あなたは「こっちも怒りたくて怒っているわけじゃないんだから、頼むから怒らせないでくれよ」と言っている人を見たことがありますか?
「自分の上司がまさにそういう言葉を言います」と思ったら、この記事を参考にしてください。
- 上司がちょっとしたことで怒る
- 自分だけキツイ言い方をされる
- 怒られすぎて自信がなくなっている
すぐ怒る人の対処法は、自分を責めないで相手に優しさを期待しないことです。
そして何より受け流す方法を知ることが大切です。
「自分を責めないとか相手に期待しないとかよく聞くけど、それができないから悩んでいるんじゃないですか!」
そう感じるなら、まだ納得するための理由があなたの中で足りていないか出会えていないかのどちらかです。
どんな考え方にも納得させるための理由が必要ですよね。
この記事ではすぐ怒る人の特徴と心理を解説します。
それを「自分を責めず相手に優しさを期待しない」という考え方が有効であることを確信する判断材料にしてください。
また、すぐ怒る人に傷つけられないように受け流すコツも解説します。
- 自分を責めずに相手に優しさを期待しないことを納得できること
- 受け流す方法を知ること
この2つを理解して実践すれば、人間関係を理由に仕事を辞めたいと思うことが激減します。
この記事を読むことによって、人間関係のストレスに対する忍耐力を身に付ける方法が学べます。
すぐ怒る人の特徴と心理
すぐ怒る人は満たされていません。
すぐ怒る人には、
- 欠けているものを埋めたい
- 自分の価値を証明したい
この2つの心理が根底にあります。
満たされていないから常に欠けているものを埋めたいと考えているわけです。
欠けているものを埋める手段の1つが相手の自尊心を傷つけることです。
怒ることによって相手が萎縮すれば上下関係ができますよね。
相手が萎縮することによって「自分の価値を証明できた」と考えるのです。
感情には一次感情と二次感情があると言われています。
一次感情は悲しい、恐怖、寂しい、劣等感などがあって、怒りは二次感情と言われています。
コップに水をため続けるとあふれますよね。
それと同じように一次感情が心のコップにたまって、あふれて限界がきたときに二次感情である怒りになって表に現れます。
恐怖、寂しい、劣等感、不安、悲しい、ガッカリetc
怒りっぽい人は常に一次感情が心のコップにたまっている状態だと考えてください。
だから誰かをターゲットにないと心が落ちつきません。
誰かをターゲットにしないとモヤモヤを抱えることになるから「オレ様の心が10%しか満たされていないからお前も幸福度を下げろよ!」というメッセージを相手に言葉や態度で送っているわけです。
つまり、すぐ怒る人は怒りたくて怒っているといえます。
本当に怒りたくないと思っているなら怒らないはずです。
「愛のムチ」という言葉がありますが、愛のムチは存在しません。愛がないからムチでたたかくわけです。
- すぐ怒る人は小さなことを拡大解釈する
- すぐ怒る人は相手によって態度を変える
- すぐ怒る人は支配欲が強い
相手が怒っていたら「この人は一次感情が心のコップにたまってるんだな」と考えるようにしてください。
この考え方が自分を責めない第一歩です。
ここで解説することを
- すぐ怒る人は怒りたくて怒っているから自分を責める必要はない
- すぐ怒る人に優しさを期待しないほうがいい
この2つを意識するための判断材料にしてください。
すぐ怒る人は小さなことを拡大解釈する
欠点や失敗を極端に大きく解釈して、逆に長所や成果を極端に小さく解釈することを「拡大解釈と過小評価」と呼びます。
すぐ怒る人は拡大解釈と過小評価して、あえて怒るという選択をしているのです。
では、なぜ拡大解釈と過小評価をするのでしょうか?
それは「自分のほうが仕事ができる」とか「自分のほうが努力している」と思いたいからです。
すぐ怒る人は劣等感が強くて常に満たされない感覚があります。
怒りを相手にぶつけると、自分が抱える不快な感情を一時的に解消できますよね。
狭い世界であっても「自分のほうが上だ」と考えることで、瞬間的に満たされ安心できます。
怒ることが自分の価値を証明することにつながると考えているわけです。
ミスと呼ぶほどのことではないことで怒鳴る人を見たことがありますか?
ちょっとしたことで「コイツはやる気がない」と判断する人は身近にいませんか?
ミスと呼ぶほどのことではないことでも「マジで勘弁してくれよ」と言うと、「自分のほうが上」と思えますよね。
その出来事が些細なことであっても「コイツはただ出勤すれば給料がもらえると思っている」と考えれば、「自分のほうが頑張っている」と思えますよね。
だからすぐ怒る人は拡大解釈と過小評価をするのです。
あなたの考えるべきことは「自分の能力が低いから怒られる」ではありません。
「この人は拡大解釈と過小評価をしているんだな」と考えるようにしてください。
すぐ怒る人は相手によって態度を変える
すぐ怒る人は人によって態度を変えることが少なくないです。
怒りという感情は出し入れ可能なツールだと考えてください。
この人に怒ることはデメリットだと判断した相手には怒りません。
「この人には嫌われたくない」とか「相手は自分より立場が上で自分の評価を下げたくない」といった理由があります。
逆に「コイツに怒ることでのデメリットはない」と判断した相手には怒ります。
「よし!コイツには怒りをぶつけられるぞ!」と判断していて怒るのです。
あなたはこういう人を見たことがありますか?
- 自分より上の立場の人にはペコペコするが、弱い立場の人には横柄な態度をとる人
- 若い女性には優しく接するけど男性には高圧的な態度をとる男性上司
- 男性と一緒のときは機嫌がよく若い女性と一緒にいるときは機嫌が悪くなるお局さん
こういう人を見たら「今この人は怒りというツールを発動させたな」と考えてください。
「怒りは出し入れ可能なツールで、今まさにそのツールをこの人は使っている」と考えると、冷静さをキープできるようになります。
決して自分を責めないでくださいね。
【参考記事】なんで自分にだけ冷たいの?相手によって態度を変える人がいてもストレスをためない方法!
すぐ怒る人は支配欲が強い
すぐ怒る人の中には支配欲が強く相手をコントロールしたいと考えている人もいます。
言うとおりにさせるために怒りを使ったコミュニケーションをするのです。
怒りは相手を従わせるための手段だと考えてください。
「怒って相手が萎縮すれば言うことを聞く」と考えているから怒りというツールを使います。
問題が発生したから怒っているのではなく、言うとおりに行動させるために怒るのです。
Noと言われると機嫌が悪くなる人がいますよね。
断ったときに機嫌が悪くなるのは「やれよ!」と言いたいだけです。
ですから、「自分のせいで相手が怒っている」と考えるのではなく、「言うとおりにさせたくて相手は怒っている」と考えてください。
もちろん仕事として絶対に必要であれば、その作業をやる必要があります。
ですが、その人が面倒でやりたくないという理由なら、あなたには断る権利があります。
あとでも詳しく解説しますが、相手が怒っているかをYesかNoの判断基準にせず、あくまであなたがYesかNoで返答するようにしてください。
あと注意が必要なのはサービス業などでマニュアルの範囲外のことを言われるケースです。
「そっちのミスなんだから、それぐらいやってよ」と言われても、上司の判断に従うことやマニュアルを守ることは大事ですよね。
【参考記事】支配欲が強い人の対処法!ストレスを極限まで減らす考え方とは?
すぐ怒る人に傷つけられないように受け流すコツ
すぐに怒る人から傷つけられないためには
- 自分を責めないこと
- 相手に優しさを期待しないこと
この2つの考え方を心から納得できていることが重要です。これまでの話はこの2つを納得するための判断材料として考えください。
自分を責めずに相手に優しさを期待しないことに加えて、受け流すこともストレスを減らすために必要です。
そして、受け流すために必要な要素や考え方を知っていることが重要です。
すぐ怒る人が職場にいると、「相手が理不尽なのだから相手が変わるべきだ」と考えてしまいがちです。
僕も本音ではそう思っています。
攻撃的な人がもっと人に優しくなってくれたら、もっと世の中は平和になりますよね。
本来なら努力や成長によって自分の心を満たすべきです。
ですが、すぐ怒る人は努力も成長もできません。
おそらく努力や成長によって劣等感を乗り越えることが一生できないと思います。
だからこそ、すぐ怒る人が優しくなってくれるのを期待せず自分が強くなることに対して期待しましょう。
ここでは受け流すために2つのタイプの方法を解説します。
1つは短期的なアプローチで今すぐ実践できることで、2つ目は長期的に取り組むべきことです。
- 自分を理解してくれる人を意識する
- 相手の機嫌の悪さで判断しない
- 受け流すために必要な3つのスキルを学ぶ
自分を理解してくれる人を意識する
職場で自分を理解してくれる人や評価してくれる人の存在を意識しましょう。
自分のことを理解してくれる人がいると意識できれば安心感が得られます。
すぐ怒る人がいると、あなたはどんな気持ちになりますか?
罪悪感や疎外感を抱えるのではないでしょうか。
相手の機嫌が悪ければ「何か悪いことをしたかな?」と考えてしまいますよね。
自分だけが怒られると「なんで自分にだけ言うのだろう」と考えてしまいますよね。
すぐ怒る人がいることでのストレスは罪悪感と疎外感の2つです。
自分を理解してくれる人を意識することで、そのストレスがラクになります。
自分のことを理解してくれる人がいれば、「この人にわかってもらえなくてもいい」と思えるからです。
今の職場で自分のことを理解してくれる人は何人いるかを考えてみましょう。
そして、できるだけ自分のことを理解してくれる人を意識するようにしてください。
理不尽なことで怒られたら「大丈夫!全員から嫌われているわけではない!」と心の中でつぶやきましょう。
相手の機嫌の悪さで判断しない
相手の機嫌の悪さYesかNoかを判断しないようにしましょう。
相手が怒っているか怒っていないかではなく、あなたがYesと思うのか?
それともNoと思うのか?あなたの感情から判断してください。
職場であればその人がただ面倒だと思ってあなたに押し付けている可能性もあります。
もちろん「やってあげてもいいな」と思えるなら断る理由はないですよね。
でも、やりたくないことを無理に引き受けないほうがいいです。
相手が怒っているからという理由で行動したら何でもアリになります。
もし飲食店で「ただで食わせろよ!」と怒っている人がいたら受け入れるべきでしょうか?
上司が「精神的苦痛を与えられたからオレに罰金を支払え!」と言ったら、あなたは支払いますか?
この例は極論ではありますが、「相手が怒っているからYesと言う」という判断基準ではダメです。
補足説明もしたいと思うので、参考にしてください。
相手に何かお願いしたら「それぐらいのことはやれよ!」と強く言われたことはありますか?
質問をしたときに「自分で考えろよ!」と怒られたことはありますか?
あなたから相手に何か言って、その相手が怒ったとしても気にしすぎないようにしましょう。
- 「自分でやれよ」と言われたら自分でやるだけ
- 「自分で考えろよ」と言われたら自分で考えるだけ
こう考えてください。
「自分でやるべきことなのに人にやらせようとしてしまった」とか「自分で考えるべきことなのに質問してしまった」と考える必要はありません。
深刻に考えずにただの要望ぐらいに受け止めましょう。
受け流すために必要な3つのスキルを学ぶ
これまで解説した
- 自分を理解してくれる人を意識する
- 相手の機嫌の悪さで判断しない
この2つは今すぐ実践できることです。
ここで解説することは長期的な取り組みです。
長期的な取り組みとは簡単には心が折れずに受け流せるようになることです。
そして、受け流すためには
- 心を整えるスキル
- 自尊心を育てる
- 境界線を引く
この3つを学びましょう。
心を整えるスキルとは?
心を整えるスキルは気分のよさを自分で生み出すスキルです。
不快な感情を手放して心を落ちつかせるスキルだと言ってもいいでしょう。
すぐ怒る人がいれば不快ですよね。
不快な気分になるなら、その不快な気分を手放すスキルが必要です。
自尊心を育てることが必要な理由
自尊心とはありのままの自分に存在価値を感じられる感覚です。
自分には価値があると思える自信だと考えてください。
すぐ怒る人はあなたの自尊心を傷つけたいと考えています。
あなたが萎縮すれば欠けているものが一時的に埋まった感覚が得られるからです。
簡単に言うと優越感を得たいから怒ると考えてください。
あなたと上下関係ができれば自分の価値を証明できると考えているわけです。
すぐ怒る人があなたの自尊心を傷つけたいと考えているからこそ、簡単には傷つかないようにすることが必要です。
簡単には傷つかないようになるためには自尊心を育てることが必要です。
境界線を引くとは何か?
人間関係には自分と他人を分ける境界線があり、その境界線をバウンダリーと呼びます。
「自分は自分」「他人は他人」と分けて考えることが境界線を引く意識です。
この意識が持てると「考えたほうがいいこと」と「考えなくていいこと」の線引きができるようになります。
考えたほうがいいことは自分の責任の範囲内のことで、考えなくていいことは自分の責任の範囲外のことだと考えてください。
相手の機嫌の悪さをYesかNoの判断基準しないことが大事だとお伝えしました。
この考え方がまさに境界線を引くことです。
境界線を引く考え方の中に「感情は感じた本人のもので他の人のものではない」という考え方があります。
これは「自分の機嫌を自分でとるべきだから他人は責任をとれない」という意味です。
つまり相手の機嫌が悪いかどうかは考えなくていいことになります。
あなたは自分の機嫌をあなた自身でとる必要があります。
それと同じように上司の機嫌は上司が自分でとらなければいけないものです。
もちろん最低限の配慮は必要で、わざと怒らせることはダメです。
ですが、相手の怒りはあなたの責任ではありません。
境界線の理解が深まると何でも自分が悪いと考えることがなくなりますよ。
すぐ怒る人の対処法まとめ
すぐ怒る人は怒りたくて怒っています。
もちろん最低限の配慮は必要で、わざと怒らせることはNGです。
ですが、「怒りたいなら怒らせておけばいい」と考えられると、今より気持ちはラクになります。
- 自分を責めずに相手に優しさを期待しないことに対して心から納得できることが大事
- 相手が怒っていたら「この人は一次感情が心のコップにたまってるんだな」と考える
- 自分の能力が低いから怒られると考えずに「この人は拡大解釈と過小評価をしているんだな」と考える
- 相手が怒り始めたら「今この人は怒りというツールを使っている」と考える
- すぐ怒る人は相手をコントロールしたくて怒りをツールとして使う
- 自分を理解してくれる人の存在を意識して「全員から嫌われているわけではないから大丈夫」と心の中でつぶやく
- 相手が怒っているのをYesかNoの判断基準にせず、あくまで自分の気持ちがYesかNoで返答する
この記事で解説したことはあくまで健は全と言えない相手に対しての対処法です。
健全な相手に対してはちゃんとした配慮をしましょう。
ですから「相手が健全な人か?それとも怒りたくて怒っているだけか?」という視点を持つようにしてください。
さて、最後に今の仕事を辞めるか続けるかで悩んでいる人のために補足説明をしたいと思います。
仕事の内容にやりがいを感じるけれど職場の人間関係が悩みであれば、今の仕事を辞めるか辞めないかを迷ってしまいますよね。
人間関係を理由に仕事を変えることがダメではありませんが、無理して辞める必要もありません。
もし、あなたが今の仕事を続けたいと思うなら、穏やかな気持ちで働くに受け流せるようになりましょう。
「スルースキルを上げる方法!受け流すために必要な3つの要素とは?」という記事で3つのスキルの詳細を解説しています。
ぜひチェックしてくださいね。