まず「スルースキルを身に付けると人の話を聞けなくなる」という誤解について解説します。
スルースキルはあくまで無駄に反応しない自己コントロール力です。
自己コントロール力が高ければ、人の話を聞いたうえでどんなリアクションをするのかを自分で決めることができます。
人の話を何でもスルーするのではなく、どうでもいいことを聞き流すスキルです。
重要なことを聞き流すことがスルースキルではありません。
また、できないことを放置して「できないままでいい」と考えることでもないです。
不快な感情の代表的なものに劣等感があります。
劣等感のすべてがダメということはなく、健全なものと持たないほうがいいものがあります。
人と比べて勝ったとか負けたといったレベルの低い考え方はダメですが、健全な劣等感はむしろ必要です。
健全な劣等感は成長につながります。
健全な劣等感がある状態とはこれからの課題を知ることだからです。
健全な劣等感を感じると「できるようになりたい」と考えるようになりますよね。
「自分はこういうことが劣等感になっているんだな」と知っていたら、自尊心を満たすために何が必要かを考えることができますよね。
むしろ健全なものであれば劣等感は感じていい感情です。
劣等感という感覚を無視して鈍感になると、成長のチャンスを失いますよね。
ですから、どうでもいい批判と耳が痛いけれど成長のために必要なことを分けて考えることが必要です。
スルースキルの定義を思い出してください。
スルースキルとはどうでもいいことに反応しない自己コントロール力です。
自己コントロール力は自己成長することによって高められる力です。
また、どうでもいい批判に対しても自己成長で解決します。
たとえマウントをとる人がいてその人が見下す言い方をしたとしても、成長すると「昔の自分なら今の言葉を気にしていたかも」と思えます。
自分と向き合って課題を乗り越えることが本当のスルースキルだと考えましょう。
「あなたは私の自尊心を傷つけたくて言っているかもしれませんが、今の私はそんなことで傷つきませんよ」と思えることが理想の状態です。
たとえば、テストで点数が悪かった子供が点数をバカにされたとしましょう。
それに関して気にするのであれば、それはそれでOKなのです。
「これは自分にとって劣等感だな」と素直に認めたほうが努力できますよね。
成長すれば勉強に関してバカにする人がいても気にならなくなりますし、その状態が本当の意味でのスルーすることだと考えてください。
この考え方は勉強に限らず仕事でもスポーツでも、あらゆることで同じです。
気にしないフリをするのではなく、むしろ劣等感と素直に向き合えたほうが長期的に見るとスルースキルが上がります。
スルースキルは鈍感になることではない
スルースキルは鈍感力だと言われることが多いですが、むしろ鈍感になるのはストレスのリスクが高くなります。
鈍感になることには3つのデメリットがあります。
1つ目のデメリットは危険を察知できなくなることです。
ネガティブな感情は危険を察知するサインです。
「危ない」とか「怖い」と感じるから、危険なことに対してブレーキがかかりますよね。
もし「危ない」とか「怖い」と感じる感覚がなかったら事故やケガが増えます。
たくさんの車が往来する国道で赤信号で渡ることに対して、恐怖を感じなかったら絶対に事故が起きるはずです。
電車のホームの外側を歩くことに恐怖心がなかったら事故が起きますよね。
むしろ恐怖心を感じることが自分の身を守りますし、人として正常な感覚だと言えます。
人間関係であれば「この人ヤバそう」と感じるから、付き合ううえでの距離感を考えるようになりますよね。
鈍感になると「この人は普通ではない」という感覚が鈍くなります。
そうなると「もしかしたら自分って都合よく使われているのかな?」と気づかなくなります。
2つ目のデメリットは心のダメージに気づかなくなることです。
その場ではストレスを受け流したように見えても心にダメージを受けている可能性があります。
心のダメージを受けているのにそれに対して鈍感になるのは危険ですよね。
その場限りの気にしないフリはむしろリスクが高いと言えます。
鈍感になって気にしないフリは、いずれ限界がきてしまいます。
限界とは「受け流していたつもりだったけど実はストレスになっていた」という悲惨な結果です。
鈍感になろうとするのではなく、むしろ心のダメージに気づけたほうがいいです。
心にどれぐらいダメージがあるかを把握していれば、「もっと頑張れるのか?」とか「それとも今は休むべきか?」という判断ができますよね。
鈍感になると頑張るべきか休むべきかの判断ができなくなります。
3つ目の理由は人間らしさを失うことです。
鈍感になろうとしすぎると、ロボットのようになってしまいますよね。
仮に鈍感になったり、何も感じなくなったりしたらどうなるでしょうか?
極論ではありますが、大切な人が亡くなっても可愛がっていたペットが死んでしまっても、
悲しくならないことが鈍感になることです。
大事な何かを失ったときに悲しくならなかったら、それって寂しいことじゃないですか。
悲しむべきときには悲しんでいいですし、場合によっては涙を流すことも必要ですよね。
「イヤなことを受け流せるようになったけど感動もなくなった」
こうなってしまったら本末転倒です。
幸福感や充実感を下げてしまったら意味がありません。
ですから、本当のスルースキルは心の安定と感受性を両立することだと考えてください。
でも、悲しくなることや不安になることはメンタル的にキツイですよね?
だからこそ心の筋肉が重要で、心の筋肉が鍛えられると元気を取り戻すのも早いです。
- 危険を察知できなくなり望ましくない行動に対するブレーキがかからない
- 心のダメージに気づけないと、頑張るべきか休むべきかの判断ができなくなる
- 心の感度が鈍くなるとロボットのようになり人間らしさを失う
本当のスルースキルは心の安定と感受性を両立させること
今ストレスがなくてもスルースキルを学ぶ価値がある
「人間関係に恵まれている人はスルースキルは不要なのでは?」と考える人もいるでしょう。
結論を言いますと、たとえ人間関係に恵まれていても役に立ちます。
スルースキルに必要な能力は受け流すこと以外にも応用できるからです。
この記事ではスルースキルに必要な6つの心の筋肉を紹介しました。
6つの心の筋肉は仮に世界中すべての人がいい人であっても必要だと思いませんか?
※6つの心の筋肉=ポジティブ感情、楽観性、柔軟性、自尊心、自己効力感、心の支えとなる人間関係の6つ
くり返しになりますが、スルースキルはどうでもいいことに反応しない自己コントロール力です。
その自己コントロール力は心の筋肉で高めることができます。
今ストレスがあってもなくても高める価値がありますよね。
ですから、「スルースキルは人間関係に恵まれている環境では無駄になる」と考えなくていいのです。
あなたがたとえ仕事を変えて人間関係も変わったとしても何1つとして無駄になるものがありません。
では、スルースキルはどうやってトレーニングしたらいいのでしょうか?
スルースキルにはコツや方法がありますが、コツよりもどんなライフスタイルを送っているかのほうが重要です。
6つの心の筋肉の中でも特に重要なのが自尊心ですが、あなたは自尊心が満たされるライフスタイルが送れていますか?
仮に今の生活スタイルが自尊心を満たすものでなかったとしても大丈夫です。
でも、その代わり中長期的に考えてください。
筋トレをしてすぐに筋肉ムキムキになるわけはないですよね。
それと同じように心の筋肉も中長期的にトレーニングするつもりでいたほうがいいです。
「攻撃的な人は満たされていない可哀想な人だと考えましょう」とよく言われます。
あなたも聞いたことがあるのではないでしょうか。
心の筋肉をトレーニングすると攻撃的な人を「残念な人だな」と思うだけです。
心の筋肉が弱い人は「理屈はそうかもしれないけれど、でも・・・」と考えてしまいます。
「スルーするコツとかあるのかな?」と方法ばかりを探してしまう人は、おそらく短期的に考えているのではないかと思います。
「スルーするコツさえわかればストレスがラクになる」と考えたくなる気持ちは理解できます。
でも、中長期的に考えたほうが結果としてラクできますよ。
くり返しになって「しつこいよ!」と思われそうですが・・・
スルースキルに必要な6つの心の筋肉を鍛えることは、中長期的に取り組む価値があることです。
スルースキルまとめ
スルースキルはどうでもいいことに反応しない自己コントロール力であり、自己コントロール力は心の筋肉を鍛えることで高められるという話をしました。
スルースキルが高い人は心の筋肉が鍛えられていて我慢とは別の感覚を持っています。
我慢とは別の感覚が持てると、人間関係もかなりラクになりますよ
もちろん我慢とは別の感覚というのは感じないようにすることではありません。
心の筋肉が鍛えられると「まいっか」と考えられるようになります。
- スルースキルが高い人は心の筋肉が強い
- スルースキルに必要な心の筋肉は①ポジティブ感情、②楽観性、③柔軟性、④自尊心、⑤自己効力感、⑥心の支えとなる人間関係の6つ
- スルースキルは自分と向き合うことによって高められるので、人の話を聞かなくなることではない
- 本当のスルースキルは感受性と心の安定性を両立すること
- スルースキルは鈍感になることでも気にしないフリでもなく、むしろ感じないようにするのは心のダメージ気づけなくなるので危険
- たとえ人間関係に恵まれていたとしてもスルースキルに必要な要素は他のことでも役に立つので取り組む価値がある
- 筋トレを始めてもすぐにムキムキにはならないのと同じように心の筋肉のトレーニングも中長期的に考える
【豆腐メンタルを克服するための完全ガイド】心を強くするレジリエンスとは?という記事で、6つの心の筋肉のトレーニング方法を解説しています。
ぜひチェックしてください。