支配欲とは相手をコントロールしたいと思う欲求のことです。

 

仕事であれば上司が部下に対して命令口調で指示をして、上司の思いどおりに部下を行動させるのが支配欲です。

恋愛関係の男女であれば恋人を束縛するのも支配欲の一例ですね。

 

支配欲が強い人は自分の都合を優先させすぎるので、周囲の人の都合を考えてくれません。

だからこそ周囲の人は「もっと自分のことを考えてほしい」と悩むわけですよね。

 

職場の人間関係であれば

  • 面倒な仕事を人にやらせて自分はラクしようとする人
  • 自分が個人的にやりたくないことを人に押し付ける人
  • 命令口調に指示を出す人
  • 自分の意見だけが正しいと思っていて人の意見を聞かない人
  • 自分のやり方を相手にも強要する人

こういった特徴を持つ人が挙げられます。

 

あなたは面倒な仕事ばかりをやらされた経験はありますか?

「この人は自分がラクしたいだけじゃん!」と思ったことはありますか?

 

あるいは「それはあなたの考えであって、必ずしも正しいと言えないのだから強要しないでほしい」と思ったことはありますか?

僕もかつては個人的にやりたくない仕事を押し付けらたり、やり方を強要されたりしたときにムカついていました。

 

なぜ支配欲が強い人と一緒にいるとストレスを感じてしまうのでしょうか?

それは「相手が上で自分が下」と感じていて、それがイライラの原因になっているからです。

 

人は潜在的に「あなたと私は対等だ」という考え方を持っています。

だから相手が「これをやって」と言って自分がそれをやることが本当のストレスではないのです。

 

本当にストレスになることは「お前は私よりも下である」と態度や表情などの非言語でメッセージを受け取ることです。

 

そういうメッセージを受け取っている自覚はなくても実際は受け取っています。

だから「なんで人の気持ちを考えてくれないの?」と感じてしまうわけです。

 

「やらされている」と感じれば「自分は相手より下」と解釈しています。

「やってあげている」と感じれば「自分と相手は対等」と解釈できています。

 

ですから「自分が下である」とか「大事にされていない」と感じるストレスをどう解消すればいいのかを考えていきましょう。

 

 

支配欲が強い人の特徴と心理

支配欲が強い人はどんな心理状態なのでしょうか?

何を考えているのでしょうか?

 

支配欲が強い人は大きく分けて2つの考え方を持っています。

1つは「自分のニーズはすべて受け入れられるべきだ」という考え方で、もう1つは「自分の意見は正しいから言うことを聞いてほしい」という考え方です。

 

では、なぜ「自分のニーズはすべて受け入れられるべきだ」とか「自分の意見は正しいから言うことを聞いてほしい」と考えるのでしょうか?

 

支配欲が強い人は

  • 不安や恐怖がある
  • 自分はエライと思っている
  • 被害者意識がある
  • 正義感や責任感が強い
  • こういった特徴を持っています。

 

これらを具体的に見ていきましょう。

 

不安や恐怖がある

 

支配欲が強い人は自分のニーズを受け入れてくれないことで、自分の影響力がなくなることだと考えています。

 

「部下が自分のことを上司として見てくれなくなったらどうしよう」という気持ちがあります。

「部下になめられると上司である自分のメンツが・・・」という気持ちから高圧的に接してしまう上司もいるでしょう。

 

恋人を束縛する人であれば「相手が自分から離れたらどうしよう」という不安があります。

 

支配欲が強い人には何かを失う恐怖があります。

 

それが仕事なら自分の評価が下がることかもしれません。

恋愛なら恋人に浮気されることかもしれませんし、別れ話をされることかもしれません。

 

不安や恐怖を感じていると安心したいと思いますよね。

 

支配欲が強い人は相手を自分の支配下にすることで安心しようとしているのです。

 

自分はエライと思っている

仕事の人間関係で「この人はいつから自分の上司になったのだろう?」と思う人っていますよね。

そういう人は平気で年上の人にタメ口だったりします。

 

たとえ相手が自分より年上であっても「私はエライからあなたは言うことを聞いて当然だ」と思っています。

 

自分はエライと思っているからこそ「自分のニーズはすべて受け入れられるべきだ」という考え方を持っているのです。

 

被害者意識がある

 

支配欲が強い人の全員ではないですが、被害者意識を持つ人もいます。

「自分のニーズを受け入れてくれないあの人は悪い人で自分はその被害者だ」と考えるのです。

 

被害者意識がある人の「なんでダメなの?」という言葉は「とにかく言うことを聞けよ!」という意味だと考えてください。

 

「すねる」「いじける」といった態度で自分の要求を通そうとする人がいますよね。

それは機嫌が悪くなることですが、なぜ機嫌が悪くなるのでしょうか?

 

「私は被害者だから加害者であるあなたは私の要望に応えるべきだ」と考えていることが理由です。

そういう困った性格の持ち主が職場の人間関係でいるなら、面倒な仕事を人に押し付けるでしょう。

 

「それぐらい自分でやってくださいよ」なんて言ったら、敵対視されて場合によっては無視されることもあります。

 

責任感や正義感が強い

支配欲が強い人はワガママな人が多いですが、責任感や正義感が強い人も支配欲が強くなることがあります。

 

責任感や正義感の強さから「指示に従ってほしい」と思っている人もいます。

「自分の意見は正しいから言うことを聞いてほしい」という気持ちからキツイ口調なることもあるでしょう。

 

おつぼねタイプの人や怒りっぽい上司の中には

  • 言っていることは正しいけれどキツイ口調で主張する
  • 責任感が強いけど威圧感がある

こういう特徴を持つ人って職場にいますよね。

 

「この人は細かい指摘ばかりしてくるな」と思う人は「自分と同じ意見や基準を持っていなければならない」という考え方があります。

 

支配欲が強い人の対処法

支配欲が強い人の対処法として挙げられることの1つに「相手と距離を置く」というものがあります。

しかしながら、「距離を置けるなら、とっくにやっているさ」と思う人もいるでしょう。

 

もちろん相手の支配欲が強すぎるのであれば、その関係を断ち切ることも必要です。

 

プライベートの人間関係であれば付き合わないようにすることも可能でしょう。

ですが、職場の人間関係であれば付き合いをゼロにはできませんよね。

 

これまでに僕はプライベートでも仕事でもワガママな人と付き合いがありました。

適切な人間関係の距離感を知らなかった頃はストレスを感じていましたが、いろんなことを学んでストレスがラクになりました。

 

ここでは「やっぱりこれが大事だな」と僕が感じて学んだことをここでシェアします。

 

境界線を引く

相手はニーズを満たしているのに自分はニーズを満たせていない状態が人間関係のストレスになりますよね。

支配欲が強い人との付き合いをゼロにできない場合は「境界線を引く」という考え方を学びましょう。

 

自分と他人を分ける人間関係の境界線のことをバウンダリーと呼びます。

 

境界線を上手に引くことができれば人間関係のストレスは減ります。

境界線を引くことに関してはここで解説しきれませんが1つだけ大事なことをお伝えします。

 

英語だと「draw boundary」と言います。

「draw」は引くという意味の他に引き分けにするという意味もありますよね。

 

人間関係には勝ち負けはなく引き分けでなければいけません。

つまり相手と自分はイコールになっていることが大事なのです。

 

ですから「相手と自分はイコールになっているか?」という視点を持ってください。

 

「優しいだけが自分の長所だ」と思っている人は要注意です。

「優しい自分でありたい」という気持ちはあってもいいですが、「相手の要望に応えることしか自分の価値がない」と考えるのをやめましょう。

 

相手のニーズを受け入れることだけが自分の価値だと思うことはNoと言えない原因であり、自分の意見が言えなくなる原因です。

 

でも本当の優しさはwin-winの関係が築けることです。

自分を犠牲にすることは自分に優しくしていません。

 

「優しい人でありたい」と思うなら自分にも優しくしましょう。

 

実際にYesと言うのかNoと言うのかは、状況や相手によっても違うでしょう。

要望の内容によっても変わるでしょう。

 

ただ本来は自分と相手は対等であるはずです。

「自分と相手はイコールの状態になっていい」という考え方があるだけでも気持ちはラクになります。

 

たとえOKするときであっても「Yesと言ってもいいしNoと言ってもいい」という考え方を持ちましょう。

 

第3の意見を考える

Yesと言うにしても「Noと言ってはいけない」と考えるより「Noと言ってもいい」と考えるほうがストレスは少ないです。

ただ「Noと言ってもいい」という考え方を持ったほうがいいのですが、何でもNoというのも違いますよね。

 

支配欲が強い人にストレスを感じてしまう人は

  • Yesと言う
  • Noと言う

この2つしか選択肢がないと思い込んでいます。

 

つまり相手に従うか?それとも反論するか?

この2つのうちどちらを選ぶかということです。

 

自分と相手とイコールにすることが境界線を引くことですが、断ることだけが境界線ではありません。

相手の意見を理解しながら自分の意見を言うことも境界線の考え方に含まれます。

 

そこで取り入れてほしい考え方が「第3の意見」です。

自分の考えを意見①、相手の考えを意見②としましょう。

 

意見が分かれたら

  • どちらか1つしか選べない状況か?
  • それとも第3の意見を出すことができるのか?

これを常に考えましょう。

 

つまり我慢するか反対するかの2択ではなく、意見①と意見②の要素をピックアップして第3の意見を考えることが大切です。

 

完全な平等を考えない

第3の意見を出せる状況で相手がNoと言うときもあります。

支配欲が強い人との付き合いでは、相手が自分の要望を受け入れてくれないことは多々あるはずです。

 

「あの人はワガママでムカつく」と思ってしまうこともあるでしょう。

第3の意見を提案しても相手がそれを拒否したら、それは相手にとって強いこだわりがあるからです。

 

「ワガママだな」と感じるとは思いますが、支配欲が強い相手と完全な平等はかなり難しいですよね。

 

そもそも支配欲が強い人がなぜストレスに感じてしまうのかと言えば、

  • 平等であるべきだ
  • 対等な立場であるべきだ

こうした「べき論」があるからです。

 

もちろん「平等であるべきだ」とか「対等な立場であるべきだ」という考え方は正しいです。

僕もそういう考え方を持っています。

 

「べき論」は信念とも言えますが、信念は自分の心を強くもするけれど苦しめるものでもあります。

だから自分の意見は正しいと自信を持つことに加えて、相手の意見も正しいと思える柔軟性も必要です。

 

「平等であるべきだ」や「対等な立場であるべきだ」という考え方に柔軟性を持たせることができれば許容範囲が広がります。

「あの人だから仕方ないよね」と考えられるようになるからです。

 

「いやダメだ!絶対に平等でなければいけない!」という価値観は正論です。

 

でも、100%平等な状態はつくることが可能でしょうか?

むしろ100%の平等を目指すからこそ「あの人はワガママでムカつく」と思ってしまうわけです。

 

  • 相手と自分はイコールの状態になっているか?
  • 第3の意見を出せる状況か?

この2つの視点を持ったうえで、「完全に平等の状態をつくることはできない」という考え方も持ちましょう。

 

矛盾するように感じると思いますが両方とも必要です。

「平等であるべきだ」ではなく「平等であることが望ましい」と考えられると、支配欲が強い人に対するストレスが激減します。

 

「平等であることが望ましい」と考えたうえで

  • Yesと言ってもいいけれどNoと言ってもいい
  • 第3の意見は出せそうかな?

こういったことを考えましょう。

 

自分で選択したと考える

支配欲が強い人との付き合いで注意したいことの1つに“やらされ感”があります。

 

  • 相手の要望にYesと言う
  • 相手の要望にNoと言う
  • 自分の意見を言う
  • 第3の意見を考えて代案を出す

どれも正解です。

 

でも実際のところはYesと言うことが多いと思います。

 

相手が支配欲は強いけれども威圧感がない人であれば、断ることも難しくないでしょう。

「いいからやってよ!」と強くプッシュされたり、断られたら機嫌が悪くなったりという場面が多いのではないでしょうか。

 

Noという権利があってもYesと言っておいたほうが無難な場合は、相手の要望を受け入れることも必要ですよね。

 

そういうときに「自分で選択した」という考え方が必要です。

「これは自分の決めたことだ」と思える気持ちを自己決定感といいます。

 

支配欲が強い人との付き合いで気をつけたいことの1つが自己決定感を下げてしまうことです。

 

「上司の指示だから仕方ない」とか「あの人がやれと言ったから」と考えてしまいがちですよね。

受け身の考え方を持つとやらされ感が増します。

 

でも本当はやらされているのではなく、「指示に従う」とか「要望を受け入れる」という選択を自分で選んだのです。

 

同じ行動をとっていても

  • 相手の言いなりになっている
  • 相手のニーズを受け入れてあげた

この2つの解釈には大きな違いがあります。

 

自己決定感を持つことができなければ我慢していると感じてしまいます。

我慢していると感じている人は我慢するか言い返すかという2択しか見えていません。

 

第3の意見を考えるとか相手のニーズを受け入れるという選択もありますが、この2つが見えていないとかなりストレスになるはずです。

 

ですから我慢するか言い返すかのコミュニケーションのスタイルを卒業しましょう。

文句を言いながら何かをするのはやめましょう。

 

また「言いなりになっている」という解釈を持てば自分に自信が持てなくなくなります。

 

人間関係にはこの4つのパターンがあります。

  1. 自立×自立→自分も相手も自立している
  2. 自立×依存→自分が自立で相手が依存
  3. 依存×自立→自分が依存で相手が自立
  4. 依存×依存→自分も相手も依存している

 

当然ですが自立×自立の人間関係が理想です。

 

相手に自立していてほしいと願いたいところですが、相手をコントロールすることはできません。

でも自分の考え方はコントロールできますよね。

 

ちなみに支配欲が強い人が身近にいて「やらされている」という意識を持っていれば、依存×依存の関係になります。

 

支配欲が強い人は「やってもらわないとダメな人」という意味で依存しています。

支配欲が強い人に命令される人は「自分で選択できない人」という意味で依存しています。

 

「支配欲が強い人が悪い」と考えても何も解決しませんし、それは「対処法がない」と受け身になることです。

 

確かに命令口調で言われると腹が立ちますが、「仕方ないからやってあげるか」と考えられれば自分の選択になりますよね。

 

Noと言うことだけが自分の選択ではありません。

相手の要望に対してYesと言ってあげることも自分の選択なのです。

 

 

ストレスを受け流そう!

支配欲が強い人が強い人の性格には問題があると思います。

ですが、大事なことはあなたがどう考えどう行動するかです。

 

支配欲が強い人が職場にいれば、

  • もっと自分に自信が持てればNoと言えるかもしれない
  • でも仕事だからNoとは言えない
  • 相手は職場で影響力がある人だから従うしかない

こうした気持ちで揺れると思います。

 

不快な気持ちにもなると思いますが、ストレスの本当の原因は「自分は言いなりになっている」という解釈です。

仕事がつまらなくなり理由は「あの人がワガママだから」と言う解釈があるからです。

 

もちろん何でもOKしろとは言うつもりはありません。

僕も本音を言えば人を対等だと思えない人が悪いと思っています。

 

そこで人間関係のストレスを受け流すことを覚えましょうという提案をしたいと思います。

「自分は相手の言いなりになっている」という考え方を持っているのなら、ストレスを受け流せていない状態です。

 

では、支配欲が強い人からのストレスを受け流すとは何でしょうか?

 

次の2つが受け流すことだと考えてください。

  1. 相手が自分の都合しか考えていない人でも不愉快な気持ちにならない
  2. Noと言って断ったときに相手の機嫌が悪くなっても罪悪感を持たない

 

「オレ様ナンバーワン」と考える人はあなたを下に見ています。

当然「自分のニーズはすべて受け入れられるべきだ」と考えていますし、断られたら機嫌も悪くなるでしょう。

 

  • たとえ相手が命令口調に言ってきても「わかりました」とスマートに言えるか?
  • 断って相手の機嫌が悪くなっても自分がクールに過ごせるか?

こういったことが大事です。

 

僕は受け流すことを覚えて命令口調の人もワガママな人も、あまりストレスだと思わなくなりました。

もちろん一緒にいたいとまでは思いませんが、今ではあまり気にしません。

 

いろいろと学び経験していく中で受け流すために必要なのはこの3つだなという結論が出ました。

その3つとは何だと思いますか?

 

「スルースキルを習得する方法!受け流すために必要な3つの要素とは?」という記事で解説していますので読んでみてください。